休話3
そして、文化祭が始まる。後に、伝説となる文化祭が、始まる。
前夜祭。
の、前日。
「みせか」
「やそら。どうしたの?」
放課後。電気を消して、外の明るさだけになった教室に女子二人。窓を見ると、空は薄暗く、西の方は、あかね色や朱色と言った、まだ明るさが残っている空だけど、東の方からは段々と夜が近づいている、そんな空だった。
「明日は、いよいよ文化祭ね」
教室に二人切り、私は相手が夜宙じゃなかったら、いやでも告白のふた文字が頭によぎっただろう。
実際げた箱に入っていたその手紙は、放課後教室に来て下さいだ何だとそのようなことが書かれていて、読んでいる時『これ本当に私宛かな』と疑ったほどだ。
わたしは今、手紙の差出人である夜宙に合っていた。文化祭の……前日に。
「そうね、夜宙。わたしも楽しみだよ、文化祭」
「あんたどうせ出店とかに行くんでしょ、まったく。いいけど、あまりお金を使わないことね」
「分かってるわよー……」
夜宙は窓際から二つ目、教卓のすぐ近くの机に腰掛けながら、そんなことを言う。
そこは私の席なのだけども……
「で?だから、どうしたのよ、夜宙」
わたしは、夜空の隣の机に腰掛けて、さっきの質問をまた夜宙にする。
……どうやら話すのをためらっているらしい。
「……わたしは明日、やってやるわ」
意 味 が 分 か ら な い。
急にどうした!?何がどうしてそうなったの!?
やってやるって何を‼ためらった結果それなの!?曖昧すぎるやろ!
等と考えた後、わたしは気付いた。
「………覚悟、ね」
そう、覚悟。
やっぱり、夜空も、私と一緒なんだ。
「みせかはどうなの?」
夜空にそう言われる。
そうか。心配してくれてたんだ。あの電話の時から、ずっと。
「大丈夫。わたしも覚悟、決めてきたわ」
「……そう」
夜空はどこか不安な顔でにこっ、と笑顔を見せると、
「わたしさ、やっと見つけたの」
夜宙は足をぷらぷらさせながら話し始めた。
「自分のしたいこと。わたし今まで、毎日を無意味に過ごしていた。そりゃもうダラダラと。そんな毎日もう嫌になってた。変わりたかったわ。それでね?色々動画見て、みつけたの」
夜宙はそこで、教卓から離れて、後ろのロッカーに近づいて行く。と、私はここではじめて教室の後ろの方を見た。そこには夜空のものと思われる荷物が。
「そ、それって……」
わたしは、それを見て、ようやく夜宙がしたいことが分かった。それと同時に良く分かったな聖夜と言う気持ちもわきあがる。わたしは分からなかったのに。
「わたしはこれで、私を証明するの。これが私だってね」
なんも……言えない。ただただ驚いている。
「みせか、さっき覚悟決めたって言ってたじゃない?わたしあれ、ちょっと嘘かなって思った。でも、大丈夫よ」
夜空は続ける。
「そうゆう心配ごとも、全部全部吹き飛ばしてあげるから‼」
夜空は、夕日に反射してきらめいている、やけにかっこいいギターを持ちながらそう言った。
ギターでしたね。母から父に。父からやそらに。……いえ、本編の方はお母さんは生きていますけどね?なんでか休話の方は死んだことになっちゃってるんですよねー。ここでチャント、音楽やるんやな、ってのは分かるんですが、結構そのフラグがありましてねー。
感のいいガキは気づいていたんじゃないでしょうか。




