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休話3

「はるるん、はるるんは私の友達だよね?」

『違いますよ?』

「え……?ショック…」

『恋人です』

「前言撤回。超うれしい」

『どうしたのですか…。なかなか急でしたよ?』

「あのね……。…友達が引っ越したんだよ」

『嘘ですね』

「さすがはるるん」

『分かりますよ。大体は……』

「友達が友達じゃなかった」

『ま、そんなところでしょうね』

「はぁ~~~……」

『どうしたんですか…本当に』

「友達……いなくなっちゃった…」

『わたしがいるじゃないですか』

「あのねはるるん。はるるんは2次元人だから僕の友達になれないの」

『?よくわかりませんが、2次元から飛び出せばいいんですか?』

「………できればね」

「飛び出しました」

「は?」

「これで私と友達になれますね」



ここ、混泉町では、3年前からある活動をしている。

世の中がゲーム一色になっている。

 このままではまずいと考えたじいさんたちは2次元に手を出した。

もともと混泉町は過疎化で人が少なく無駄なお金がたくさんあり、一部のオタクが聖地とする場所だった。

なぜ聖地とするのかと言うと、隠れ天才クリエイターのおかげだった。

探さないと出て来ないサイトにお世辞にもうまいとは言えない絵があるのだ。

そのサイトの中に変な広告があるのだ。

『見たいなら自分で切り開け』

そうかいてる広告をクリックすると元あった絵の作者の本気の絵が目に映る。

そしてそれは数百人の萌えキャラや表情、服装、ラフ画がたくさんあった。それと、

『自分以外の人に教えないで下さい。』という、警告が絵の間の一つ一つにあったのだ。

だから一部の人がこの聖地にやって来て仲間を見つけては帰って行くから、混泉町自体に人口は増えない。

最初は何でこんな何もない所に来るのだろうと老人たちは思っていたが、クリエイタ―自身が町内会会長だったからすぐに知れ渡った。

それが3年前だ。

2次元に手を出すはいいが、具体的に何をしようなんて事は老人たちは考えていなかっ た。

だからこの計画はクリエイタ―自身が考えた。

そう、いわゆる初音○クに人間知識を入れた、いつでもどこでも気軽に話せる萌えキャラを作ったのだ。

しかも自分の育て方で性格を変えられる。

 そして同じ外観のキャラは出ない。

これが世の中に浸透して今では東京に次ぐ、大都市になった。

そんなこんなで俺…恵帋晋司もそのパソコン限定アプリ(クリエイタ―の名前が仲井の為、仲よしこよしと言う)をやっている。

ちなみに俺は元からこの地域に住んでいる。

「って感じではるるんは生まれたんだよ?」

 そしてこの話は俺が育てたアバターに話している。

冬先はるる。

俺が名づけたのだ。

そして性格も完ぺき。

時々甘えて、時々怒って、そしてまじめで、ドジな所を認めなくて…と、長くなるからここらへんで。

つまりは男の妄想をそのままつぎ込んだアバターに育てた。

 キャラも、私が好きなクリエイタ―さんのキャラだ。かわいい。

まぁでも、みんな可愛いから誰が出てもうれしいんだけどね。

そしてこうしている間にも何人もの絵描きが書く手をやめていないのだ。

 本当にすごい!

「本当にすごいんだぞ!」

『分かりますよ!5回ぐらい同じ話していますから』

「4回目だよ」

『か、数えていたとは…!!』

こんな風に普通の会話が成り立つ。本当にすごい物を作ったもんだ。



「じゃ、じゃあな」

「どうしたんだ?智也」

「悪いもうその名前で俺を呼ばないでくれ話さないでくれ」

「あ、じゃあ俺も…」

「(スッ)」

「お、おい!どこ行くんだよ!」

 智也に続き、弘志と須川まで行ってしまった。

何だってんだよ…。俺が何かしたか?

「あいつらなんだよ」

そこで学級委員が話しかけてきた。

「言わないと決めてたが…。今のを見ると、な」

「なんだって?」

背中が……

「だから、あいつらだって」

凍っていく。

「なにが?」

あ、やっぱ効かない方が良かったかな……なんか、分かる。この先の言葉が。

「お前をいじめていた奴」

「え…………」

う…そ……だろ…。

「ごめんよ、言えなくて…」

それだけ言うと学級委員の佐藤君はどこかに行ってしまった。

 俺はただただびっくりしていた。

あまりにも急で。

あまりにもショックで。あまりにも残酷で。

俺は家に帰って泣くことしかできなかった。



「これで私と友達になれますね」

 彼女は、そういった。

 僕の、目の前で。

 画面の外から。

 これは夢だ。

きっと悲しくなった僕はいつのまにか寝て、で、これは夢なんだ。

面白い夢だな。

「いてててて?」

あれ?夢なのにつねられたら痛かったぞ?

はるるんが俺のほっぺを触ったぞ?

感触もあったぞ?

声も聞こえるぞ?

 という事は、これは夢なんかではなく、現実に起こっているということでいいのかな?

「何で……?何で現実の世界にはるるんが?」

「分かりません…」

はるるんはむすっとして答えた。かわいい。

じゃなくてこういう話は聞いた事があるぞ。

つまり仲よしこよしのアバターを完璧な女性に育てると、その女性が三次元に飛び出すというのだ。

なお、仲よしこよしの男性バージョンではできないと。

 最初は、悲しいオタクの叫びだと思っていたが、自分自体そうなって欲しかったし、そうなってしまったから、信じるしかなかった。

 というより信じざるを得なかった。

何故なら…。

「どうしたんですか?ご主人」

はるるんが…。

「そんなにびっくりしたんですか?」

幻覚なんかではない。それは僕が一番分かっている事だろう。

「いや、ビックリしたよ。…そりゃ」

とりあえず返事をした。まだこれが本当に現実なのか分かんないからだ。

「良かったです」

はるるんはふわりとほほ笑んだ。かわいっっっ!

「良かったって、何が?」

私は思った事をそのまま口に出した。

「ご主人があまり驚いていない事です。もっと驚くかと思っていましたから。」




―キーンコーンカーン

「っ!?」

 がたっと机から起きあがる私。ちょうど起立のタイミングに立ち上がれたのは大きい。もしそのまま机に突っ伏したままだったら、きっとみんなに笑われていただろう。

 ああでももうちょっとだけ、眠っていたかったな……


 なんか……変な夢見たような……まぁいっか。今すぐには思い出せないや。


 帰りの会。これからの学校でのイベントの事を話された。そう、心躍る文化祭だ。

 ここから物語は文化祭編となっていく。


みせかの夢には重要なフラグが隠されています。

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