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37・兵士達 1

 言い訳になりますが、他の趣味に没頭していたりしていましたが、そんな中でも作品のアイディアを考えていたんですわぁ。

 時間は少し遡り、マインが居る森の外の村にて…。

「俺達の国の城の宝物庫から盗み出すとは…馬鹿な連中だな…」

 ズタボロになって縄で縛られて地面に座っている盗賊達を見て呟くのは、灰色と毛並みと耳を持った、軍服を着た狼獣人の男性であった。

「大方、商人狙いの盗賊団が、盗賊稼業に上手くいって、調子に乗って城に潜入して盗んだ…って所じゃないか?」

 狼獣人にそう言ったのは、白黒の体に魚の様な体を持ち、背びれがある姿、同じく軍服を着た鯱獣人の男性であった。

「仮にそうだとしたら、どうしたらそういう発想になるんだか…まあ良いさ。おいお前ら! 城から盗んだ物はどうした? お前ら、『やっかい』な物を盗んだだろ?」

 狼獣人が尋ねると、盗賊の一人が口を開いた。

「も…森で魔物に襲われて、馬車を引いていた馬が殺されて…慌てて逃げ出して、森の中だ…」

「おい、出鱈目言ってんじゃないだろうな?」

 そう言って狼獣人が言葉を述べた盗賊の首元に突きつけたのは、装飾が施された戦闘用の斧であった。

「それで俺達が森の中まで捜索して見つからなかったら、無駄足になるんだぞ?」

 鯱獣人も背負っていた槍を突きつけて言い放つ。

「ほ、本当だ! 森にあるはずなんだ!」

 殺される…そう考えた盗賊は、必死にそう言い募った。

「ベクター大尉、レアン大尉」

「! エクレス中佐!」

 慌てて敬礼をして、狼獣人-ベクター-と鯱獣人-レアンーが振り返った先には、二人と同じ軍服を着て、背中に大きな大剣を背負った黒鷲鳥人の女性が立っていた。

「何か吐いたか?」

 黒鷲鳥人-エクレスーが二人に尋ねる。

「その…盗賊の話では、森で魔物に襲われた際に、『アレ』を森で落としたそうです」

 ベクターがそう答え、レアンも無言で同意する。

「成る程…だがそれが真実かどうかは分からないな…此れから数名の兵士を残して、森の探索を行う。幸いにも馬車の車輪の痕跡が残っているからな。盗賊の監視の兵士を寄越すから貴様ら二人とも…!」

 エクレスが最後まで言葉を述べようとした時、一人の男性が走ってきた。身なりから兵士の様であった。

「エクレス中佐! 子供が二人森の中から出てきたのですが、気になる情報を話しております!」

「気になる情報…? 分かった。貴様はこの盗賊達を見張っていろ。ベクター大尉、レアン大尉。付いてこい」

「はっ!」

「了解しました!」

 エクレスは二人を連れて、兵士から教えられた方へと進んだ。やがて村の入り口が見えてきて、其処では泣いている二人の子供の村人を、数人の大人の村人が宥めている様子が見えた。

「ベクター大尉、レアン大尉。貴様ら子供達に話を聞いてこい」

「分かりました…中佐、子供相手は苦手だったなぁ…」

 承諾をした際、ベクターは最後の方は小声で呟いた。

「何か言ったか?」

「い、いえ何も…」

「おい、早く行くぞ!」

 レアンに小声で言われて、ベクターは慌てて村人達の方へと走った。

「! ああ、軍の方々ですか?」

 大人の村人が近づいてきた二人に気付いた。

「そうだ。何かあったみたいだが?」

 ベクターが尋ねる。

「村の子供が野草を取りに行っていた際に、モンスターに襲われた様なんですが…」

 村人が子供達を見ながら説明する。するとレアンがしゃがんで話しかける。

「どうしたのかな? 怖かった?」

 優しげに語りかけると、子供は嗚咽交じりで話し始めた。

「ヒグッ…森で野草を取っていたら…大きな三本角がある虫に襲われて…グスッ…」

『大きな三本角の虫…ギガント・ホーン・インセクトか?』

 話を聞いていたベクターは脳裏に、過去に任務で討伐したそのモンスターが浮かんだ。

「そしたら…赤いドラゴンのお姉ちゃんが助けにきてくれたんだ…それで『逃げろ』って言われたから逃げたけど…その後、お姉ちゃんの痛がる声が聞こえて…」

「赤いドラゴンのお姉ちゃん…?」

 子供を助けた存在に対して、ベクターは眉を顰めた。

「そのドラゴンさん…何か特徴は無いかな?」

 再度レアンが尋ねる。

「えっと…お腹の辺りに模様があった」

『模様のある赤いドラゴン…我が軍の兵士にそんな目立つ兵士は居ないから…旅人か…』

 その後話を聞き終えたベクターとリアンは、待っているエクレスに報告をした。

「ギガント・ホーン・インセクトを足止めした赤いドラゴンか…」

「子供の話では、悲鳴の様な声が聞こえた様なので、負傷している可能性があります」

「エクレス中佐。救援に行くべきではないですか?」

 ベクターが説明をし、レアンが救援の提案する。エクレスは少し考えた末に告げた。

「分かった。ベクター大尉、レアン大尉。貴様らは同行しろ。他の兵士は村で待機をし、ギガント・ホーン・インセクトが来ても対処出来る様に指示を出せ!」

「はっ!」

「了解しました!」

 ベクターとリアンは兵士達に指示を出す為に走り出した。

 残ったエクレスは考え事をしていた。

『…腹部に模様を持つ赤いドラゴン…何者だ…?』

 子供達を助けた、『赤いドラゴンの女性』が気になっている様だ。

 もうお分かりかと思うが、エクレス、ベクター、レアンは、ブライト王国の軍の兵士である。


 登場したネームドの兵士さんは獣人でしたが、軍にはちゃんと人間の兵士もおりますわ。因みに村人は人間ね。

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