32・守った末に、同じ末路…
予告通り、今回も残酷描写ですわぁ。
「げっ…何この虫…ってか怪獣? こんなの森に居たのか…」
『アナライズ』で見た情報から、マインは瞬時にこのギガント・ホーン・インセクトという魔物が危険な存在だと判断出来た。
「あの熊よりヤバい気がする」
『キシャアアアアアア!!!!』
マインの言葉を遮る様に、ギガント・ホ―ン・インセクトが雄叫びを上げて、マインの後方に居る二人の子供の方へと突進し始めた。
「っ!?」
マインは咄嗟に間に入り込み、ギガント・ホーン・インセクトの真ん中の角を両手で掴んで、ギガント・ホーン・インセクトの動きを止めた。
「ぐぅぅ…」
『ギシャアアア! ギシャアアア!!!』
マインに邪魔された事に腹を立てたのか、ギガント・ホーン・インセクトは雄叫びを上げながら、マインを振り払おうとする。更にギガント・ホーン・インセクトの力は、マインの想像を上回っており、マインの両足は草に覆われた地面を抉りながら、徐々に後ろに下がり始めた。
「ドラゴンさん!」
男の子が悲痛な叫びを上げた。
「逃げて…早く逃げて!!!」
マインは肩越しに振り返って、何とかそれだけ叫ぶことが出来た。男の子はその声を聞くと、女の子の手を掴んで走り出した。
「逃げた…よし…あとはコイツを…」
二人が逃げた事に安心し、マインは目の前のギガント・ホーン・インセクトに集中させようとしたが…
ズルッ…
「!?」
自分の手の汗か、角から何らかの液体が漏れたのか分からないが、マインはギガント・ホーン・インセクトの角から手を滑らせた。そして…。
ヒュン ザシュァァァァ!!! ズシャァァァァ!!!
ギガント・ホーン・インセクトの両鋏が、マインの両脇腹を深く突き刺した。
「ギッ!!!! ガァアアアアアアアアア!!!!!!」
刺された事による激痛に、マインは絶叫を上げた。刺された場所からは、夥しい血が噴き出して、マインの体やブレザー、ギガント・ホーン・インセクトの鋏、そして足下の草を血に染めた。
中心の角は鋏がマインに突き刺さった事により、ギリギリだが届かないが、このまま押し切られればm今にも刺さりそうな距離であった。
「アギッ…グッ…」
マインは凄まじい痛みに襲われながらも、拳を丸めてギガント・ホーン・インセクトの中心の角を思いっきり殴った。しかし全くダメージを与えた様子も無く、逆にマインが手に痛みを感じる程であった。
『ぐっ…格闘術Lv2の拳なのに…効いてない…』
『ギィィイ! ギィィイ!!!』
ギガント・ホーン・インセクトは、まるでマインに『早く死ね』と言っているかの様に、鳴き声を上げている。
「ガグッ…」
喉の奥に鉄の味を感じたマイン。どうやら吐血しかけている様だ。
「グウウゥ…ガッ!」
手がダメなら足だと考えたマインは、思いっきりギガント・ホーン・インセクトの顔面を蹴り飛ばした。
『ギッ!?』
顔面を捉えた事でそれが不意打ちになったのか、ギガント・ホーン・インセクトは一瞬だけ鳴き声を上げて、後ろへと下がっていった。その際にマインの脇腹から鋏が抜け、その衝撃で更に血が噴き出した。
「グギィィィ!!!」
その際に更に痛みを感じ、マインは呻き声を上げた。マインは傷口を押さえる様にして、その場にしゃがんでしまった。
「ぐっ…これじゃ、あの亀の怪獣じゃないか…」
昔のある映画の怪獣を思い出し、マインはそう呟いた。
ヘリを守って傷ついた怪獣…。
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