26・青いドラゴンさん
青いドラゴン…敵か味方か?
マインが見つけた青いドラゴンは、マインに気付いていないらしく、マインは注意しながら観察した。
青いドラゴンが自分と対極的に青い姿をしており、大きめの自分の青い瞳とは対照的に、切れ長の赤い瞳をしており、自分の耳にあたる部分には二本の角が有った。背中には自分と同じ翼が有り、長い尻尾もある。
更に独特な服装をしており、紺色のノースリーブのベスト(ボンテージ?)を着込んでいた。
更に腹部というより腰元には、どうなっているのか剣の鞘が備えられており、その鞘の中身の剣は今現在、青いドラゴンが握っていた。青いドラゴンはフォレスト・ウルフ達を警戒しながら身構えている。
「青いドラゴン…魔物じゃ…ないよね…」
木の上から観察する様に見ているマイン。初めて見た魔物以外の存在、そしてそれが自分と同じドラゴンであった事に、興味と喜びに近い感情を感じていた。
「でも一応見てみよう…『アナライズ』」
マインは念の為に、『アナライズ』で鑑定をしてみる事にした。しかし…。
「…あれ? 表示されない?」
何時もなら直ぐに出る鑑定結果が、今回に限って表示されなかった。
「えっ? どういう事? もしかして、向こうに僕のことがバレてて、それで妨害されたとか?」
前世のラノベで、ステータス鑑定を行おうとしたが、勘づかれて妨害されたというのを見た事があった為、マインはその可能性を考えた。しかし…
『対象が遠すぎる為、マスターの現在のスキルでは、鑑定が出来ない様になっています』
と、アヤメが説明してくれた。
「あっ…そうなの…近づけば見えるのか…でもこれ以上近づいたら、流石に気付くよね…でも助けた方が良いだろうし…」
そう考えるマインだが、あの青いドラゴンの素性が分からない為、どうすれば良いか分からなかった。そうしている内に、青いドラゴンを囲んでいたフォレスト・ウルフの一体が、青いドラゴンに向かって飛びかかった。
「!」
すると青いドラゴンは動揺する素振りも見せずに、飛びかかってきたフォレスト・ウルフを、持っていた剣で切り裂いた。
「!!! やっぱり剣を使うのか…『剣術』スキルを会得しているみたいだけど…凄いな…」
ラノベのコミカライズやアニメで見慣れている為か、マインはあの青いドラゴンが、剣術に優れている事を察する事が出来た。
その後もフォレスト・ウルフを次々と切り裂いていき、あっという間にフォレスト・ウルフを全て倒してしまった。
「…僕の出る幕は無かったね…ってかあの人…いやあの竜、僕より絶対強いでしょ…カラーリング的には僕と対をなす感じだけど、僕は素手であっちは剣を持ってるし…剣、僕も欲しいな…」
そんな風に呟いていると、青いドラゴンは剣を鞘にしまい、何処かに向かおうとした。マインは話しかけるなら今だと考えて、声を上げようとした時であった。
「!!!」
青いドラゴンの背後の茂みから、フォレスト・ウルフの生き残りが狙いを定めている事にマインは気付いた。しかし青いドラゴンの方は気付いていない。
「マズイ、あのドラゴンさん気付いていない!」
マインは咄嗟に手を何時もの様に構えた。
「この距離じゃ『ファイアボール』や『アクアスフィア』じゃ難しい…なら…」
マインが魔法を使おうとした時、茂みからフォレスト・ウルフが飛び出して、青いドラゴンに向かっていった。
「!?」
青いドラゴンは反応が遅れてしまい、剣を抜くのが間に合わない。
『ダークマイン』
狙いを定めたマインが、爪先から『ダークマイン』を放つ。練習の末に威力を圧縮された弾丸状の『ダークマイン』は真っ直ぐにフォレスト・ウルフへと向かっていった。
ドォンンン!!!
「!?」
『ダークマイン』が着弾したフォレスト・ウルフを頭は吹き飛び、そのまま倒れ込んだ。青いドラゴンは突然の事に、『ダークマイン』が飛んできた方を見た。
「!」
「!」
青いドラゴンはマインを視界に捕らえた。
「……やばっ!!!」
暫く見つめ合っていたマインだが、何故か慌ててその場から飛び立って逃げ出してしまった。後ろから何かを叫んだ声がしたが、マインは止まらずに海岸の方へと飛んでいった。
※ ※
「ハア…ハア…」
海岸に着いたマインは、砂浜に座り込んで荒い息を吐いていた。
「ハアハア…まさか…見られるとは思わなかった……あっ…」
マインはある事に気付いた。
「あぁあああああ!!!!!!! 折角魔物以外と出会えたのに…交流できるビッグチャンスだったのにぃぃぃ!!!!!!」
今更ながら自分が逃げ出してしまった事によって、折角知性の有りそうな人物…否、ドラゴンと出会えた事をふいにしてしまった事に、マインは激しく後悔するのであった。
O・BA・KA♪
次話は別視点のお話ですわぁ。
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