20・ある日森の中で、魔法が効かない者に出会った
また空いてもうた…。
森の中をハンティング目的で歩くマイン。飛行可能なのになぜ徒歩で散策をするのかというと、空からでは木々の間が見にくく、獲物を発見出来ないからである。
「アヤメにも指摘されたけど、やっぱり接近戦の戦闘スキルも鍛えないとね…運悪く魔法防御の高い魔物と出会ったら、攻撃手段が無くてあっという間にジ・エンドだ」
少し魔法に頼りすぎている事に反省し、マインは獲物を探しながら今後の事を考える。その時…
「んっ?」
木々の向こう側に、何かが動いたのが確認出来た。マインは慎重に忍び寄って、木々の間から確認する。すると…
「…熊?」
歩いていたのは、大きな熊であった。
「あれも魔物かな…どっちにしても獲物だね」
今日の獲物と定めたマインは、熊に気付かれない様にしゃがんだ体制で走って熊の後を追う。
「某ステルスホラーゲームで知った動きを、まさか異世界で行うなんてね」
小声で呟くマイン。こんな動きをするドラゴンは、世界はおろか、『なろう』でも存在しないと思う。
「よし、そろそろかな…」
マインは何時ものように、爪を銃の形にして、熊へと向けた。
「決意した直後にアレだけど、流石に熊相手じゃコレしかないでしょう…」
鍛えると決意した直後、再び魔法に頼る事に、マインは罪悪感を感じるが、現実的な事を考えて、一旦振り払う異にした。
「バイバイクマちゃん♪ 『ファイアーボール』」
ドォン!
マインは熊のこめかみに向けて、『ファイアボール』を撃った。火の弾丸となった『ファイアボール』は熊のこめかみに向けて飛んでいき…
ドンッッッ!!!
着弾音と共に命中し…
『グルゥゥゥ…』
…何事も無かったかの様に、熊はマインが居る方を向いた。
「なっ!?」
撃ち抜けなかった事に、マインは動揺した。
『ガァアアア!!!』
匂いか気配か分からないが、熊はマインの隠れている場所に正確に向かっていきそして…。
ガッ!
「がはぁ!?」
首を掴んで木へと叩き付けた。叩き付けられた衝撃でマインは、肺の中の空気を一気に排出させられた。
「ガフッ! ゴエッ!?」
更には首を捕まれて木に体を浮かした状態で押し付けられている為に、呼吸も出来ない。
「グルルルル…」
熊は涎を流しながら、マインを見定めている様に見る…それは何処の肉が美味そうか判別しようとしている様にマインには見えた。
「グゥウウ…!!!」
生物の本能か、死への恐怖心か分からないが、マインは足に力を込めて、思いっきり熊の腹を蹴飛ばした。
蹴られた熊は予想外の攻撃だったのか、後ろに吹き飛んだ。その為マインの首から手が離れて、マインは地面へと落ちた。
「ゲフッ! ゴホッゴホッ…!」
失われた酸素を取り戻すようにマインは咳き込みながら呼吸し、ゆっくりと立ち上がる。
「ハァハァ…この熊…魔法が効かない…?」
『フォレスト・ブラウンベア。高い魔法防御を持った魔物。獲物を見つけると殺して喰らうまで、決して諦めない』
アヤメからそう情報が与えられた。
「…魔法禁止戦か…今の僕には打って付けの相手か…」
そう呟くマイン。
レッドドラゴンVSフォレスト・ブラウンベア…殺すか殺されるかを賭けた戦いが始まる。
マインはシャロン達と違って、わりとボロボロになる予定もあるんですわぁ。
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