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15・クッキング・ドラゴン

 遅くなってもうた。

 今回は食事しながら見ない方がええと思いますわぁ。

 狩りを終えて建物に戻ったマインだが、何かを抱えて砂浜へと出てきた。転生前からの数少ない所有物である腕時計の時刻は、正午を指していた。

「戦国武将・武田信玄は、ほうとう鍋を作る際に兜で作ったという逸話がある…」

 マインがそう言いながら持っているのは、古びた兜であり、マインが向かう先には先程回収した木の実や茸があり、その近くには幾つかの不揃いな石で作られた、石積みの釜の様な物があった。此れ等はマインが茸等を使って調理に使う為に即席で作成した物である。

「日本の甲冑兜じゃないけど、兜だからまあ良いか」

 何故鍋を使わないのかというと、マインは前日の干し肉を見つけた食堂の厨房で、使えそうな鍋を探したのだが、使い物にならない物しか無かったのであった。其処で建物内で代用品を探した結果、建物内の一室に防具が置かれている部屋を発見し、其処に置いてあった兜を鍋代わりに使う事にした。

「とりあえず用意は出来たから…『アクアスフィア』」

 マインは『アクアスフィア』で兜の中に水を溜めた。そして石積みの釜の上に置いて、今度は『ファイアボール』で釜に火を灯した。尚二つの魔法はアヤメのサポートで弱めに調整を行って使用した。

「次に具材を入れて」

 水が沸騰する前に、マインは手に入れた茸を入れていく。

「見た目は怖いけど、食べれるみたいだし…けど調理方法知らないから、煮茸(?)鍋にするしかないな…あっ、そういえば僕はさっき『毒耐性』手に入れたから、さっき灰にしたあのナントカツチダケって茸、食べれたんじゃ…」

 アヤメの説明では、文字通り死ぬ程危険な茸だったが、『毒耐性』を手に入れた今なら、食べれる事も可能だったのではないかと考えたのだが…。

『今のマスターの『毒耐性』では、もがき苦しんだ挙げ句、死に至ります』

 平然とした口調で、食べていた場合の恐ろしい未来をアヤメから告げられた。

「…過信は禁物だね♡」

 なるべく明るく注意をするのであった。そして同時にスキルに成長性がある事を知ったマインだった。


※          ※


「はぁ~食べた食べた」

 空になった兜鍋の前に座り、満腹になったお腹を撫でながらマインは満足げに呟いた。

 茸が煮込めた頃合いで、建物内の食堂から失敬した器とフォークを使って、茸鍋を食べたのであった。

「…しかし調味料が無いから、100%茸の味だったなぁ…調味料が欲しい…」

 味が茸しか無かった事に、マインは寂しさを感じてしまう。が…。

「まあそれより、お楽しみのジュースを作ろう♪」

 スーパーポジティブの為、昨日から楽しみにしていたジュース作りに切り替えた。

 マインは器等一緒に持ってきた、木のコップを置いた。

「アヤメ、『レスト・アクア』を使う際に、どうすれば好みの飲み物を作れるの?」

 使用前に使い方をアヤメに尋ねる。

『マスターが作りたいイメージをしながら、魔法を発動させます』

「成る程ね♪ それなら…『レスト・アクア』」

 マインがイメージしながら魔法を発動させると、マインの手から水が溢れ出てきた。それは『アクアスフィア』とは違い、形を形成せずに液体状であった。そしてそのまま水はコップへと注がれた。注がれた水は透明で、泡立ちを立てていた。どうやら炭酸飲料を作ったらしい。

『レスト・アクア』の水が止まると、マインはコップが砕けない様に優しく持った。

「まさか転生しても炭酸飲料が飲めるとは思わなかった…いっただきまぁ~す♪」

 マインは勇んで炭酸飲料を口に含んだ。

「ブゥゥゥーーーーーー!!!!!」

 直後、盛大に吹き出した。

「ゲッホ! ゲホッ…! あ…味が無くて…た、炭酸だけが強力になってるぅ…」

 どうやらマインは、調整にミスをしてしまった様だ。

 尚、それから十分後、『レスト・アクア』を使えば醤油やソースが作れる事に気付いてしまったのであった。


 マインが作った『味が無くなって、炭酸だけ』の炭酸飲料ですが、実は僕自身が昔作ってしまった事があって、成功すれば炭酸飲料ブレンドになるんですが、調整にミスした結果、マインが飲んだのと同じ様な物が出来上がってもうたんですわぁ。

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