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Re:frey ―リフレイン― 虚器盈つる黎明譚  作者: 14to
第二章

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7.捜索

「改めて、お願いするわ。柳原杏(やなぎはらこう)を、見つけ出して」


 燦が迷うはずもなかった。すぐさま護に目をやり懇願する。


「ボクもメンバーに入れてください!!」


 肩をゆする燦を、護は慌てて制止した。


「わかった、わかったから!落ち着いて!君の班も捜索部隊に組み込むと約束するよ」


 初めて見る燦の前のめりな様子に、双子は気圧される。


 そんなこんなで、『柳原杏 捜索部隊』が結成された。メンバーは次の通りだ。

 リーダーに衛。構成員に第二十一班の燦、天、一心と第十八班のロイ、阿良汰(あらた)、朱音(あかね)。後方支援組に来栖と宵。

 燦は第十八班と顔を合わせるのは、これが初めてだった。


 翌日の早朝、裏口にメンバーが集結した。


「よろしく、燦君。話は聞いているよ」


 ロイが、大きな手を差し出す。握手をすると、燦の手は丸ごと包まれてしまった。そのガタイに見合った力強さを感じる。


「…どうも」


 ロイの後ろから、覗き込むように少年が挨拶した。人見知りなのだろうか。


「すみませんねぇ、うちの阿良汰がぁ。あたしは朱音よぉ。よろしくお願いねぇ、燦くん」


 長身の女性が頭を下げた。身長は百八十センチはありそうだ。


「やあ、揃ったかな?そろそろ行こうか」


「…!衛さん!」


 衛が姿を現すと、阿良汰は即座に駆け寄った。どうやら、衛にひどく懐いているらしい。


「今日も阿良汰は元気そうだね」


 衛は阿良汰の頭を撫でた。嬉しそうに、阿良汰は衛の左腕に抱き着く。そこが、阿良汰の定位置だった。

 裏の波止場に向かいながら、衛が今日の予定を共有する。

 まずは東京に赴いて外部協力者のサリオンと合流する。その後、杏の足取りが途絶えた場所まで向かい、彩礫の痕跡を辿っていく、という手筈だった。

 燦がサリオンと会うのはこれで二度目だ。緋色の瞳を細めて笑う姿は、人懐っこい大型犬を思わせた。




 道中の船の上はカオスだった。船の勢いにビビり散らかす一心に、それに対して操縦席から叱責する燕。ナゲットを船内にぶちまける燦に、優雅にワインを飲み干す朱音。それらを意に介さず筋トレし続けるロイに、ボディビル大会かの如く掛け声を叫ぶ衛。その横でただひたすらに衛の腕に抱き着き、それらを眺めている阿良汰。そして天は、全てを諦めたように横になって目をつむっていた。


「ちょっとあんたら!!そろそろ岸に近づくんだから静かにしなさいよ!!」


 燕の声が飛ぶと、ピタリと先ほどまでの喧騒が止んだ。それぞれが黙って上陸の準備を始めるのを、燦はフライドポテトをつまみながら眺めていた。


 とある人気のない岸辺に、モーターボートが止まる。遠くに、一つの人影が見えた。サリオンだ。

 彼は手招きすると、とあるあばら家へ招いた。


「どうも、曙苑の皆さん。ここなら邪魔が入らないよ」


「ありがとう、サリオン。今回もよろしく」


 衛とサリオンが握手をする。


「それで?今回は人探しだっけ?」


「ああ。燦の幼馴染の子でね。同じ年頃の少年を探しているんだ」


「なるほどね。あ、そうそう。同じ年頃といえば、こっちに紹介したい子がいるんだよ」


 そう言うと、サリオンは後ろを向き、奥の部屋に声をかける。


「もういいよ。出ておいで」


 暫くして、とある少年がそろりと姿を現した。全身黒の装束に身を包み、深く被ったフードで顔がよく見えない。

 だが、燦はその立ち姿に既視感を覚えた。ぽつりと、言葉が漏れ出る。


「…杏?」


 その言葉に、少年はぴくりと反応し、顔をそらした。

 そう。そこにいたのは、これから探すはずの少年だった。 


今回から第二章突入です!

燦と杏がどのような道を辿っていくのか、見守っていただければと思います。


そして改めまして、感想や評価をいただけると今後の励みになります。気になるキャラや好きなシーン、今後の予想などがあれば、ぜひ教えてください。

今後とも、よろしくお願いします。

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