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18話 白うさぎの里 ③

短くてすみません。


 朝日を遮るほどの大樹が根をおろす場所に隠れるように白うさぎの里はある。

 地平線から放たれる太陽の光は白く眩しい。

 木々の枝のすき間からこぼれるように注がれた眩しい光でランスディールは目が覚めた。


(そうだ、白うさぎの里にいるんだった)


 厚みのある絨毯の上で寝ていたことを思い出して起き上がる。


「おはよう、早いね」

「そうか? まあ、普段こない場所だからっていうのもあるかもしれないね」


 ランスディールより早く目が覚めたカーリーは、ははと笑って両刃の大剣を振るって体の調子を確認していた。


「おはよう」

『おはようって、言ってる! ランス、ジャム!』

『おはよう』


 ランスディールの隣で小さく丸まって寝ていた黒うさぎのちびとラミィも布団から顔を出した。

 布団からぴょんと飛び出しているように見える漆黒の耳と白い耳がなんとも可愛らしい。

 黒うさぎのちびはラミィの通訳後にランスディールの方を見て漆黒の角を光らせた。


「朝ごはん食べたらね」


 ランスディールはラミィを軽くあしらいつつ、黒うさぎのちびが落ち着いた表情で漆黒の角を淡く光らせたことにほっとした。


「じゃあ顔を洗いに行くよ。ラミィ、案内頼むよ」


 ランスディールは立ち上がってラミィから川の方角を聞き、傍に置いていた剣を持った。


『わかった!』


 任せて、とラミィがぽんと胸を叩いた。


「やっぱ、井戸とかないのか」


 カーリージェリーは剣を鞘にしまって、井戸を探して里の中を歩いたと言った。


『里に井戸はない』


 ラミィが金色の角を光らせて、当然のように答えた。


「言ってなかったけ? ごめん。獣人は原始的な生活をしているんだ。人と同じくらいの文明で暮らしている獣人の里はないみたいだよ」


 広大な森の中を迷わないように案内役としてラミィを先頭に歩かせる。

 そのラミィの後ろを歩いているランスディールは補足説明した。


「不便とは思わないんだな」

「人みたいに不便だからこういうのを発明しようとかっていう考えはないみたいだね。自然の恵みが豊かで自給自足が成り立っているからそれで満足しているだと思う」


 手つかずの自然の中の空気は清涼だ。

 朝という時間帯もあって空気が少しひんやりとしている。


「白うさぎの里は人の国との交流はあるほうだよ」

「え? あれでか?」


 驚いたカーリージェリーにランスディールはそうだよと笑う。

 カーリージェリーが見た文明的なものは、絨毯と盆と木杯だ。


『ランス、あそこ!』


 ラミィが指した先からは滝の音が聞こえてきた。

 ランスディールたちが案内されたのは十数メートル上から上流の川の水が流れ落ちている滝壺だった。


「うわっ、冷た!」


 カーリージェリーは川の水を両手で掬って顔を洗う。


『気持ちいい!』


 ラミィはばしゃばしゃと川の水を顔にかけて喜んでいる。


「ラミィ、服が濡れるよ」

 

 はしゃいでいるラミィをランスディールは心配して注意する。

 ランスディールは自分も顔を洗いながら、黒うさぎのちびの面倒をみている。


「ちび、これ使って」


 手で何度も顔についている水滴を拭っている黒うさぎのちびに、ランスディールは布巾を差し出す。


『ありがとう』


 黒うさぎのちびは漆黒の角を光らせて、布巾を受け取り、顔を拭いた。


『ラミィも顔を拭く!』


 走ってきたラミィにランスディールは、服が濡れているじゃないかと小言を言いながら布巾を渡す。


『すぐ乾くから問題ない!』


 ラミィはランスディールに小言を言われたのが嫌だったようで、むすっとした顔で金色の角を光らせた。








最後までお読みいただきありがとうございました。

沢山の作品がある中で、自分の作品を読んでくださった方がいると思うと、とても嬉しいです。

とても励みになります!

今後もよろしくお願いします!


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