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最強召喚師の舞い戻り英雄譚  作者: 林 小
第2章:呪縛の姉妹
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第47話:第七遊園地(上)

 ◆◆◆



 ーーそれから明後日の朝5時45時・エスパダ第七県第八区の電車二番駅にて。


 その電車の第八区二番駅前に金髪碧眼の少年……翔真がいち早く到着しており、後からくる四人の少女を待っていた。


 これから行く遊園地に備え、翔真は遊びやすい夏の衣服を着用しており、財布やスマホなど常に持ち歩く物はTシャツの上に背負っているショルダーバッグに入れている。


 そして約束の時間まであと15分もあるこの間で、翔真は一昨日に優奈から報された日本魔導機関からのカラス・イルミナティの情報について考えていた。


 風ノ忍衆との戦いから数十日(正確には一週間五日程)が経っており、連中がエスパダに潜伏した情報が三日前ということは、一週間二日後……九日後にて仕掛けてきたことになる。


(……やっぱり連中が再び優奈の身柄を奪いに来るのは早いな。けど……気になるのはその情報が僕達に知られる前に不意打ちとか仕掛けて来ないことだ。もしそうなれば、気の抜けた日々をおくっていた僕や小太郎達は唐突の事で油断や隙ができてしまう時が多数ある。そこつけば優奈を攫う確率が高い。けど今は既に僕らは情報を知ってしまった時点で、優奈の守護が高くなり、連中からしてみれば彼女の身柄を確保する確率が大きく下がった。 なぜ情報が知られる前に仕掛けて来なかった? もしかして僕らが知ってからの方が連中にとってその方がいい? 好都合? ……分からないな)


 ともかく、優奈やエミリーは今日一日中遊園地で遊びながら坂本姉妹の動向を悟られないように偵察するらしいので、それなら翔真は姉妹の偵察と周囲の警戒に専念する事に決めた。

 情報からではまだ他に二、三人ほどエスパダに潜伏してる為、もしかしたらその者達も自分達へ近付いてくる、若しくは何処からか探りにくるかもしれないと考えての事だ。


 それから間も無くして15分経過して朝の6時00時になると、第八区の電車二番駅の出入り口から坂本姉妹が出てきた。

 二人が住む場所は第七区らしく電車でここにきたようだ。


 その二人が翔真の所に到着し朝の挨拶を交わした直後、彼らの所へ黒のオープンカーが走ってきた。

 その車が優奈の愛車だと気付いた翔真は坂本姉妹と共にこっちからもその車の方へと行く。


「おはよう優奈。まさか優奈の車で第七遊園地にいくとは。てっきり電車でいくと思ったよ」


 翔真と坂本姉妹の目の前に止めた黒のオープンカー。

 その運転席に座る優奈へ翔真はそう言葉を投げると、


「おはよう翔真。ごめんなさいね、車で行くのを伝え忘れて。でもこっちの方が早いから」


「そうなのか。それとは別に、まさか一昨日からエミリーの家に泊まるなんてな」


 一昨日、つまり翔真のバイト先であるセブンイレブンで優奈と坂本姉妹が出会った日から今日までの間に優奈はエミリーの家に泊まっていたのだ。

 理由についてはカラス・イルミナティの連中から身を守るためにエミリーの家で彼女と一緒にすむ方が守りやすいからである。


「おはようございます! 翔真様!」


「あ、ああ。お、おはよう……」


 車のドアを速攻で開け握手してくるエミリーの目はキラキラと光っており、その勢いの朝の挨拶に翔真は若干引き気味に応えた。

 そんな二人の一方で優奈は坂本姉妹と朝の挨拶を交わした後、彼女は二人をオープンカーの後部座席へと誘い、座らせる。


「ささ! 翔真様も後ろへお座りくださいな!」


「お、おう」


 喜びの笑顔でエミリーは残り空いている後部の一席へ誘い、言われた通りその席へ翔真は座った。

 運転席に優奈、助手席にエミリー、後部座席には右側から恵里奈、璃子、翔真で座っている。


「挨拶が遅れてしまいすいませんですわ。 わたくし、エミリー・フォリーヌと言いますの!」


「エミリーさんですね、わかりました! 私は坂本 璃子と言います! それでこちらが姉のーー」


「ーー坂本 恵里奈。 よろしく」


「はい、よろしくお願いしますわ! 今日は一緒に遊園地で楽しく遊戯を堪能しましょう!」


「はい!」


「ん」


 車内の助手席にいるエミリーと後部座席にいる恵里奈と璃子の朝の挨拶兼自己紹介が終わったのを見た優奈は、


「それじゃあ出発するわね!」


 車を発進させ、第七県の第三区(第七テーマパーク)の第七遊園地へと出発した。



 それから約一時間三十分程経過した頃ーー。



 電車の第八区二番駅前から第三区の第七遊園地にある大きい駐車場に自分含め翔真達が乗るオープンカーを優奈は止めた。


 そして車の4つのドアから翔真達は出る。すると、優奈とエミリーの二人は背筋を伸ばし、気持ちよく「「ついた(です)わ!」」と吐息とともにその言葉を出し、それに坂本姉妹は近寄り「楽しみですね!」「ん。楽しみに」と優奈とエミリーへ言う。

 そんな四人へ翔真は見ると、「ほぅ」と彼女達の服装に感服した。


 まず優奈は、上は肩をだすピンク色のサマーニットに下は白のショートパンツを来ており、靴ではなく茶色のグラディエーターのサンダルを履いていて、最後に右肩にレディースバッグをしょっている。

 次にエミリーは、シンプルに花柄がえがかれたワンピースを着て、あとは優奈と同じ茶色のサンダルに右肩にレディースバッグを着用している。

 恵里奈と璃子は、姉妹でなのか違いは色だけて、あとはベルスリーブサックのワンピースを着て、メッシュサンダルを履いている。

 彼女達一人一人今日の遊園地を楽しみにしていたもので、服装も張り切って良いもの着て来てたようだ。


 どれもこれも似合っており、それに容姿が良い彼女達とあって凄まじく綺麗にうつり、白く輝く麗しい艶やかなようで、翔真は今まで見てきた美人の中でも群を抜いていると感想を述べ、好評する。

 そんな四人への注目は翔真だけではなく、周囲の通行人などの者達も浴びていた。


「な、なんだあの四人は……美しい!」


「っおれ、生まれてきてよかったー!」


「あら、綺麗な人達じゃないのよ! わ、私あの四人には敵わないわね……はぁ〜」


「め、女神だ! ありゃあ間違いない! 四女神が降臨なされた!」


「おれ、ここにきてよかった……(ガクッ)」

「おい、やばいぞ! あの麗しい別嬪な四人を見て幸せそうな顔で意識を失ってる奴がいるぞ!」

「だ、誰が救急車を……!!」


「ママー! あの人達凄い綺麗だよ〜!」

「そ、そうね。 マ、ママもそう思うわ。 …………息子と二人だけできてよかったわ。旦那がきたら絶対に鼻の下伸ばしてわね。 あの人、結構スケべなのよね」


 四人を見て美しい余り感激する者、涙を流し生まれてきた事に感謝する者、それに加えて同性ですら彼女らの綺麗さに自分の容姿と比べて敵わないと溜息を吐く者、そして遂に余りにも美しさに気を失う者まで……


(いや、美人をみて気を失う奴なんて初めてみたぞ……! それと最後に聞こえたママさん、旦那さん連れてこなくてよかったですね、うん……!)


 周囲からの優奈達の容姿と夏の服装の大袈裟すぎる感想?を聞いた翔真は、その中で後の方の人達の言葉に思わず口には出さないものの、内心、ツッコミを入れるにとどまる。

 ……因みに周囲の一部(若い女性達)は優奈達四人ではなく、翔真へと熱い視線を送っている事に当人は気づかなかった。

 なぜ気づかなかったと言うと、翔真も優奈達四人の姿に意識してしまったからであったからだ。


 そして翔真達は第七遊園地の駐車場から、第七遊園地の出入り口へと注目も浴びながらその場をそそくさと行くのだった。


 それから10分後ーー。


 第七遊園地の出入り口前に到着した後、翔真達は手持ちある遊園地の無料チケットを改札口に使って通り、中へと入った。

 すると第七遊園地の出入り口前にある広場は遊園地奥まで見渡すが可能で、女性陣は目の前にある娯楽な光景を見渡し、はしゃぎだす。


「うわー! ここが第七県で最も大きな遊園地ですか! 楽しそうなアトラクションがいっぱいあります!」


「ん。 あたし絶叫系のアトラクションに行きたい」


「え? さ、最初は絶叫系じゃなくほのぼの系にしない……?」


「あらま! 優奈、もしかして絶叫系ものが苦手ですの?」


「ち、違うわよエミリー! 誰が苦手って言ったのよ! 全然苦手じゃないわよ! むしろ好きすぎて、最後に残しておく派なの! だから最初は絶叫系じゃなくてほのぼの系しないって言ったのよ! わ、わかった!?」


 絶叫系は苦手じゃないとエミリーに弁解する優奈だが、その切羽詰まったような慌てようからして苦手だと物語っているので、弁解しても無駄である。

 事実、エミリーだけではなく恵里奈や璃子、そして一番後ろにいる翔真もジト目で優奈を見つめ彼女が絶叫系のアトラクションが苦手だと気づいている。


「はいはい、そうですわね。 そう言う事にしておきましょうか。お二人もいいですわね?」


「はい、そういうことにしておきましょう!」


「ん。そういうことにしておく」


「翔真様も、そうですわよね?」


「ああ、僕もそういうことにしておこう」


 含みのある掛け合いをする翔真、エミリー、恵里奈、璃子。

 そんな四人の様子から誰も自分の言ってる事が信じてないとわかった優奈は彼らに再度、


「だーかーらー! 私絶叫系は苦手じゃないだってばー!」


 そんなむきなった大声が園内出入り口前の広場に響き渡るのたった。


お読みくださりありがとうございます!

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