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最強召喚師の舞い戻り英雄譚  作者: 林 小
第2章:呪縛の姉妹
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第42話:とある孤島

プロローグです

 

 ――太平洋の海に囲まれたとある孤島。


 その孤島の半分の土地は多数な施設があり、それら全てが何らかの研究を行う、大きな研究所が立ち並び聳えていた。

 一方もう半分の土地は自然の茂みや川に木々がある大きな森。

 そして研究所から森へと続く薄暗い獣道に日本人とみえる二人の少女が走っていた。

 時刻は21時を回り、只でさえ薄暗い森なので更に暗い。

 だがその二人の少女は道から逸れず、まるで暗闇の中でもちゃんと見えているかのように走っている。


「こっち……!」

「う、うん!」


 赤色の髪をした少女は水色の髪をした少女の手を引き、獣道をまっすぐ走る。いや、走ってはいるが、正確には逃げているとが正しいだろう。

 見るからに二人は研究所から脱出し、森へ逃げ出した様子である。

 その二人の少女の顔は似ていており、姉妹である。

  赤髪の少女が姉で水髪の少女が妹、年齢が2歳ほど離れている。

 服装は酷いもので、患者が着る服である病衣を着ており、それが所々破れているのといろんな箇所に血が染み付いている。

 また靴も履いておらず、素足だ。

 そして二人の首には黒い首輪が付けられていた。

 そんな二人の表情は必死なものだった。


「「はぁはぁ……はぁはぁ……!!」」


 息が切れて、相当疲れているだろう姉妹だが……それでも必死に足は止めなかった。

 裸足であるため、こんな獣道を必死にはしれば足に痛みが走り傷がつく。が、それでも立ち止まらず逃げる。

 この島から脱出するため、逃げて逃げて逃げ続ける。

 立ち止まれば、再びあの辛く苦痛な日々に戻る。

 またあの恐ろしい人体実験に体を弄られてしまう。

 自分たちの体を凶悪で狂気な表情をし、平気で人間の命を弄ぶあの腐った研究者から逃れたいと。もうこんな日々は嫌々だと。そんな思いが二人の苦な表情から窺えた。


(どうして私たち姉妹はこんな目に……?)


 姉妹の姉、赤髪の少女は今にも倒れそうな妹を引き連れて前方へ必死に逃げて行く際……今の自分たち姉妹のこれまでの事を不思議になって振り返って思った。

 どうして私たち姉妹はこんな辛い思いをしなくちゃならないの?

 どうして私たち姉妹だけこんな酷い思いをするの?

 どうして私たち姉妹を道具の様に扱うの?

 どうして兵器にみたいに人間を襲わないといけないの?

 赤髪少女は頭の中でそんは混雑な思いに没頭して――、


(なにもかも……)


 全てはあの日、あの時、あの場で、承諾しなければよかったと。

 願いを叶えられると言われた時、断ればよかったと。

 もう二度とあの幸せな日常には戻らない。

 戻れなくなった。

  最早、悲哀と絶望と、そしてなりより喪失感しかない。


「っぅ、いだ!」

璃子りこ!」

 

 足場が悪い獣道を逃げ続けたせいか……水髪少女は疲労が体に重くのしかかり、足を挫き転んでしまった。その際、繋がっていた二人の手は離れる。

 転んだ水髪少女へ赤髪少女は呼び掛けながら駆け寄る。


「大丈夫、璃子りこ!?」

「お、お姉ちゃん、だ、大丈――痛っ!」


 安否を確認してきた赤髪少女に大丈夫だと水髪少女は言おうとしたが、右足首に痛みが走り、そこを両手で抑えた。

 言葉では大丈夫だと言っても、体の方は正直だ。

  事実、右足首が挫いており、赤く腫れていた。


「乗って」


 赤髪少女は妹である水髪少女を背ようとしたが、


「で、でもそれじゃあ……!」

「いいから」

「ダメだよ! それじゃあ絶対に追っての奴らに追いつかれるよ……私の事は放っておいてお姉ちゃんでも先に……」

「馬鹿な事を言わない。 妹を置いていく姉はいない」


 自分を置いて逃げろという水髪少女に、赤髪少女は怒り、反論した。 それでも水髪少女は姉の言葉に聞き入れることなどできず……反発しようとするが――その直前、第三者に阻まれた。


「やっと追いついたわ〜。 まったく〜ここで逃げるなんてね〜」

「「――っ!!」


 突如、何処からか妖艶な女の声が森中に響く。

 その直後、二人の周囲の茂みから数多くの鴉兵カラス・ソルジャーが姿を現した。

 黒一式の服装をし頭には鴉のガスマスクを被っていて、不気味だ。

 鴉兵カラス・ソルジャー達をみた二人は身体が強調しながらも、赤髪少女は警戒態勢に入り、水髪少女はそんな姉の背後に微かな怯えをしなが控えた。


「研究所に戻りなさい〜。 もうすぐカラス・イルミナティ上層部から任務が下されるのだからね〜。 逃げちゃダメよ〜。その任務には〜、私達の他に貴女達姉妹にも参加してもらうのだから〜」


 と、二人が通った獣道からいつの間にか黒髪ショーカットをした日本人の美女が現れた。

 彼女も黒一式の服装をしている。

 だが纏う雰囲気からして只者ではないと感じられる。

 そしてその黒髪美女の言い渡しに、赤髪少女は否定の言葉を放つ。


「やだ。あたし達はここから出ていく。 貴女達の言いなりになんかなりたくない。 もうあんな生活は懲り懲り」

「まぁ、そういうと思うってたよ〜。 でもね〜、貴女達の意見なんかどうでもいいのよ〜? では〜……捕えなさい!」


 その黒髪美女の命令に、多数の鴉兵カラス・ソルジャーは武器を持ちて一斉に姉妹へと襲い掛かった。

 普通ならここで抵抗も虚しく捕らわれるだろう。

 だがこの姉妹は普通の人間とは違った。


「あたし達は……貴女達の言いなりになんかならない!」


 言い放ちながら、赤髪少女の身体に異変が起きた。

 身体の至る所の皮膚が人間とは別の、頑丈な赤い鱗へと変化して行く。

 そして数秒たち、赤髪少女の全身の皮膚が強硬度な赤い鱗へと化し、腰と尻の間からはトカゲの様な尻尾も生えていた。そして、


「フッ!」


 一斉に襲いかかってきた鴉兵カラス・ソルジャー達を大きな尻尾でたった一回の大きな振り回しにより、吹き飛ばした。


「ふふふふ〜。さっすが〜、人類史上初の魔造人間・・・・・・・・・・の力ね〜。 姿は赤い竜の人型の状態か〜」

「次は貴女」

「そう敵意をむき出しにして攻撃の構えをしないでもらえる〜? じゃなきゃ〜……こうだからね?」


 黒髪美女は懐に入れていた物を取り出した。

 それは手の平に収まる程の大きさをした謎のクリスタルだ。

 そのクリスタルに魔力を流した。すると――、


「「っぐ! っぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぉぁぁぁぁあ!!」」


 その直後に、赤髪少女だけではなく水髪少女の璃子までも全身に激しい猛激痛が襲い掛かり、絶叫。

  二人に付けてられている黒かった首輪が赤く光り出していた。

 そしてこの痛みにより、赤髪少女は元の人間の姿に戻る。

 一方で水髪少女はこの激しい痛みにより倒れ、意識を途絶えてしまった。


「っゔ……ちくしょう……!」


 赤髪少女も意識が朦朧とし、ゆらゆらとうつ伏せに倒れ、


「……だれ、か……た、す、けて……」


 最後にこちらへと歪んだ微笑みをしながら来る黒髪美女の顔をみる赤髪少女は、誰かにそう助けを求める呟いた後、意識が途絶えたのだった。


お読み下さりありがとうございます!

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