第21話:翔真、友達へ相談する
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ーー時刻は12時00分少し過ぎた頃。
場面は、エスパダ(都市島)第七県の第八区二番駅へと続く通路にて。
その列車の第七県第八区二番駅は分かる通り、翔真の自宅があるバーブルーマンションから距離から一番近い。 翔真はその列車の第八区二番駅へ歩いて向かっていた。
「確か、13時前にはちゃんといつもの喫茶店で待ってると言ってたな、流介は。 いや〜、折り入って相談があると頼んだら、直ぐにオッケーもらって良かったな。 やっぱ友達はいいよな、うん」
と、ありがたみに喜びながらそう一人ごちる翔真。
遡ること朝の7時頃にて、優奈へ誤解と謝罪を言うと彼女の自宅へ赴いたが、残念な事に留守であったので無駄足となってしまった。 そして翔真は落ち込みながら自分の自宅へ戻った後、結局どうすれば良いのだろうか? と悩むと……ピン! と翔真の頭に閃いたのだ。
それは、この悩みを友達へ相談しよう、と。
そうと決まれば翔真は唯一無二のダチたる、エスパダ第七異能学園の学生で通っている佐々木 流介のスマホへ電話をかけ、相談があると頼んだのだ。 因みに今日は日曜日なのでエスパダ第七異能学園は休みである。 そして電話をかけ悩み相談があると流介へ言ったら、
『悩み相談? なんだ、悩みの相談って? まぁ困ってる時こそ頼りになるのはダチだしな。よし、お前の悩みの相談を聞こうじゃないか! じゃあ13時にいつもの喫茶店でな』
と、翔真の悩み相談を流介は聞いてくれたのだ。
翔真はそれに『ありがとな!』と返し、電話を切る。 その後は待ち合わせ時間に間に合う時間帯に自宅を出て、第八区二番駅へと向かい、現在に至る。
(……あ! そういやあいつも魔導士だったな、アメリカの。確か優奈さんと同じ何かの極秘任務でエスパダに来たんだっけな? どんなのか知らないけど。 まぁ僕は魔導士じゃなく、一異能者だから知る必要なんてないしな。その極秘任務の為に異能学園へ通ってるって前に流介は言ってたような〜……)
と、佐々木 流介がエスパダに来た理由に関する事を思いながら、五分経過して第八区二番駅へと到着する。 そこで駅の切符を買った後暫く待った後に列車に乗り、第七区五番駅へと列車乗り揺られながら向かうのだった。
ーー場面は、第八区から第七区に変わる。
20分程経過した後翔真は列車の第七区二番駅へと到着した。
列車から降り駅から出た翔真は、流介との約束場であるいつもの喫茶店へと向かう。 ここで二人が言う“いつもの喫茶店”とは、以前の優奈と初対面である喫茶店騒動時が起きた喫茶店である。
その喫茶店 〈タナベ〉と言う店名で、翔真と流介の行きつけ……馴染みの喫茶店なのである。因みに喫茶店騒動時の後……損壊したものは新しいのに取替え、元通りになったらしく、二日経ち、再び営業再開したとのことだ。
(あと10分で13時だな。もう流介の奴はいるだろう)
既に喫茶店 〈タナベ〉に流介はいるだろうと思いながら、翔真は急ぎ足で歩き続け、しばらく経過した後、翔真は喫茶店〈タナベ〉へ店前に到着する。
丁度午前13時00分である。
そして直ぐに店内へと入り、店員の「いらっしゃいませ」を聞きながら店内を見渡す。 が、それも僅かに終わる。
店内への出入り口付近のテーブル四席の所で手を振りながら翔真へ声をかける人物……流介が呼びかけたからだ。 翔真は流介が座るテーブル四席へ向かい、流介の向かい側の席に座った。 同時に流介も席に座る。
「っよ! 一昨日ぶりだな翔真!」
「ああ、一昨日だよ。 で、僕が悩んでるのがーー」
「まぁ待て待て。 そう急ぐではない。ちゃんとお前の相談にのるからよ。 だから飯を食いながらゆっくりしようじゃないか! ふはははは!」
「おい……」
高笑する流介に、翔真はジト目を向ける。
「まぁ折角喫茶店に来たんだ、飯を食わないわけにはいかないだろ? それに今は昼頃だ。 昼食しないとな。 お、なんなら飯を食いながらお前が悩んでる事を聞こうか!」
「……はぁ〜、わかったよ」
これ以上言っても同じ言葉を返してくるので、翔真は流介と共に観念して店のメニュー表を開き食品を選ぶ。 暫く経つ頃には、二人共に注文の食品を決め、店員を呼び二人は決めた品を注文した。
それから暫く経ち、注文きた食品がトレーに乗せて持ってきた店員に来て、トレーに乗せた注文の食品をテーブルへと置いた後、「ごゆっくりどうぞ」と店員はお辞儀しながら言った後、持ち場へと戻った。 因み二人はお互い、パスタ・ドリンクと同じ品である。
「んじゃ、頂いますかあ!」
と、口にした流介はフォークとスプーンを使い、パスタを食べ始める。 それを見た翔真とパスタを食べ始めた。 それから暫く静かに食べる際、ドリンクを二つ口飲んだ後、流介は口を開く。
「で、なんの相談なんだる」
「ふぅ、やっとか。けどその前にーー」
と、言葉を切り、翔真は周りを一度見渡した後、顔をなるべく流介へ近寄り、周囲へ聞こえない様に小さな声で言う。同時にそんな翔真をみた流介も同じく顔を近寄った。
今、二人は目と鼻の間近ほどの顔を近寄らせている。他者からみたら色々と誤解になる様な事を思うだろう。
……二人がいるテーブル四席の向かい側にいま母子客。その内の幼い子は「ママ〜、あの二人男同士なのにキスし出してるよ〜」とか言い、それにママと呼ばれたその子の母親は「しい! 見ちゃダメよ!」と言って直ぐに子と共にお会計支払いした後店から出たが。
「流介は現状の風ノ忍衆の件は、どこまで知ってるんだ?」
「んぁ? なんだ? やぶからぼうに」
「いいから」
「あぁわかったよ。 だけどよ、俺は風ノ忍衆の件の対処には関係ないぞ? 一応俺は別の案件を担当中の魔導士たしよ。 まぁ俺が知る限りの事を教えるよ。 けど、関係者以外教えられない事は教えないからな?」
「それは分かってるから」
「うむ」
と、流介は翔真の言葉をきいて一度唸った後、自分の知る限り(教えられない事を抜く)の風ノ任衆の件の現在の情報を翔真へ教えた。
「まぁ風ノ忍衆は第七県内に潜伏しているから、エスパダ第七異能騎士団と日本魔導機関の二人魔導士とアメリカ魔導機関の二人魔導士の計四名……今上がった者達が対処する事になってる。 特に四人の魔導士はな。 エスパダ第七異能騎士団は今回の件はサポートへ回るだろうよ。 だが、魔導士達のーー」
「ーー魔導士達の方は風ノ忍衆の対処よりも……日本魔導機関所属の魔導士、柳 優奈を守護する事を優先しているってことだな」
「っんな! お、おい! お前なんでその事を知ってるんだ!?」
と、その叫び声と共にテーブルをバンッ! と叩き立ち上がる流介だったが、直ぐにハッとなり周りの客や店員達が何事かとこちらを見ているのと自分の音量デカくした行いに気付き、周りの人達へ「すいませんでした〜、ははは」と笑い謝りながら席に着き直す。
その慌てようの流介の言動を見た翔真は、やはり既に優奈もエスパダにいて暮らしてる事は知ってる様だと、分かった。
「お、おい。 な、なんで柳 優奈さんを守護する事を知ってるんだ? ていうか、それ以前になんで優奈さんを知ってる?」
「ん? ……あ、そういえば僕と優奈さんとの出会いとか流介には言ってなかったな」
と、静かに慌てる流介の様子と発した言葉を聞き見した翔真は、自分と優奈の出会い等言ってなかった事に、ポンッ! と手を軽く叩きながら思い出した。
そして翔真は流介へ、優奈との出会いや彼女と出会い日から昨日まで(澤田 辰久と江本 小太郎との出会いと、彼等と会話しその内容等も)の過ごした経緯と、そして今回の悩みの相談である優奈との誤解と謝罪……と、それら全て話した。
すると、粗方話を聞き終えた流介の反応はーー、
「う、羨ましいぞおぉお! こんちくしょうがぁあ!」
「……は?」
何故かご立腹になった流介に、翔真は呆気になる。
「翔真お前ぇ! 優奈さんと第九区へドライブしてデートしただぉ! しかもお前の家と優奈さんが暮らす家が隣同士だとぉ! つまり、一つ屋根の下にお前は優奈さんと壁越し隣で過ごしてるのかぁあ!」
「…………」
なにをわけのわからないどうでもいい事言ってるのだろうか? と、翔真は内心思った。
それに第九区へドライブにデートではなく、彼女の受け持つ探索任務の手伝いのためだ。
そして一つ屋根の下や壁越し隣で過ごしてると言うその言い方は辞めてもらいたいと、翔真は思う。
それにその言い方だと、マンションやアパートに住む人たちみんなそうであろう、と内心呟く翔真。
「畜生! 畜生畜生畜生畜生畜生! 羨ましすぎるぅう! あんな絶世の美女とぉ〜! ……うっ、うぅぁ」
羨望やら嫉妬やらの言葉を本当に悔しながら吐き捨てる流介。 そして終いには……涙までポロポロと流し始めている。 まぁその気持ちは分からなくもない、と翔真は思う。 確かにあれ程の絶世たる美女に、翔真は会ったことなど……
(……いや、あるな。 まぁ一番身内の女性だけど)
翔真はその女性の事を思い浮かべる。 だからと言って一度も気になったりとかはないんだが。 何故ならその女性はーー翔真の母親なのだから。 翔真の家系は色々と特殊であり、現在は両親と別々で暮らしているが。 それは兎も角として翔真は本題である相談へ入る。
「おい、流介。 流介!」
「ぬぁ、なぁんだよぉ〜……」
呼ぶと、流介は涙目でながら弱々しく返事をする。
「話を戻すに、その優奈さんと……ちょっと、謝罪がしたいんだ。 だからどういう風に謝罪すれば許してもらえるかなって。 それが僕の相談の内容でーー」
「うむ、なるほどなぁ〜。 まぁ俺としちゃあ澤田さんよりだな。 一異能者が魔導士の事業に関わるなんてダメだからな」
と、涙目から真剣な顔つきにガラリと変わった流介はそう言った。
「やっぱり流介も澤田さんにさんせーー」
「けどな? それは魔導士としての俺の意見だ。 俺自身は、お前が黙っていたから今回の優奈さんとの不仲になってしまった原因じゃないか。 挙句にそれに勘違いしてしまった優奈さんにその場で直ぐに誤解だって言わなかったことがいけないじゃないか」
「あの時は優奈さんとは別の、澤田さんや江本さんがいたからなんだ。 もし誤解だっていったら二人からしたら、自分ら魔導士の事業に首を突っ込むことに解釈されると思ったからでなーー」
「グダクダ言うんじゃねぇよ。 その考えが頭に入っているから、優奈さんと不仲になってしまったんじゃないか」
「っぐ!」
「まぁ兎も角、お前はどうやって謝罪すれば優奈さんが許して貰えるか、だったな?」
「あ、ああ」
「そうだな。 俺からアドバイスするに……まぁどうやったらとか、どうすればとか、そう言うのなしにして……ちゃんと誤解であった事と、ちゃんとした謝罪をすればいいんじゃないか?」
「……え? それだけで?」
「ああ、それだけだ。 そもそも俺は優奈さんとは同じ魔導士だけど、所属する魔導機関が違うから全くもって会う機会なんてないからな。あ、魔導士の事業絡みで以前に二、三回か一緒に行動してたっけな。 まぉ俺は余り優奈さんと関わった事ないから、彼女の性格なんて知らない。優奈さんの性格面が知らないから、それに見合った謝罪方法は分からなからな」
「……うむ」
「ま、ようはちゃんと誤解でしたと言い、ちゃんと謝罪すれば、許してくれると俺は思うぞ」
「……そうだよ、な。 ああ、そうだよ。 サンキューな流介! 僕の相談に乗ってくれて、ほんとありがとな!」
「おう、それはなによりだ!」
流介の言葉により、翔真は改めて優奈へと誤解である事と謝罪する決意をするのだった。
その後、二人は注文した品を食べ飲み終わり、お会計にて支払いし、喫茶店 〈タナベ〉から出て、二人は喫茶店 〈タナベ〉の前で別れる。
流介と別れた翔真は、「よし! 必ず優奈さんと仲直りするぞ!」と、意気込み……寄り道しながら自宅へと戻るのだった。
ーーだがこの時、まさかこの後に予想外な事態が起きる事に……翔真は思いもしなかっただろう。
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