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最強召喚師の舞い戻り英雄譚  作者: 林 小
第1章:舞い戻り召喚師
20/127

第20話:加藤 翔真の謎/偵察者

 ◆◆◆



 ーー翌日・午前7時00分を少し過ぎた時刻。


 場面は、 エスパダ(都市島)第七県第八区のバーブルーマンション第七階(最上階)の七○十二号室内の寝室にて。 窓の閉まっているカーテンの隙間から日差しが通り、それがベットで寝ている翔真の顔に当たる。


「……っ」


 その日差しに当てられ、眩しさによって目を覚ます翔真はベットから起き上がる。 その後1分程、ボ〜っと重い瞼を閉じたり開いたりした後に布団を撒きどけ、窓を閉まってるカーテン所へ行き、バァ! と勢いよく開く。


「っ眩し!」


 朝の太陽の日差しに直に当てられ、翔真は腕で目を隠す様にする。 その後徐々に太陽の光に目は慣れて行き、窓越しから外の景色を見る。


「はぁ〜……」


 徐に翔真は溜息を吐いた。昨夜の事が頭から離れず、悩んでいる。 因みに悩んでいるのは、優奈の事だ。 昨夜、話の最後には翔真と優奈は沈黙な気まづい雰囲気だった。 特に優奈の方は勘違いもある故、もしかしたら翔真の事を少し怒りがあるかもしれない(翔真が何も言わない事に非があるが)。


「兎も角、まずに優奈さんへ澤田さんに言葉に同意してないって誤解なんだと分かってもらおう。そして何も言わななかった所為で優奈さんが勘違いされちゃったから、何も言わなかった事についても謝罪する。よし!」


 優奈との関係を取り戻そうと、その事について口に出して気を取り直す翔真。

  そうして翔真はクローゼットから何時もの私服を取り出し、着用する。その後は洗面所へと行き、歯磨き・顔洗いして、身嗜みを整えた。

 その後に台所へと行き、朝飯に取っておいたおにぎりを食べ、次に牛乳を飲み、朝飯を終える。


 そして玄関へ向かい靴を履き、自宅から出て……隣の七○十一号室へと行く。 翔真は早速優奈へ勘違いの誤解だった事とそうなってしまった謝罪をするのであった。

 …………だがその時には、インターホンを押してもでなく、更に押し続けてもでない。 暫く待ち続けてもでない事に、どうやら優奈は出掛けており留守であった。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 ーー時刻は遡り、午前6時00分丁度の頃。


 場面は、同じくバーブルーマンション第七階(最上階)で、七○十一号室にて。

 その七○十一号室の住処にしている現在の家主の柳 優奈の自宅内のリビングにて、女一人と男二人……計三人の人物がいた。

 日本魔導機関に所属する、柳(やなぎ) 優奈(ゆうな)・澤田(さわだ) 辰久(たつひさ)・江本(えもと) 小太郎(こたろう)である。


「準備は出来たか?」


「……ええ、勿論です」


 澤田の尋ねに優奈は少しの間の後答えた。 優奈が何を準備をしているのかは、今からエスパダ異能騎士団本部へ赴きに行くのだ。

 何故エスパダ異能騎士団本部にあって行くのかは、大事な用があるからだ。それは、風の忍衆による対処の会議があり、開始時間は9時頃だ。

 そこでは各県のエスパダ異能騎士団の代表者達と派遣されたアメリカ魔導機関の二名の魔導士に、澤田と江本に連中の狙い対象である優奈も参加する事になっている。

 今日は、優奈が受け持つ『白銀の召喚師』探索任務を一時的に中断し、その会議を優先する事になっている。


「なんで今日に奴らの件に対処する為の会議なんて開くのよ。 それなんで私も参加しなくちゃいけないのよ」


「仕方ないよ、優奈ちゃん。 優奈ちゃんは奴ら、風ノ忍衆の標的にされてるんだから」


「それにしたってなんで今日一日私が受け持つ任務を中断になるのよ? 会議なんてそう時間は掛からなく終わるでしょうよ。 開始が9時からなら午後に探索する時間はあるでしょ」


「あ! 午後はオレ達と一緒に第七県のエスパダ第七異能騎士団支部の訓練所で一緒に訓練する事になってるぜ?」


「っはぁぁぁあ!? そ、そんなの聞いてないんだけど! ちょ、ちょっと本当何ですか!? 澤田さん!?」


 江本(えもと) 小太郎(こたろう)……小太郎から午後から共に訓練する事を知らされた優奈は、本当なのか再度、今度は澤田(さわだ) 辰久(たつひさ)……辰久へ尋ねると、


「ああ、本当だ。 いや〜実はエスパダ異能騎士団から団員達の稽古兼指南役をエスパダに上陸した後、エスパダ異能騎士団の総団長から頼まれてな」


 と、苦笑いしながら答える辰久。それに優奈は「はぁ〜、そうだったんですか」と、反論する事を諦め溜息を吐いながらそう返した。


 ここでエスパダ異能騎士団の構成について簡単な所だけ説明しよう。


 まずエスパダ異能騎士団は、都市島エスパダの保安兼守護する団体だ。

 第一県にエスパダ第一異能騎士団が、第二県にエスパダ第二異能騎士団が、第三県にエスパダ第三異能騎士団が……と、この様に各県にエスパダ異能騎士団の一団が担当し、エスパダの平和な秩序を守っている。

 各県を受け持つ異能騎士団の一団に団長と副団長がおり、そして第十個の異能騎士団の全ての頂点立つのが、異能騎士団“総団長”である。


「……優奈ちゃん」


「な、なによ?」


 唐突と真剣な顔つきへとガラリと変わった小太郎に、優奈は少し気を引き締めてぎこちなく返事をする。 いったいどうしたんだんだろうか? ものすごく怖い顔になっている小太郎に優奈はそう思いながら聞き耳するがーー、


「訓練所でオレと一戦交えってくれ! そしてオレが勝ったら……優奈ちゃん! オレと付き合ってーー」


「却下よ、却下! 一戦交えるのはいいけど、あんたと付き合う事はお断りよ! あんたの彼女になるつもりはないわ! ていうかいい加減にしてくれる!? もう何回目よ、あんたから告白してきたの? その度に断ったんだけど!」


 急に真剣な顔つきに変わったので、また大事な事の知らせ等と思っていたが……全く違うものであった。

  何十数回かの告白をしてくる小太郎に、優奈は鬱陶しいと思いながら強くその告白を断った。

 まぁ突然だろう。

 そして何十数回も告白して断られてもめげない小太郎はある意味凄いかもしれない。

 そんなやりとりを側から見ていた辰久は、(懲りないないなぁ小太郎は)と、心中小太郎の優奈に対する好意の諦めなさに呆れたのだった。


「っと、そうだ。 少し話したい事があるんだ」


「え、何ですか? 話したいことって」


「あの加藤 翔真という青年についてだ」


「翔真について?」


 いきなりエスパダに住む一異能者である翔真の事について聞き出された事に優奈は怪訝する。 なぜここで翔真の事についての話が出てくるのか? と。 因み翔真のついての話が出た途端に小太郎は少しばかり不機嫌になった。


「昨夜、俺は予約したホテルへ帰った後にあの青年の事を少し調べた」


「っえ? そんなんですか? どうしてですか……?」


「いや、少し気になってな。 興味本位で調べてた。 まぁあくまで個人のプライベートじゃなく、一般に公開されている事だけだから、安心してくれ。 で、ここからが本題なんだ」


 と、眉を顰めて真剣な表情で本題へと入る辰久に、優奈は固唾を飲んだ。そしてーー、


「何故かあの青年、加藤 翔真は二年前に高校一年で中退したと記録してあったんなが……その高校が何処なのか、なぜ中退したのか、そして小中の学校に両親の名前すらも、載っていなかった。 これだとまるで小中の学校なんて通ってなどいなかったようなものだ。 それに両親の名前は一般的にも何処から調べても出る筈が、データベースの何処にも載っていない。 それにエスパダに移住する前に何処に暮らしていたのかも不明であった」


「え、それは本当何ですか?」


「本当だよ、優奈ちゃん」


 驚くべき翔真の経歴が不明だらけな事に優奈は戸惑い、そして本当なのか辰久へ尋ねた。 だが返してしたのは静かに聞いていた小太郎であった。 小太郎はそのまま言葉を続ける。


「エスパダ管理局のデータベースを特別許可をもらってそこで調べた所……謎の部分が多かったよ。 エスパダ管理局の局員達も分からないらしい。 まぁ局員達はちゃんと名前と移住した住所や職などある程度の履歴があれば問題からな。 例え不明な部分が多い奴でも気にはしない」


 エスパダではちょっとやそっと不明な部分がある物でも移住や来陸等可能だ。 もし怪しい何か良からぬ企みでもしようとする者がいれば、エスパダ異能騎士団が黙ってはいない。 エスパダ異能騎士団はこれでも各国の政府も認める強者揃えのであるだ。


「ここから俺が考えていた事を言うぞ」


 そして小太郎の説明が終わり直後、そう口にする辰久。後、言葉を続ける。


「俺が考えるに、あの青年……加藤 翔真に関する情報を何者かの手によって秘(・・・・・・・・・・)匿している(・・・・・)のではないか? とな」


「は、はは! そ、それは考え過ぎですよ、澤田さん。 それはないですよ」


 と、澤田の考えに優奈はぎこちない笑みをしながらそう否定的に答えた。


「そうか? まぁ兎も角、もう優奈の準備の支度は終わった事だし、エスパダ異能騎士団本部へ行くか」


「はい、先輩!」


「はい」


 と、辰久の出発の言葉に小太郎と優奈は返事をする。


 そして準備支度が終了した後、優奈達は優奈の自宅七○十一号室から出て、エスパダ異能騎士団本部がある第一県へ行く為、バーブルーマンションの駐車場へと向かう。 そこで優奈は愛車である黒のオープンカーに乗り、辰久と小太郎は異能騎士団が用意した車へと乗る。


 その後三人は車を発車させ、異能騎士団本部へと向かった。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 ーー時刻は、午前6時30分頃・とある高い建物の屋上にて。


 そこには忍服を着た黒髪黒目の男がいた。

 背中には忍刀が鞘に納めており背中に背負っている。

 その男は、双眼鏡を使って数百メートル放たれ交通道路にてある車を運転している美女を遠くから偵察しいた。

 その偵察されている美女は、柳 優奈だ。

 そして偵察している男は、


「やっぱりな。 ッチ! 2人の魔導士が柳 優奈の護衛してやがる。これりゃあ捕らえるのは無理だな。 情報じゃあアメリカの方の魔導士2人が第七県内で俺たちを探索してるようだし。 なら、プランBへ移行すっか」


 その男……風ノ忍衆の一人である比良(ひら)であった。

 そして比良は優奈が乗るオープンカーの付近で、同じく発車している車に魔導士二人……辰久と小太郎がいて護衛してる事を確認した後、隠密術を駆使し、優奈の自宅であるバーブルーマンション第七階の七○十一号室行き、数分経過した頃に到着。

 そして優奈の自宅の玄関ドアにある郵便受け箱へ“ある書状”を入るのであった。


お読み下さりありがとうございます!

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