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桜の若葉  作者: aco
Heart incl Y & G
6/23

卒業。そして……

こっちにも、ほぼ同時に上げることにしました。

微妙に違う気もしますが、気にしないで下さい。

「お父さんとお母さんは、あとから行くからね」

 娘の高校卒業式に遅刻するって、どんな理由だろうとは思ったけど、親は親で外せない用があるんだろうと考え直し、私は一人で家を出ることにした。

 今日は高校最終日。みんなと毎日会えなくなるのは少し寂しい気もするけれど、仲のいい友達は連絡先を知っているし、就職が決まっている会社はホワイト企業で有名なので、先行きにはあまり不安がない。

 忘れ物がないのを確認し、

「行ってきます」

 と、家をあとにした。


 自転車を漕ぎながら、3年間の思い出に想いを馳せる。

 入学式は、不安と戦いながら出席したけど、今日は四月からの新生活に描く希望しかない。

「ぐみおはよう」

「おはようございます」

 正直、顔と名前が一致しない友人が増えたけれど、相手の名前が分からないと困ることは殆どない。聞けば教えてくれるし。(苦笑いしながら。)


 さあ、雄輝くんに、なんて話しかけよう。

 って校門に仁王立ちしてるのって雄輝くんだよね?


「おはよう。マイスウィートハニー!」

「おはよう。マイスウィートタランチュラ!お付き合いすることになったのに、このやりとり続けるの?」

 雄輝くんは、少し頬を染めながら、

「だって、女の子と付き合うの初めてだから、どう扱っていいかわかんないもん。最初から飛ばしてたらすぐ振られそうだし」

 と、答えてくれた。(正直でよろしい。)

「もしかして、これって初デート?」

「校門から教室まで行くのをデートって呼ぶなら、初デートだね。雄輝くん彼女いた事無いんだ。いつも女の子といるから、彼女の一人や二人いたと思ってた」

「女の子と一緒にいる時間は長かったけど、村越といる時間が一番楽しかったぞ」

「嬉しいけど、自分の言ってる事わかってる?お付き合い翌日に他の女の子の話するって、一歩間違えると即お別れだよ」

「大丈夫。俺の勘が告げている。村越は短絡的な行動は取らない。浮気しても"即"お別れはない。そして何より俺は村越以外と浮気しない」

 ……。

「私とは浮気するってことね?本命彼女を他に作る可能性はあるって理解で合ってる?」

「言いづらいけど、俺の彼女だから言うぞ。そういう所が最近まで彼氏出来なかった原因だぞ。理屈っぽい」


 ゔ。少し自覚はあったけど、面と向かってキッパリ言われると、結構ダメージ食らうなぁ。覚悟は出来てたはずだから、頑張るけど。


 教室は別なので、ここで一旦お別れ。式が終わったら一緒に遊びに行く約束もあるし、

「じゃあ、あとで」

「またな」

 小さく手を振り、しばしのお別れ。


 卒業式はつつがなく進行した。


 入場、校長先生のありがたいお話(長い)、仰げば尊し、送辞、答辞、証書授与、3月9日、退場。ハチは入ってこなかった。


 校門を出たところで話しかけられる。

「で、どうする?」

「どうするって、予定決めて無いの?男の子なのに?そういう所が今まで彼女できなかった原因だね」

「朝の仕返し?せっかく付き合ったんだから、建設的な会話しない?」

「ヒューヒュー!痴話喧嘩も年季入ってますねー!」

 顔も見たこと無い下級生(ん?卒業したから在校生が正しいのかな?)に冷やかされた。

「おう!羨ましいだろ。お前もさっさと彼女作れよ!」

「そんな簡単に出来るんだったら、もう作ってますよ。雄輝先輩、女の子の友達いっぱい居ますよね?一人紹介してくれません?」

「お前に紹介する女はいない」

「村越先輩は彼氏探してる友達とか居ませんか?」

「男の子で良かったら居るよ」

「げ!俺、性指向はノーマルなので女の子でお願いします」

「冗談冗談。もうすぐ私の妹が入学して来るから、誘ってみたら?」

 在校生の視線がさまよう。

「性格、先輩と正反対だったりします?」

 やっぱそこかー。

「私に輪をかけて抜け目ないタイプだよ」

「やめときます。扱い切れないので」


「じゃあまた、何処かで」

「私も雄輝くんも引っ越ししないから、そこら辺で会えるよ。またね」


「でだ。まずご飯食べに行かない?この場合、男の奢りだろ。予算の都合でマックとかになるけど」

「オッケー♪就職までのデートの予定とか話し合いましょう」


 マックは()いていた。増税の影響出てるなぁ。ゆっくり話し合えそう。

「まず、どこ行く?定番の夜景とか見えるところにする?」

 ……。

 ……。

「あたしゃあんたの下心しか見えない」

(みそぎ)みたいなもんだから、早めに済ませといたほうが良くない?」

 ……。

 ……。

「とりあえず、下心どっかに置いとこう。嫌じゃないけど、ヤ」

「じゃあ、一泊で温泉旅行とか」

 ……。

 ……。

 男って男って……。


 頭ん中、それしか無いのかーーーーーーー!!!!

読んでいただいて、ありがとうございます。


あと一話で一旦休憩に入ります(多分)。

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