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75 だいじょうぶ


Side 星の神子


 れぐるすくんのところにきてからあんまりめれふくんに会えていなかった。

 お爺ちゃんのおうちにいた時は、いつも夢で会えていたのに。めれふくんに会えないのはさみしかったけど、最近またいっぱい会えるようになってきてうれしい。

 いつもの様におひざに乗せてくれて、いっぱいお話を聞いてなでてくれる。


 この前会った時はさばくに行った時だった。こわいこともいっぱいあったけど、めれふくんがいっぱい話を聞いてなでてくれた。

 みんなで馬車に乗るのは楽しい。でも、時々こわいのがいたりする。せいらがこわくなっていると、ななちゃんがすぐに抱きしめてくれて、こわくないよって。だいじょうぶだよってしてくれる。


 ななちゃんは優しい。れぐるすくんもいるし、今はお留守番してるいっくんだっている。だからママやようくんたちに会えなくても寂しくない。

 でも最近ななちゃんに酷いことしようとした人がいる。前にめれふくんにお話したけど、ななちゃん困ってた。いつもみたいにだいじょうぶだよって言ってくれる。でもやっぱり元気がなくて。

 ハンカチにチューリップを付けてくれた時も、最初は笑ってたけど、だんだん困った顔になってた。


 困っているなら助けないと。ママもそう言っていた。ずっとせいらを守ってくれている。なら今度はせいらが、ななちゃんを助けてあげないと。

 でも、どうしたらいいんだろう。めれふくんも一緒に考えてくれるかな。


「なにかできないかな?」

「友のために悩むのだな」

「うん? せいら、ななちゃんだいすきだよ。いつもなでてくれるし、だきしめてくれるの」


 めれふくんになでてもらいながら、もたれかかる。お膝の上に乗せてくれるの嬉しい。ななちゃんもよく乗せてくれるけど、馬車に乗っている時は、急に止まったら危ないからって、あんまり乗せてくれない。そのかわり、いっぱいなでてくれるし、抱きしめてくれる。


「この前もね、木がね、ななちゃんに怖いことしたの。ななちゃんはいつも守ってくれるのに、こわくて何もできなかったの」

「守りたいか?」

「うん」

「そうか」


 めれふくんが頭を撫でてくれる。ななちゃんのとはちょっと違うけど、めれふくんの手も好き。ななちゃんを守れたら喜んでくれるかな。褒めてくれるかな。

 そう言って見上げると、めれふくんが笑っていた。抱えられてお膝の上から下ろされる。どうしたんだろう。

 そのまましゃがんで目を合わせてくれる。めれふくんのおめめは金色できらきらしていてとってもきれいだ。


「静かに眠ることも考えていたんだがな。私としても、友が来ると言うのなら歓待せねばならない」

「めれふくんねむいの?」

「いや、たった今終わる必要がなくなった」


 おわるってなにを? めれふくんの言うことは時々むずかしい。

 よくわからなくてめれふくんをぼんやり見上げていたらいつもみたいに遠くの方がぴかぴかしてきた。もうすぐ夢が覚めるらしい。


「安心するといい、私が何とかしてやろう」


 なんだかわからないけどめれふくんが助けてくれるみたい。うれしいな。めれふくんとお話してよかった。ななちゃんも困らなくなったらうれしいよね。

 だんだんぴかぴかした光が大きくなって眩しくなってくる。眩しくて目をつぶる直前までめれふくんが頭をなでてくれていて。もっとなでてほしいなって。もうちょっとだけ夢の中にいたかった。





「おはよう、せいらちゃん。よく眠れた?」

「ななちゃん」


 目を明けるとななちゃんがいた。お膝の上に乗っているのをななちゃんがずっとなでてくれていたみたい。めれふくんとはまた違う優しいなでかた。嬉しくて、もうちょっとだけなでてほしくて、ななちゃんのお膝にほっぺたをくっつけながらまだねむい目を擦る。

 あったかい。まだ寝てちゃだめかな。もうちょっとこうしていたいな。頭の上でななちゃんとれぐるすくんの話す声が聞こえる。なでなでしてくれるの、うれしい。

 そうだ。ななちゃんに教えてあげないと。


「ななちゃん、もうだいじょうぶだって」

「うん? どうしたの?」

「なんとかしてくれるって」

「夢の話?」


 馬車の中に皆いる。次に馬車が止まるのはこわくないまちだといいなぁ。目を擦りながら転がってななちゃんを見上げる。せいらと同じ茶色いおめめをしてる。ななちゃんのお膝の上は優しくてあったかくて好き。

 あたまをなでてくれていた手が離れて、今度は手を握ってくれた。めれふくんのこと話したかったけど、まだねむくて上手く話せない。

 でも、ななちゃんが笑ってるならいいや。めれふくんもだいじょうぶっていってた。ならもうななちゃんもこわいくないよね?


「まだ眠い?」

「うん」

「もう少しこうしてていいよ」


 声がするけど、眠くてよく聞こえない。優しい声がする。あったかくていい匂い。

 こわいのもないし、きっともうだいじょうぶ。今度はせいらがななちゃんをだいじょうぶにしてあげるからね。がんばるから待っててね。だからちゃんとできたらほめてほしいな。


夢の友達。

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