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第52話 人生とは・・深い。

申し訳ございませんでした!


この章に入ってからの神崎の言葉づかいがおかしかったので修正しました。


また、この章の名前が動乱になっておりますが、近々変える予定です。


「えーっと。創造神を信仰するのは別に良いですけど、僕を信仰するのは止めて頂けません?」


「どう言う事ですか?」


 何人かが、はてなマークを顔の隣に付けている。


 ネオンはお腹がいっぱいになったのか、椅子に座ってはいるがデローンとした状態で寝ている。


「つまり、聖女とか王様とか聖教皇とかの位みたいに、神という位、役割に対しての信仰なら別に良いんですけど」


「ふむ……、創造神と言う概念に対しての信仰は構わないという事ですね?」


「まあそうですね……ただ、司教聖枢機卿はどうするんですか?一応あの人が、現在のウラヌス教のトップなんですよね?」


 俺の言葉を聞いて、室内の教会関係者の空気が変わる。

 苦々しそうな顔をしたクリーン大司教が、


「そうなんですが……先程の話にあった勇者召喚は、多分”神”を召喚する秘術が原型だと思います。それを勝手に持ち出し、行ったり教えたりする事は、ウラヌス教に対する背任だと我々は考えます」


 アトモス王国で会談をしているという噂の人だ。


 何を考えて行動しているかは分からないが、ウラヌス教にとってプラスの人かと言われると、違うと思う。それは、ここの人達もそう思っているらしい。


「あーなるほど。出来れば、もうウラヌス教に関わらせたくない感じですか?」


 クリーン大司教とミネルヴァさんが頷く。他の教会関係者も、その考え方に賛成らしい。


「アトモス王国と繋がっているわけだし、そう簡単に行くとは思えませんが……。まあと言っても、僕は宗教の事とか組織の事はよく分からないので、そちらにお任せしますよ。一応できる限りの事はするつもりなので、何かあれば言って下さい」


 ただし、神崎パーティーが表舞台に立つようなことはしないで下さい。と付け加えておいた。

 実際、こっちにはこっちの目的があるから、いつまでもここに居る訳には行かない。

 そこだけは、ちゃんと了承してもらった。




 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 総本山の建物内にある客間を二部屋借り、男と女に分かれた。


 そして、荷物を置いたり、ゴドフと少し話しながら一息ついたところで、男部屋にサーシャ達女性陣が入室して来る。


「お待たせしました。湯あみをしていて遅くなっちゃいました」


 そう言ったサーシャは、久々の神官服を着て登場した。

 ネオンはシャツと短パンにタオルを肩にかけ「良い湯だったにゃ。」と言いながら入出し、刃鬼は「後で湯あみします。」と言っていたらしく、先程の格好だった。


 全員分のお茶を準備したところで、刃鬼に問いかける。


「そういえば、なあ刃鬼。自己紹介してないのに、お前、俺の事”神”って認識してなかった?」


 あの時、テレポートであの場に行き、バリアを張って刃鬼の攻撃から勇者を守った。

 そして刃鬼に目を移した時には、刃鬼は跪いていた。

 鬼術に鑑定系の技でもあったのかな?


「?徹様の真意がわかりません……どういう事でしょうか?徹様を一目見ればわかる事ではありませんか」


「うん?」  


 どういうう事だろう?

 良く分からなかったから、他の面々に視線を移す。

 サーシャもゴドフも、今の発言がよく分からないらしく首を横に振っていた。

 ネオンは、思うところがあったのか、少し考えている感じだった。


 視線で説明を求めると、

 

「徹様を拝見すればわかる事かと。こう……生命力というか、存在力というか……徹様から立ち上るエネルギーが尋常じゃないくらい放たれております。それを確認して、私はすぐに主である事がわかりました」


 生命力、存在力ねえ?魔力的な何かかな?


「サーシャとゴドフは、俺と初めてあった時、何も感じてなかったよね?と言うか人族もドワーフ族もそんな素振りは無かったと思うけど。ネオンは何か感じていた?」


「にゃ?う~ん……(にゃん)か付いて行った方がいいとは思ったにゃ。(にゃん)かこう包み込んでくれる感じだったにゃ!」


 うん。よく分からん。もっと言えば、第六感の可能性もあるから、これについてはネオンの意見は保留だな。


「魔力的な何かですか?」


 とサーシャが刃鬼に聞く。


「魔力とは違います。そこに居る力……存在が濃いんです」


 それにしても、何となく言っている意味はわかるが、それを感じられない者からするとよく分からん話だな。


「刃鬼。それは俺だけが濃いのか?サーシャやゴドフはどうなんだ?」


「サーシャさんとゴドフさんは、他の人族に比べれば、少し濃いという程度でしょうか」


「話し振りからすると、俺は相当濃いんだな?」


「はい」


 しっかりと頷き肯定を示す。


「その存在力を感じれるのは、種族特性とか鬼術の何かか?」


「いいえ。鬼術にそんなものはありません。多分種族特性でもないと思います。あの場に数人、鬼人族も居ましたが、感じていた素振りはありませんでした」


 どういう事だ?仮に、俺がその存在力なるものが濃かったとして、なんでそれを刃鬼だけが感じとれるんだ?魔王っていう役割のなかの能力か?・・いや、魔王と言う役割を神の目で調べても出てこないな。


 考えても分からん!一旦保留!

 

 ……?


 そういえば、刃鬼は何でここに居るんだ?

 確か、神の意志を感じたとか何とか。


 ……ッツ!!


 一瞬で頭に嫌な予感が浮かんでしまった。 

 

「ふ~ん。まあとりあえず、俺は存在が濃いから”神”ってわかったって事だよな。何で濃いのか?何故それが刃鬼には分かるのか?は、とりあえず置いといて。……刃鬼、お前はなんでここを攻めようとしていた?」


 語気を強め、そう(ただ)す。と同時に、自身に「神の加護」を5回かけステータスを最高値まで上げると共に、アイテムボックス内にある、全てのバリアの魔法を展開し刃鬼を閉じ込める。


 一瞬で空気が変わったことに、サーシャとネオンがビクッとする。

 ゴドフは、自慢の髭を撫でながら成り行きを見守っているようだ。


 ――俺が考えてしまった事、それは、刃鬼が女神の手先である可能性だ。


 簡単には破れないバリアを張り巡らし、並列思考の集中度を主人格含め4人分すべてを使い、神の目で魔王桜ノ刃鬼を調べる。

 

 エグゼバグの偽装も、並列思考3人分で破れた。

 仮に同格なら、これで偽装を破れるだろうし、それ以上でも、今の段階で最強の”神の目”を駆使して調べるしかない。


 問題は、俺の能力が足りずに破れないのか、潔白なのかが分からない事だ。


 発動した神の目は、そのまま変わらず、魔王の忠誠心の高さを示していた。




 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 ゲーム『アルカディア』のめんどくさいところが、竜王にしろ魔王にしろ、神の座から命令できないところであろうか。


 わざわざ実際に会いに行き、面と向かってお願いしないといけないのだ。

 おかげで竜王メフィル・ナーガにブレスを吐かれたのはいい思い出だ。


 そう……それが受け継がれているのであれば、刃鬼、【魔王】が勝手に国や都市を襲いに行くこと等、本来あり得ないのだ。


 何故なら、人族の人口が増えた時、それをメアが伝えてくるから、他領土に攻め込む恐れのある国や都市を選別して、そこに対して、魔王を俺が行かせていたのだ。


 テレポートで魔王の元に向かい、都市の名を告げ、「後は頼んだ!」的な感じでお願いしていた。


 何故、今になって勝手に動いているんだ?


 ――女神であるもう一人の”神”メアに動かされている可能性が高いのではないだろうか?


「刃鬼……。正直に答えろ。誰に言われてアルスメットに来た」


 少しでも変な素振りをした瞬間、それに対応出来る様、魔法を準備しながら問う。


 今までと違う俺の雰囲気に対し、何も気負った様子もなく答える刃鬼。


「今までこの場所は聖女に守られていた土地です。そして、聖女が居なくなってもすぐに新しい聖女が任命され、人族を守っていました。それが今回、いつまでたっても聖女が現れなかった為、この地に何かあると思い自らの意思で侵攻致しました」


 そして少し言いづらそうに、


「襲撃するように命令を受けていませんでしたが、この地に対し魔物や魔獣を放ち偵察した結果、徹様から止めろという命令を受けませんでした。その為、黙認されたと思い行動に移しました」


 確かに、ミネルヴァさん達との話の中にも、魔王が狙っていて、ロムルス周辺の魔獣やら魔物の、強さが上がっていた。とかという話はあった。


 ――嘘をついている感じではないか?


「今までは勝手な事はしていなかったよな。……何でこのタイミングなんだ?」


 そう、魔王に任命してから約1000年、ずっと命令を受けるまで動いていなかったにも関わらず、ここにきて何故動いたんだ?


「……」


 ここにきて初めて刃鬼の表情に変化が見られた。

 何だろう?戸惑っている感じ?

 

 そして意を決した様に、


「その、約2カ月ぐらい前でしょうか。いきなり思考がクリアになったのです。今までの記憶はあるのですが、なんというか・・そう、()()()()()を持ったと言いますか、本当の意味で自分で考え行動する事が出来る様になったのです」


 2か月前と言えば、俺がこの世界『アルカディア』に召喚された時期と同じ頃か……。

 さすがに、これが偶然ではない、という事ぐらいはわかる。


 つまり、ゲームだった頃は、ゲームのシステムが勝手にフレーバーテキストを更新し、そのキャラの一生を決めていたわけだ。


 名前、性別、種族、出身地、どうやって生きていくか……いわゆる人生、そういったものをすべてシステムが決めていたわけだ。


 そこにキャラの自由意志等はもちろん無く、システムとして管理されていた。

 ゲームだからそれは当たり前なんだけど……。


 それが、この世界『アルカディア』に俺が呼ばれた頃と同じくして、刃鬼達にも何らしらの影響があったという事だろう。


 ――考えてもいなかった。

 この世界自体が、何かしらに巻き込まれている可能性もあるのか……。


 今まで、自分に起きた事しか考えていなかったけど、実際は、もっと大きな事象に巻き込まれた可能性もあるのか。


 ――わからん!


 そしてさらに刃鬼は説明を続ける。

 

「今までの記憶がおかしいとか、操られていたとかという訳はなく、ただその日に、いきなり自分の意志というか、心が宿った、という感覚でしょうか」


 と、刃鬼自身よく分からないのであろう。

 だからか、説明も理論整然としたわけではなかった。

 しかしそれでも、俺に聞かれたからか一生懸命説明していた。


 頭の中で、刃鬼の言った言葉がグルグルと回り、一生懸命考えていたが俺も結構混乱していたらしく、思考が止まってしまっていた。


 俺がどんな顔をしていたかは自分では分からないが、刃鬼はそれを見て、


「――申し訳ございません。徹様が何を考えていらっしゃるのかはわかりませんが……、私という存在が徹様にとって邪魔なようですね……」


 そう言うと刃鬼は、一瞬寂しそうな顔をして、腰帯に差さっていた小太刀を右手で抜き、自身の心臓があると思われる胸に、左手を添えた小太刀を躊躇いもなく、流れる様に突き刺す!


 っておい!バカヤロウ!!


 すぐさまテレポートで刃鬼の元に行き、その小太刀の刃を右手で握る。

 と同時に、俺の手から切られた感覚が脳に届き、徐々に痛みを感じるようになってくる。


 危なかった。

 もし並列思考を束ね、集中して刃鬼を見ていなかったら、多分間に合っていなかった。


 刃鬼が人化してステータスが落ちていると言っても、いきなりの行動に対して反応することは難しい。

 自分に対しての攻撃とかなら、本能的な反射行動で動けても、他人が勝手に行動することは見ているだけになることが多い。


 サーシャたちの動く気配がするが、刃鬼の戸惑った顔を近くで見ながら


「刃鬼……その、疑ってごめんな。それと、これからはいきなり死のうとはしないでくれ」


 もしこれで、刃鬼が女神の手先で、さらに先程の行動が演技ならもう騙されてもいいよ……ね?

 まあ、騙されていてもサーシャ達に危害が無いようにしなければならないけど。


 と言っても大丈夫だろう。俺のカンは刃鬼を信じても大丈夫って言ってるし!

 

 ――俺のカンが当たるかどうかは知らないけども。


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