第49話 妖艶な花魁
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名前 楽鬼
種族 青鬼族
役割 なし
職種 戦士
位階 72
筋力 2390
体力 1981
精神 1731
知力 1567
魔力 109
器用 987
運 52
身長3メートル、体重は約1トン。
鬼種のひとつである青鬼族。
他に、小鬼・赤鬼・鬼人等が鬼族に分類される。
吸血鬼、いわゆるヴァンパイアは鬼族であるが系統が違う種族である。
青鬼族の戦士で、現在は魔王桜ノ刃鬼に忠誠を誓っている。
魔族領の鬼族の集落に住んでいたが、青鬼族が魔王の庇護を得るために、自身が魔王の手足になっている。
現在は、人族領のロムルスを滅ぼさんと侵攻中である。
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勇者に殺されそうになっていた、鬼族の戦士のステータスだ。
勇者と比べると、低く見えるが十分に強い。
そして、赤黒い刃を勇者に向け放ち、鬼族の戦士を守ったその存在、魔王のステータスだ。
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名前 桜ノ刃鬼
種族 鬼人族
役割 魔王
職種 鬼術士・刀剣士
位階 127
筋力 7843(+1000)
体力 5604(+1000)
精神 8005(+1000)
知力 9209
魔力 10190
器用 9081(+1000)
運 67
特技 鬼術9 刀術8 体術7 統制6(+3)
指揮6 殺気感知6 誘惑6 暗殺5
言語4
特殊スキル 人化 鬼化
魔王(効果 パラメータの変化・人族からの攻撃無効化・魔の付く者を統制により縛る事が出来る)
数少ない鬼人族の一人。
基本的に鬼族は強さ第一主義であり、その中でも鬼人族は最強を誇る。
鬼人族の姫であり、また魔王でもある。
約1000年前に、神から魔王の役割を与えられた。
都市ロムルスに神の意思を感じ侵攻中であった。
現在は、鬼化し勇者と相対しようとしている。
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魔王―—約1000年前、第二の世界樹を植えるにあたり、エルフの森を人族領から離したが、それでも人族ならば、また世界樹に害を及ぼしかねないため、エルフ領と人族領の間に魔王を任命して配置し、簡単にエルフ領に侵攻出来ないようにしたのである。
役割としての”魔王”の効果は、人族の人口が一定量を超えた時に数を減らす事と、人族の天敵として人族からのヘイトを一身に受ける事であり、つまり魔王という絶対的な天敵がいる事で、人族が他の種族を狙わないように魔王に意識を向かわせていたのである。
そして、人族がある一定以上に増え、他の種族にちょっかいをかけたり、人族同士で殺しあう前に、魔王に襲わせて人族を間引いていた。
そうすると人族同士で戦争するよりも、満足度は下がらないし、明確な敵が出来る事で人族同士が一致団結し、人族領の回復に努める為、他の種族が繁栄する事が出来た。
とまあ、俺はこんな感じで人族を抑えながら、アルカディアを運営していた。
ちなみに何度も言うけどゲーム内だからね?
ただ、人族から見ると堪ったもんじゃないかも……ね。でも俺は、人族の神じゃなくて、アルカディアの神だからしょうがないよね!
うん。しょうがない!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「――神崎さん。あのごついのが魔王ですか?」
サーシャは魔王の隣にいる、赤鬼族を指さしていた。
「違うよ。その隣にいる和服の鬼人族が魔王だよ」
「え?……魔王って女性だったんですか?」
な、なんだろう?
サーシャの目つきがこの場にふさわしくないジト目になっている。
おかしいな。
「見た目に騙されちゃだめだよ。ステータス的にエグゼバグなんかより強いからね」
「そうなんですか……?決して見た目とかで選んだのではないんですよね?」
おうふ。
サーシャから不穏な空気を感じる。
答えを間違えたら、頭をカチ割られる気がするにゃ。
「ぶっちゃけ言うと、ちゃんと見たのは初めてかな。魔王に任命した時は子どもだった気がするし、その、神的なお願いをしに行ったときは、刃鬼は基本跪いていたし……」
そう……ちゃんと見たのは初めてなのだ。
それほどキャラのビジュアルとか気にして見た事無かったな。
だってこのゲーム、エロい事出来ない仕様だったし。
それにしても、戦場とは思えない格好をしている。
いわゆる花魁と言った格好であろうか?
濃い紫色の髪の毛を、いくつものカラフルな簪が結い纏め上げ、もともと目鼻立ちの良いであろう顔を化粧をし目立たせている。さらに黒を基調とした着物を、その豊満な胸元を強調するように、肩が出る様に着崩している。
そして左腰には刀を差しおり、左手には50センチぐらいの長さのキセルを持ち、右手で自分を抱いていた。
なんというか……いやらしい色気ではなく、妖艶でありながら高貴さも兼ね備えた色気を放っている。
ただ鬼化の影響か、その目は白目は黒く赤い目をしていて、鬼の代名詞である角が生えていた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「お前達は下がっていな。……さて、相手をしてあげるからかかってきな坊や」
鬼族の戦士を守り、魔術部隊を壊滅させた魔王は、自身の攻撃で無傷の勇者に向かい歩いていく。
「お前が魔王か!」
悠真は、守り切れなかったことに苛立っているのか、剣呑な視線を魔王に向ける。
そして、無防備に近づいてくる魔王をひと睨みし、両足に力を入れ爆発させた。
「シッ!」
という裂ぱくの気合と共に、魔王に一足飛びで近づき両手で剣を振り下ろす悠真。
それを事も無げに、左手で持ったキセルで止める魔王。
キン!キン!キン!と、何度も両手剣とキセルがぶつかり火花を散らしている。
正面からでは崩せないと思ったのか、悠真は左右からフェイントを混ぜながら切りかかるが、そのことごとくをキセルのみで対処して見せる魔王。
「くそが!ならこれなら!」
バックステップで距離をとる悠真。
そして、魔王の周りでは雷球がバチバチと何個も浮かんでいた。
「死にな!」
その合図とともに、その雷球が轟音と光を放ちながら弾けた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「ふむ、やるのう人族も。あのタイミングでは逃げれなかったじゃろうて」
ゴドフが冷静に観察をしていた。
ネオンは音にびっくりしたのか、耳がペタンとなっていた。
「この距離から何とか目で追える感じでしたね。正直、二人の攻防を完璧に理解できたかは……わかりませんが」
サーシャがむむむと唸りながら戦いの行く末を見守っている。
うむ。このままだと勇者が殺られるな。
魔王を倒すには、人族では絶対に不可能だ。何故なら人族の攻撃無効化という能力が、魔王という役割には備わっている。
その為、人族は獣人たちを奴隷化し、魔王を倒そうと画策していたのだろうが、ステータスの差があり過ぎてそれも叶わない。
しかしあの勇者、佐藤悠真は別だ。
ステータスが普通ではないうえに、異世界人であり人族とは違う、とこの世界のシステムは判断したらしい。
だから、先程の雷魔法は魔王にダメージを与えていた。
まあと言っても、先程の攻撃も、鬼術で大半を防がれているから微々たるものなのだが。
ただこの先、成長していけば魔王を倒せる可能性がある存在だ。
特に人族に肩入れし、魔王を倒せるかもしれない存在は、勇者である佐藤悠真だけだろう。
その存在を、魔王である桜ノ刃鬼が見逃すわけがない。
佐藤悠真は、俺が元の世界に帰る手立になる可能性があるから、殺されるわけにはいかないな。
そして魔王も、俺の護衛をお願いしたいから倒すわけにはいかない。
すぐさま換装で神モードになり、神聖魔法『神の加護』を重ね掛けする。
「みんなはここで待っていて、ちょっと話をつけてくるよ」
そう言って、みんなの返事を聞かずに、バリアを準備しテレポートで向かった。




