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第29話 ペットゲットだぜ!


 ドワーフの町ガルガンを出て、ミッドガル方面へ道沿いを行くこと1時間、日が完全に暮れ、流石にこれ以降の追跡はしてこないだろうと思い、道から少しハズレた所で野営の準備をする。


「さて、ここまで来れば大丈夫かな?」

 

 サーシャに確認をとってみる。


「さっきの帝国の人達の事なら、大丈夫だと思います」


「おにゃか空いたにゃ!」

  

「……お前の所為だからな?町でゆっくり出来なかったの」


と言いながらネオンの頬を摘まむ。


「い、痛いにゃ」


 ジトーとした目をこちらに向けサーシャが、


「その獣人の子は、神崎さんの知り合いじゃないんですよね?」


「じゃないね、今日が初対面だよ」


「は、離せにゃ!」


 うにゃーと言いながら、摘ままれていた手から脱出し、頬をさするネオン。


「とりあえず俺もお腹空いたし、晩飯食べながら話でもしようかね」


 アイテムボックスの良い所は色々あるが、食事時に限り、時間が止まっていることに感謝する。

 今日も、アルスメットで買ったシチューみたいな物と、パンで食事をとる。


 ネオンは、いきなり食事が出てきた事より、食事があることに心が奪われている。


「ごっはん!ごっはん!」


 すでに貰えるものと思っているあたりが、何というか……ペット感が凄い。

 お前の野生は何処に置いてきたのかと、小一時間問いつめたい。

 すごくいじり倒したいが、話が進まなくなるから今は止めとくか……。


「熱いから気を付けろよ」


 ほれ。と渡すと、うにゃ~と言いながら、スプーンで渡されたシチューを頬張る。

 おいしかったのか、にへらッと笑い満足げに頷いている。


「サーシャも食べちゃいなよ」


 自分の分を食べながら、ネオンを見ていたサーシャを促す。


「はい、いただきます。それにしても獣人はみんなこんな感じなんですか?」


「う~ん……。これは割と特殊な気もするけど。まあ、おバカなのは種族特性かな。種族としてのプライドと仲間意識が高くて、良くも悪くも真っすぐな奴らだよ」


 そう、人族にも劣らない繁殖率の高さ、魔法は苦手だが体を使った接近戦の強さ、そしてそもそものステータスの高さ。


 どれをを見ても人族に後れを取ることはないはずなのに、種族特性の長所、おバカが足を引っ張ている。


 野生的で残忍な種族か、おバカな種族にするかで、おバカを選んだのは俺だけども。さて、とは言えこのままだと、野良猫に餌を与えているだけになってしまう。


「でネオン。お前に何があったのか話してもらおうか」


 そしてネオンと向き合い、もう一度観察する。

 見れば見るほどミョンに似ている。

 服装は、短パンみたいなものに、いわゆるTシャツと言えばいいのだろうか、そして靴は履いていない。寒くないのか……。

 獣度はそれほど高くないが、一番薄い訳でもない。

 手から二の腕にかけては毛が生えているし、足も太もも辺りまでは毛がある。

 顔も、耳は当然獣耳、鼻も目も猫寄りだ。

 口には人間ではあり得ない長さの犬歯があり、毛繕いしていたことからも、ベロは櫛のようにザラザラしているのだろう。

 ただ、顔は人間のように毛が少ない。尻尾もある。

 服を着ているから他はどうなっているか分からないが、背中から尻尾周りには毛が有りそうだな。


 じっとこちらを見つめ、何かを窺っている。

 

「にゃにがあったかにゃんて、わたしの事を知っているのにゃらわかるにゃ?」


 助けたことにより、俺たちに対する警戒心はだいぶ減ったけど、俺達が何者か分からない不安はあるらしい。


「まあ、大体把握していると思うぞ。人族との会談の時に人質にされ、メギドに売られて連れていかれたけど、その後、やっぱり必要だと帝国に連れ戻されるところを逃げ出したんだろ?」


 目を見開いて、耳がいろんな方向にぴくぴくと動いている。

 答えられた内容が、想定以上だったらしい。


「……お前はにゃに者にゃ?そこまで知っているにゃら帝国の者かにゃ?」

 

 さすがにおバカと言えど、ここまで知っているのはおかしいと思うか。

 警戒度が上がった気がする。


 獣人は考えれないわけでもないし、理論的な事が分からないわけでもない、ただ嘘に対する免疫というか、嘘や建前に対する対処の仕方がわからない奴が多いのだ。


「いや、帝国の者じゃない。そうだな、どちらかと言えば獣人国を守りたい側だ」


 一瞬目を見開き、顔が綻んだが、いろいろ思う事があったらしく、耳としっぽを垂れさせ、目を伏せてしまった。


「私は、もうにゃにを信じればいいのかわからないにゃ……」


 ……それもそうだな。

 人族からの停戦会談で人質になった経験もあるし、そもそも、今までの人族の行いの悪さを知っているのだろう。

 

 エルフや獣人は特に奴隷として扱われることも多い……。


「一応俺らはお前を助けたけど、これからどうするかは自分で決めな。俺らに付いて来るもよし、一人で獣人国に帰るもよし。一応言っとくけど、俺らはこれからミッドガルに行かなきゃならん。だからネオンを獣人領に返すのは最低でもその後になる。ただ、一人で行くよりかは安全だと思うけど」


「……一人で行っても良いのかにゃ?」


「いいよ」


 多分強引に連れて行っても、良い事はない気がする。

 ある意味人間不信……?いやごはん嬉しそうに食ってたけどな。餌付けは別なのか……人間不信とは一体。


 首を傾げ、無い頭を使って頑張って考えている。


「にゃら一緒に行くにゃ!」


 私決めました!みたいなキリっとした顔で宣言した。


「人族は信じられにゃいけど、お前達は信じられるにゃ!」


 ネオンの持っている特殊スキル第6感でも発動したのかな?

 俺は信じられるほど何もしていないけど……。

 餌付けが効いたんだろな。


「そうか。えーとおうふ。サ、サーシャさんペットが出来ました」


 サーシャの方を見ると、ブスッとした顔で私不満があります。と顔に書いてあった。

 あれ~?俺の好きにしていいって言ってなかったけ?

 ペット飼うのはダメだったのかな?

 それとも、事前に聞かなかったからかな?


「まあ、いいですけどね。なんかこうなる気はしていましたし……」


「なんかすみませんでした。じゃ、じゃあとりあえず自己紹介でもするかね」


「待つにゃ!ペットって(にゃん)にゃ!」




 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 いつも使っているテント、と予備のテントを出して寝る事にする。


 自己紹介は普通に終わったが、ネオンはこれからどうしたいのかと聞くと、帝国に捕まらなければとりあえず何でも良いらしい。


 捕まるぐらいならば死ぬ予定だったとか。


 だから俺たちの旅に付いて行くというのが、とりあえずの望みらしく、途中で獣人国に近ければ寄って考えるとかなんとか。


 で俺が神については伏せといた。

 別に言っても良いんだけど、なんかぽろっとどっかで喋りそうだし。

 あえて隠すつもりもないけど、言う必要も無いだろうと言う判断だ。



 そしてテントの内訳は、ネオンとサーシャの二人と俺に分かれることになった。


 最初、ネオンが俺と一緒が良いと言ったが、サーシャがネオンに対し貴方は一人で予備の方です。とバッサリ切った。

 ただ、予備のテント使うならもう男女で良いじゃんという結論に至り、今予備の小さめの方で俺が横になっている。


 あの二人には仲良くしてもらいたいところだが、大丈夫だろうか?

 まあ、ネオンに悪意が無ければサーシャも文句言わないだろう。




 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 そして、次の日。


「おはよう」


「神崎さんおはようございます」


「おはようにゃ!」


 ふむ、雰囲気的には問題は無さそうだな。


「サーシャ大丈夫だった?」


「はい、少し警戒していたのですが、直ぐにネオンは寝てしまって、警戒しているのが馬鹿らしくなったので私もすぐに寝ました」


「まあそうだろうね。神の目も完璧じゃ無いし、サーシャが色々考えてくれているのは分かるけど、ネオンに関しては、気にしなくて良いから仲良くしてやってくれ」


 いつもありがとうね。

 と伝えると珍しく頬を赤らめて、いえ……と言っていた。

 おいどうした!?めちゃくちゃ可愛いじゃねーか!


 そこに、甘い空気の読めない奴が、


「朝ごはんはまだかにゃ?」


 と言ってきた。それとも読んだ結果か?




 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 旅の仲間が増えた事により、食料事情が変化した。

 しかもよく食べるし。

 まあペットのご飯を準備するのも飼い主の役目だな。


 と言うわけで、道を進んで行くとほぼ落葉してしまった森……林?があったので、狩りをする事にする。


 ネオンがどれ位戦えるのも確かめたいし。

 特に、気配察知の特技がどれくらい使えるのか知りたい。

 それの性能次第によっては、ネオンの価値がペットから仲間に変わるだろう。

 

 ついでに言うと、ネオンの服装も変わった。

 毛皮があるから多少の寒さは大丈夫らしいのだが、さすがに寒かったらしい。

 あの格好は、逃げるときにああにゃっただけで、この地方であの格好は死ぬにゃ!って言っていた。


 で、サーシャの服を貸している。

 ローブとスウェットみたいな上下一式を貸していた。

 靴は履かないらしく、雪が積もっていたら考えるとの事。



「ネオン。お前はやれば出来る子だったんだな。偉いぞ」


 と、そう言いながら頭を撫でてやる。


「当たり前にゃ!パパの娘だからにゃ!」


 と尻尾が立っている。そこはちゃんと猫なのね。

 猫は嬉しい時は尻尾が立つらしい。


 犬の様に尻尾をブンブン振るのかと思っていたけど。



 話を戻そう。


 ネオンの気配察知はすごった。魔物や魔獣の気配を相当遠くからでも感じれるらしく、常に先手をとっていたので、難なく狩ることがてた。


 ボア系の魔獣を、気付かれる前に落とし穴で身動き取れなくして、電気ショックで倒す。


 ネオン曰く、本来であれば自分も弓矢で仕留められるのだが、今は持って無いので索敵だけやってもらっている。


 ついでに、サーシャと模擬戦もやってもらったが、速さはネオン、力はサーシャという感じだ。 

 サーシャも相当速いはずだが、全然追いつかないらしい。


 ただ、ネオンは持久力があまり無いらしいく、最後は捕まっていたが。

 それでも戦力的には十分だらう。

 戦闘で守る必要はなさそうだ。


 何なら、俺を守ってくれ。


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