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俺が神!?どうしてこうなった……くそっ人間どもが!  作者: いかと
商業都市アルスメット
22/85

第22話 近づく距離


 あの寂しい晩御飯から解放された。

 もとい、独り寂しくいつもの宿屋に帰ってきた。


 やっぱり部屋は空いていたらしく、昨日のクエスト報酬の前金で支払う。


 あの後は散々だった。

 サーシャの事を気に入った冒険者たちに、散々文句を言われ、サーシャから見えない所では小突かれた。

 これ以上はマズそうだなと思い、早々に逃げてきたところだ。


 サーシャはまだ、祝勝会に残っているのだろう。

 今日の主役はサーシャだし、あの感じだと、みんなから良くしてもらえるだろう。

  

 ――寂しいけど、サーシャがこの町が気に入ったのなら、ここに残る事も視野にいれ、俺は動かなければならない。


 とはいえ、今日はさすがに疲れた。

 魔法ストックも明日からやればいいし、サーシャがどうするのかも明日聞けばいいだろう。


 ベッドの中に入り、もう居ない俺の友達の事を考える。

 アイツ……禁忌魔法で、ジェネラルに進化したって書いてあったけど、人族の仕業かな?


 ――いや、人族だろうな~。

 そこだけは俺、信頼しているよ。

 と、人族の行いを考えていたら、眠りに落ちていった。




 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 サーシャは、神崎を探して走っていた。


 気が付いたらギルド一階の酒場には居らず、周りの人に聞いたら、さあ?っていうかだれ?みたいな反応をされ、すぐにギルドを飛び出した。


 (冒険者の皆さんの雰囲気がアレでしたので、この状態で神崎さんの下に行くのは良くないなと思い、自重していましたが、……いったいどこに行ったんですか!?)

 

 冒険者の誰かに妬まれ害されているかもしれないし、あの雰囲気に怒ってサーシャを置いて旅立ってしまった可能性もある。


 サーシャは気が気でなかった。

 だからいつもなら、もう寝たかもしれないと考えれるのに、それに気が付くまで一時間ほど町中を走ってしまった。


 それに気が付いて、すぐにいつもの宿屋に向かい、宿屋の主人に確認を取ったところ、

 

「あー、いつもの兄ちゃんなら、もう寝てるんじゃないか?」


 一緒の部屋に泊まるなら鍵を出してくれるというので、一緒の部屋で構いませんと、宿の代金を払う。


 あんた達ケンカでもしたのかい?と軽口を叩かれながら、部屋番号を教えてもらい鍵をもらった。


 


 すぐに部屋に行った。

 

 ギイっと音が鳴るなか、するりと部屋に侵入するサーシャ。


 ベッドの上に神崎が居た。


 神崎を見ると、幸せそうに寝ていた。

 ふう、と彼の顔を見て安心した。

 さっきまで気が気でなっただけに、普通に、目の前にいる事が嬉しく思う。

 

 すると、


「ぐへへ、たわわさーん。そこは……むにゃむにゃ。」


 神崎は幸せそうだった。


「……」


 サーシャは無言でブーツを脱ぎ、ベッドの上に乗り神崎の顔を踏む。


 ただただ無言で踏む。


「がふっ。な、なんだ、敵襲か!……っておい!いきなり何するんだよ!」


「土下座」


「いやまて、俺は何もしていない」


「――私に何も言わず、席を立ちましたよね?私、一時間ほど走って探したのですが」 


「……」


 正座をする主神、神崎徹。


「床」


「はい」


 いつも通り、土下座中の頭に、ブーツを脱いだ足をあげふにっと後頭部を踏んだ。


「ただ今回は、その……私も周りの方々を、抑えれなかったのですみませんでした」


 そういうとサーシャは、頭を足の裏で撫でた。


 

 ……いや、それご褒美じゃねーからな!

 謝っている態度としてもおかしいし!

 

 ただまあ、珍しく凹んでそうだから、今日は踏まれといてやろう。

 今回だけだぞ!


 

 ただ最後に、今日この部屋に泊まることになったので、そのまま床で寝てください。

 と毛布だけ渡された。解せぬ。




 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 

 宿屋の一階の食堂で、朝ご飯を食べながら今後どうするかを話す二人。


「一旦、冒険者ギルドに行って、サーシャの緊急クエスト分の、お金とか貰わなきゃね」


「そうですね。それ以降はどうしますか?」


 ハムエッグをパンにのっけて、ハムハムするサーシャ。


「んだね。当初の予定通り、ドワーフ領に行こうかなと思う。もともとここに居たのも、自分たちの戦力がどれくらいか調べるのが目的だったし」


「そういえば、いろいろ実験しましたね」


 思い出すと痛いよな~。

 ナイフが手の平を貫通してるなんて、そうそう体験できることじゃない。


「一応俺らの戦力ってさ、Cランクぐらいはあるんだよね?ドワーフ領に旅立つ戦力としてはどうなの?」


「問題ないと思いますよ?私も今回の戦いで自信が付きましたし、神崎さんの魔法もジェネラル倒せるレベルなら、問題ないと思います」


「そうか、なら問題ないか。あ、そういやサーシャはこの都市に残るつもりはないの?」


 びくりと肩を震わせ、不安そうな目でこちらを見る。


「あの、……私はここに残った方がいいですか?」


 おずおずと尋ねてくる。


「あー……、いやいやサーシャが残りたいならアレだと思ったんだけど、俺としては付いて来てもらいたい」


 一人旅は寂しいしね。と、肩をすくめる。


「でしたら、私の事は気にしないで下さい!わ、私は、今のところ神崎さんと旅をするのが目的ですので!」

 

 その、世界を見て回ると言いますか……。何といいますか。

 とごにょごにょ言っていた。


「そ、そうか、……じゃあこれからもよろしくね!」


 と俺は手を差し出す。


「はい!」


 とサーシャは握り返した。


 サーシャと知り合って一カ月、やっと仲間になった気がする。





 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 



 朝飯を食べて、ドワーフ領に行くための準備をする。


 ここからドワーフ領のミッドガルまでは、約一カ月の道のりだ。

 道中は山を越え谷を越え、距離的にはそれほど離れてないのだが道のりは険しい。


 ただ神崎にとって、ミッドガルに行くことは、最重要課題であるため行かないという選択肢はない。

 さらに、ここでもたついていると冬になってしまって、行けるに行けない出るに出れないという可能性もあるらしい。


 そのため、今日は出発の準備に当て、明日朝一でドワーフ領に向かう予定だ。

 ただその準備も、予備のテントや防寒具、武器、多めの食料等をを買い込めばOKだ。


 特にサーシャのガントレットは、何個か予備を買っていた。

 今回の戦いで、ベコベコになったらしい。


 昼ごろに準備が終わり、昼食を広場の屋台で頂く事にする。

 朝食はパンだったので、いわゆる串焼きをほおばった。

 広場の岩に二人で腰掛け、のんびりする。


「そういえば昨日はお疲れ様。サーシャのおかげで、村人全員無事だったらしいじゃん」


「いえ……。私は言われた事をこなしただけに過ぎません。むしろ神崎さんの方が褒め称えられるべきです」


「そう?つっても俺、魔法撃ってただけだからなー。」


 しかも、自分の魔力を使っているわけでもないし……。


「神崎さんは、ギルドでジェネラル討伐を報告しないんですか?」


「ん?うーん。討伐証明するのがめんどくさいからな。アイテムボックスで運べばいいんだろうけど、どうやって運んだんだ?って言われるのがめんどい」


「ゴブリンジェネラルの討伐の報奨金と、死体を運べば、100万ギルは出ると思いますが……」


 な、なんだと!?

 俺の借金の五分の一が返せる計算じゃねーか!

 まじか。

 それを知っていれば、面倒くさからずに何とかしたのに……。


「そもそも、ご自身が神って事は内緒なんですか?」


「いやー……別に、絶対秘密ってわけじゃないんだけれど、有名になるってさ危険が増えるし、不自由になることが多いじゃん?デメリットのわりにメリットが少ないからな~」


 有名になったり、権力者になったりすると、人を多く使える・情報が多く手に入る・お金が増える等のメリットがあるわけだけれど、今のところ必要としていないんだよね。


 借金はあるけれど。


 デメリットは、ただ有名というだけで命を狙う馬鹿もいるし、したくない権力争いに巻き込まれるかもしれないし、神として祀られたら身動きできなそうだしな。


「うん出来れば内緒だな。特に人族には内緒」


「それじゃあ、ジェネラルの件はしょうがないですかね」


「そういえば、俺の借金っていくらぐらいだっけ?」

 

「えーっと、杖が500万ギルで、それまでの借金が20万ぐらい?で今回が……540万ギル位ですかね?」


 うん!首が回らなくなったら、寺でも作ってお賽銭で稼ごう!



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