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俺が神!?どうしてこうなった……くそっ人間どもが!  作者: いかと
商業都市アルスメット
21/85

第21話 光ある所に影あり!


 あれから一息ついた俺は、ゴブリンが襲撃しているだろう方向とは違う場所から、アルスメットの町中に入った。


 城門の人は年配の方で、親切丁寧に対応してくれた。

 これが普通だと思うが、舌打ちされないのもさみしい……訳が無い。


 あの野郎。


 とりあえず、どんな状況なのか冒険者ギルドに行って確認しようと思う。


 門番の人が言うには、ニット村から逃げてきた人の情報により、襲撃してきたゴブリン達を現在迎え撃っているらしい。


 無事にサーシャ達が、逃げられたらしく安心した。


 駆け足で冒険者ギルドに向かう。


 心なしか、町中も緊張に捕らわれているが、それほど混乱は見受けられない。

 この世界では割と普通の事なのかもしれないな。


 と考えていたら、冒険者ギルドに着いた。


 冒険者ギルドのドアを開けると、職員の人達がてんやわんやしていた。


「Cランクの大剣さんは、まだ近くに居なかったっけ!?」

「いや、もう何時間も前に出発しちゃいました!それより、火炎のおじー様は?」  

「いや、あの人も、・・・・・・」

「なんたらかんたら!」

「うんたらかんたらだから!」



 お、おう。

 多分、防衛の人数が足らないのかな?

 でも、魔法も撃ちきったし、神の加護もないから近距離戦も出来ないしな。


 まあ時間があれば、魔法のストックを作る事は出来るのだが……。

 今日は疲れたしな。


 とりあえず聞いてみるか。


「すみません。今どういう状況ですか?」


「あ、神崎さん無事だったのですね!聞きましたよ。あなた方のおかげで、迅速に避難が出来たそうじゃないですか」


 と、いつものたわわおねーさんが、感謝を述べてくる。


「まあ、それも仕事の内だと思いますが……サーシャはどこです?」


 内心では褒められた、よっしゃ!

 と思いながら、謙遜しつつ聞いてみる。


「あ、そうでした!サーシャさんは、ホブゴブリン達の襲撃の防衛と、殲滅に協力していただいています!」


 まじか。


 ――ジェネラル倒しといて正解だったな。

 サーシャがケガするのとか見たくないし。



 そのころのサーシャは、アドレナリンドバドバの状態で、一心不乱にホブ達を屠っていた。


「神崎さんにも手伝ってもらいたいのですが、いかかでしょうか?一応緊急クエスト扱いなので、報酬とギルドポイントが多めに出ます」


 緊急クエストって言ってもなあ、もうゴブリンジェネラル倒したし、後は駆除するだけだろうしな……。


「いや、サーシャと違って俺そんなに強くないので。それに、後は残党の処理でしょ?」


 たわわおねーさんは、訝し気に、はあ、と言って曖昧に笑っていた。


「ふむ・・まあ確認がてら、無理はしない程度に行ってきますか」


 と場所を聞いて、緊急クエストの手続きだけしてもらい、冒険者ギルドを後にする。

 残されたたわわおねーさんは、あいつ状況分かってんのか?と思ったとか思わなかったとか。


 

 城門から外に出ると、血の匂いが風に乗って鼻につく。

 あれだけ魔法で倒した時は、感じなかったのに今は強烈に匂ってくる。


 城門の警備兵は、冒険者だという事を伝えるとすぐに通してくれた。

 

 城壁近くは、ホブゴブリンの死体しかなく、今はもう少し行った所が戦場らしい。


 正直、ホブゴブリンが向かってきたら、しっぽを巻いてすぐに逃げる!

 使える物はテレポートだけだからキツイ!


 まあ歩きながら、雷魔法は溜めているんですけどね。

 それでも、本格的な戦闘は避けたい。


 にしても、本当にホブゴブリンしかいないな……。


 体力が多くて、素早いホブゴブリンを追跡に向かわせ、足止めの排除には、ゴブリンの数で当たらせるとか、やっぱりあいつ強かったな。


 流石は、我がライバル。

 心の強敵(とも)よ!

 また来世で、拳を突き合わせようぞ。



 お、居た居た。


 ……?

 ……。


 いや、なんでサーシャだけ戦ってんだよ。

 周りの奴らは、キラキラした目でサーシャを見てるな……。


 少し離れた所に、戦斧を持った、ツルっとした強面の大男が居た。


「クマ!後の指揮は任せる!俺は街に戻って、市長連中に報告と明日以降の予定を決めてくる」

 

「わかりました。この感じなら、今日はもう大丈夫でしょう」


「うむ。お前が帰ったら、ギルドの方も頼んだぞ」


「了解です」


 あれは、納品カウンターのおっちゃんか……。

 クマさんの方がでかいけど、権力的には禿の方が上と。


 そんなことを考えていると、街に向かう戦斧の人が近くを通って行った。

 

 もちろん、睨まれました。

 心の声聞こえてないよね?




 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇





 それから少しして、この周辺に居るホブゴブリンを一掃したサーシャは、息を整えながら周りを見渡す。


「ッ!神崎さん!!」


 と、こっちに気付いたサーシャが、弾丸のように突っ込んでくる。

 

 やめて!

 あなたの一撃だと、僕一瞬で肉塊に変わるから。


「よっ、お疲れさん。ケガはないか?」


「はい!大丈夫です!」


 珍しくテンションが高い。

 ストレス発散でも出来たのかな?


「神崎さんは大丈夫ですか?ケガとかあれば、すぐに神聖魔法かけますよ?」


「いや、特にケガとかないな。疲れたけど……。」


「えっと……。結構、無茶したんですか?」


 いや、と首を振り少し考える。

 別に死にそうになった覚えはない。

 まあ、当たったら死んでいたけども。


 とそんなことを考えていると、


「お、お疲れ様です!俺、レオナルドって言います!お名前聞かせてもらっていいですか?」

「おい!抜け駆けすんなよ!あ、僕Cランク冒険者のシェークスピアって言います」

「いやあ、すげーなねーちゃん!これから祝勝会でもどうだ?」

「おいふざけんギリッシュ!その子と飲むのはおれ達だよ!」

「ああん?」

「やんのかこら?」

「あのバカたちは放っておいて、私らとご飯でも行こうよ。強くてかわいい女の子なら、大歓迎だよ!」

「好きです!結婚してください!」


 喧々囂々(けんけんごうごう)のカオスな状態になった。

 さらに気が付いたら、サーシャの周りの輪から、奴らに追い出されていた。

 サーシャはいきなりの事にアウアウしている。


 おかしいな。俺、サーシャの目の前にいたはずなのだが……。


「うるせーぞ!お前ら!嬢ちゃんが迷惑しているだろうが。とりあえず、ギルドに帰ってからにしろ。一応、ここはまだ戦場だ」


 この場の指揮を任されたクマさんが吠える。

 さすがに、クマさん反抗できる奴は居ないらしく、みんな素直に街に戻って行く。


 俺らも素直に従っていると、サーシャがするりとこちらにやった来て、ジェネラルはどうしたんですか?と小さな声で聞いてきた。

 多分、襲撃の規模で、何が居たのか理解していたのだろう。

 

「一応片付けたよ。だからこの襲撃は、あと残党狩りで終了だね」


「――軽く言ってますけど、アレ、結構危ない奴ですからね?少しは自重してください」


 まあ確かに、一発攻撃を貰ったら、やられるわけだから、無茶をしたともとれる。

 

「はい、ごめんなさい」


 大人だからね、頭は簡単に下げれるのだよ。


「まあでも、無事だったので良いんですけど」


 サーシャがこっちを見ながら、優しい笑みを浮かべた。




 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 また追い出された。

 

 あれ?おかしいな……。

 今日、俺も頑張ったんだけどな。

 

 サーシャと同じ卓に座っていたはずである。

 気が付いたら、端っこの卓の席まで追いやられた。


 俺、神なんだけど、この扱い酷くない?


 あの後、討伐隊の面々は、ギルドのお風呂に入れさせてもらった。

 さすがにあの格好はツライ。

 特にサーシャが血生臭い格好だったし。


 そして現在、冒険者ギルドの一階で、今回の祝勝会が行われている。

 

 一応ギルド的には、ジェネラルが居る可能性と、まだまだ襲撃の可能性があるから、解決宣言は出していない。

 

 というより、二階の奥の部屋では、クマさんや事務長、たわわおねーさん等のギルド内の中核人物達が、今後どうするかを話し合っていた。


 ただ、今日の襲撃撃退に対して、人的被害がほぼ皆無だったのと、突如現れた英雄に対して、冒険者の面々が大興奮し、今回このような場が開催された。


「へー、サーシャちゃんって言うんだね!あの聖女様といっしょか!」

「おい!それは失礼だろうが!」

「にしても、戦っている時はカッコよかったけど、普通にメチャクチャ美人じゃねーか!」

「何歳なの?」

「冒険者ランクはいくつなの?えっ!Eランク?うそでしょ!?」


 などなど、サーシャは大人気だ。


 普通に考えて、護衛をこなした後に、獅子奮迅の働きでホブゴブリンを倒しまくった人間が、人気でないわけが無いのだが、さらに若くて美人となると圧倒的な人気が出た。


 そこに、トコトコと背の小さい、ギルドカウンターの女の子がサーシャに飲み物を持て来て、


「サーシャちゃんは、すごいのです!」


 と、ひたすら絶賛していた。


 そしてその対極に居るのが、そう、神である俺だ。

 ただ一言いわせてくれ、俺頑張ったよね?


 まあ、ただ飯食えるし、いいんだけどね!

 それに、俺がやった事は大した事ではないのだろう。


 上級魔法や、その上の特級魔法なんかを使っているわけじゃないし、テレポートを使っているとはいえ、一人で倒せるぐらいのものだから、Cランクぐらいのパーティーなら同じ様な事が出来るのだろう。


 多分、美人なサーシャだから、ここまで大人気になったのだろう。

 あれが俺だったら、ふーん、で終わった事なんでしょ?


 おじさんは知ってるんだから!


 そのまま独り寂しく、ご飯をつつく男が居たとか居なかったとか……。

 

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