第13話 プライスレス
「いっっ、てぇぇぇぇぇ!!!!」
いった!マジで痛い!
何故なら俺の手の平にナイフが生えている。
うわ、痛すぎて気持ち悪くなってきた……。
「大袈裟です。それぐらいじゃ死にたくても死ねませんよ?」
いえ、私、別に死にたくないんですが……。
そう言いながらサーシャは、俺の手のひらから生えているナイフを勢いよく抜く。
ツッ!もっと優しくしてくよ!
血がボタボタ垂れるなか、サーシャはぶつぶつと呪文を唱える。
そして手をかざし、
【神聖魔術ヒール!】
じんわりとした暖かさと痒さがあるなか、みるみると傷がふさがっていく。
ものの10秒ぐらいで傷がふさがった。
グーパーと動かしてみると違和感もない。
傷が完治した。マジか!
「……初めて回復してもらったけど、凄まじいな」
そんなにない胸を反らしながら、ドヤるサーシャを横目に今の結果を振り返る。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ラノベとかのアイテムボックスだと、触れた瞬間に回収出来て、ボックス内は時間が止まっているのが一般的だ。
なら、常に体全体を収納状態にしておけば、相手の攻撃である弓矢や剣での攻撃など、すべて無効化できるのでは?と思っていた。
武器が体に当たった瞬間にアイテムボックスの中に入ってしまえば、武器による攻撃は無効ということだ。
で俺のアイテムボックスはどうかというと、ボックス内の時間は止まっていた。
スープは熱々のまんまだった。
これは、ぶっちゃけどっちでもいい。
まあ止まってる方が便利だなぐらいで。
とりあえず、自分のショートソードをクルクル投げて、刃が自分の手に当たる形で収納、収納、収納って思いながらやったら、これは収納できた。
傷も出来ずに大成功だ。
次に、サーシャが持っているメイスを収納しようとしたら出来なかった。
持っているからダメなのかな?と思って、上着もやってみたけどダメだった。
じゃあ持ってなかったらどうだ?と思ってやってみた。
置いたメイスは収納出来た。
まあいつも出来ているから当たり前なんだけど。
持ってないこと……というより、装備していないことが条件かな?
という結論に至ったので、サーシャのナイフを手の平に投げさせてみた。
結果上記の通り刺さりました。何故だ?
「う~む。何が要因なんだろうな?」
「何ですかね?」
二人して首を傾げる。
あ、そういえば。
とサーシャが思い立ったようにメイスを渡してくる。
「重いのでボックスに仕舞っといて下さい」
「あ、ああ了解」
メイスの先っちょをこちらに向けられ、仕方なく、何度もゴブリンの頭をかち割ったメイスの先っちょを触りながら、アイテムボックスの中に仕舞う。
「……意思ですかね?」
「うん?何が?」
額に手を添えながらハァとため息をつき、あんたばか?という顔でこっちを見る。
「今私は、メイスを仕舞ってもらいましたよね?」
「そ、そう、だな」
「……私は持ち手をもって神崎さんに渡しました。何なら握ったまんまでした」
「!?……なるほど。だから意思か」
なるほど……相手に渡す意思があれば収納可能という事か、という事は、武器を投げて渡された場合はアイテムボックスが発動するということか。
「……うーむ、実戦じゃキツイな」
「そうですね、この武器をあげます!って思いながら切りかかる人はいないでしょうしね」
辛いな。
この世界物騒だから、自衛手段があれば有るほどいいんだけど、今のところあまりよろしくない。
アイテムボックスの前にテレポートも検証したが、テレポートも芳しくなかった。
基本的に自分が移動する能力らしく、武器だけのテレポートも不可能だった。
もちろんサーシャだけを飛ばす事も出来なかった。
ならば、持ったまま移動した瞬間には刺さっている殺法はどうだ?
と思ったが、木や石、地面などに向かってやったみたが、イメージ的には弾かれている感じだった。
つまりテレポート行いたい座標に何か物があった場合。
その物を避けるように、すぐ近くに座標が変更されるらしい。
まあ安全性が高いことはいいことだ。
壁とかの中にテレポートして、体の方が潰される等の可能性もあったわけだし。
リスクがなくテレポートできるのは、逃げる能力としては最強であろう。
「後は何かあるかな?」
「意思という、物と関係ないものまで感知できるとは、アイテムボックスある意味すごいですね」
何という嫌味。
まあでもそれもそうだ。
アイテムボックスなのに物が関係ないって……。
それにしても意思か。
「魔法はどうなんだ?」
「魔法ですか?」
「ああ、この魔法をあげますって思いながら魔法をかけたら収納できるんじゃないか?」
「……一理ありますね。やってみますか?」
無言でうなずいた俺に、近づいて来て手をかざすサーシャ。
【神聖魔術、神の加護!】
……神に神の加護ってどうなん?
と考えていたら、ふっと頭の中のアイテムボックス内にピコンと新しいアイテムがストックされた。
「……出来たっぽいな」
「ほんとですか?」
目を見開いて驚いている。
そりゃあ驚くよね。
俺も出来るとは思っていなかった。
「ああ、とりあえず使ってみ……取り出してみるか。」
というわけで、神の加護を持ってみる。
……なんというか、感覚的なアレだけど、右手に排出と念じて留めるイメージをしてみたけど、発動しようとしている力みたいのを感じる。使ってみるか。
ポイっと自分に発動と思いながらかけてみる。
すると全身が一瞬きらきらと光る。
すぐに神の目を自分に発動する。
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名前 神崎徹
種族 人族
役割 なし
職種 商人
位階 10
筋力 100×3
体力 100×3
精神 100×3
知力 100×3
魔力 100×3
器用 100×3
幸運 100
特技 剣術2 交渉3 算術5 言語5
特殊スキル 神の権能(役割変更能力・アイテムボックス・テレポート・神の目)
この世界、アルカディアの主神である神崎徹が、アバーターであった器を依り代に現界した状態。
アバターと本人のステータスの差はあまりなく統合は簡単にいった。
現在は、サーシャ・クラニットと共に旅をしている。神聖魔術・神の加護発動中
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え?三倍もステータス上がるの?強すぎじゃね?
「神の加護って、ステータス三倍も上がるの?」
「いえ、ある程度バラつきはありますが1.3倍から1.8倍の間ぐらいですかね」
術者である私で1.8倍です。との事。
「自分の事鑑定したら、ステータス3倍だったんだけど……」
「それは……神だから?」
「いや、俺がなぜと聞いているんだけど。まあ、魔法が収納できるのは僥倖だな。これで戦いの幅がぐっと増えるし」
そうですね。とサーシャがにこやかに頷いていた。
おお、俺の事で喜んでくれとる!
普段はあれだけど、やっぱりこの子はええ子なんや!
「お金をとれる方法がまた一つ増えました」
俺の感動を返せ。ちくしょう!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
あの後、魔法をボックス内に溜めたいので下さい。とお願いしたら。
土下座一回につき一個かけてあげますよ?
と、言われたので速攻でしてやった。
ふっ、大人をからかったって意味がないことを教えてやる!
だって命の方が大事だ……・。
ただ、手をかざして魔法をかけるのではなく、土下座中の頭に、ブーツを脱いだ足をふにっと乗せ【神の加護!】ってな感じでかけていた。
もう一度言うね。
土下座中の頭に、ブーツを脱いだ足をふにっと乗せ【神の加護!】ってな感じでかけていた!解せぬ。
「……足の裏でも魔法ってかけられたんだな」
「ええ、私も今知りました」
おい!ならかけられない可能性も、十分にあったって事じゃねーか。
なんかだんだん、躾されてる気分になってきたよ。
まあ、女子高生のひもの時点で俺の尊厳など最初からないんだけどね。
ついでに、この世界の魔法の仕組みについても教えてもらった。
ステータス上の魔力っていうのが、魔法を使うためのエネルギー残量。
使ったら減っていくけど休めば回復するそうだ。
んで、特技の欄に記載される神聖魔術5とか風魔法2とか水魔法2とかは、魔力を使ってその系統の魔法がどれくらいうまく使えるか?っていうものらしい。
つまり魔法を使うためには、その系統の特技を取得していないと使えない。
生まれたときからその特技を持っているか、魔法士に師事をして覚えるかしないと、使えないとのこと。
そして、特技のレベル差は何かというと。
まずエネルギーである魔力をその系統の力に変換する時に、その変換効率が変わったくるのと。
どれくらいの魔力量を、変換できるのか、という扱える魔力量の差が出てくる。
具体的には、特技レベルが火魔法2の時に、10の魔力を使った魔法を使うと初級魔法という括りになっている。
んで、火魔法7の人が10の魔力を消費して魔法を使った場合。
火魔法2の人より変換効率がいいため、威力が大幅に上がるらしい。
中級という括りには届かないが、初級とは言えないレベルらしい。
そして、火魔法2の人は魔力がどんなに多かろうと、60ぐらいしか込めることができず、そこまで込めたとしても中級には届かない魔法しかできない。
一方火魔法7の人は260の魔力を込める事が出来る。
変換効率も違うため、二人の放つ最強の魔法は、天と地の差が出るほど威力が変わってくるらしい。
もちろんそれは目安で個人差はある程度ある。
で面白いのが、魔法の技はないとの事。
メ〇とかメ〇ゾーマとかそういったシステム的なものはなく、自分でその都度作っていくらしい。
同じ特技レベルで、同じ魔力量を込めた魔法であっても、出来上がる魔法は変わってくるのである。
小さく圧縮してぶつかった瞬間に爆発したり、最初から大きく火炎放射みたいに使ったりと自由度が高い。
ただ、集団の中で扱うのにはバラバラすぎると困るから、その集団ごとでこういった魔法を使いなさいと、決めていることは多いらしい。
ある王国の魔法騎士団では、中級の火魔法はこういった効果の在るものにして、名前はこうですよみたいな。
一般的に初級魔法は、特技レベル1から2の人が、10の魔力を使った威力のものが初級とされ、実戦ではあまり役に立たない。
中級魔法は特技レベル3で50の魔力を使った威力が必要であり、中級で初めて一撃で人やゴブリンなどを殺せるクラスの魔法になるらしい。
上級になると特技レベル5で100ほど魔力を込めたものと定義されている。
さらにその上、特級魔法とか特上魔法とか言われているのが、特技レベル7で200ほど込めた魔法が定義されているのだが、このクラスの魔法使いは、人族ではほとんど居ない。
各国に数人いるかどうか。魔法の得意なエルフとかだとそこそこ居るらしいが。
そんなわけで考えると、サーシャは神聖魔術の特技レベルは結構高い。
後の二つは初級という括りになるだろう。
しかし、魔力量が多いのと聖女時代のプラスが関係しているのか、風魔法と水魔法中級クラスまでいけるらしい。
まあ、特技レベルといっても個人差はある程度あるらしく、絶対ではないっぽい。
まあ、魔法関係の特技が一個もない俺には関係ない話なんだけどね。
というわけで今日の検証終わり!
おじさんは疲れたよ。手に穴が開いたり、頭踏まれたり。
まあと言っても収穫は結構あった気がする、魔法を収納できるのと、アイテムボックスは相手の意思が関係しているなんて検証しないとわからなかっただろうし。
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本日、神崎徹の収穫出来たもの
中古の皮の鎧一色
ショートソード
神聖魔術上級「神の加護」×3使用したものは除く
水魔法初級×5
風魔法初級×5
借金14万ギル
借金の内訳ショートソード7万・皮の鎧5万・魔法2発2万
土下座時に頭を踏まれるご褒美×13プライスレス
すいません!ここでいわゆる説明回はやっと終わります。今までたらたらと説明ばっかしていてすみませんでした。
ここからは少しずつ主人公のチートがチートらしくなる予定です。他の人たちも出していきたいです!
話は変わるのですが、リアルっていうか仕事が忙しくなりそうなので、文の量が減ったり、毎日更新していましたが隔日になったりするかもしれません。




