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俺が神!?どうしてこうなった……くそっ人間どもが!  作者: いかと
商業都市アルスメット
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第11話 部屋は別々です

 

 商業都市アルスメット。

 ここは商業都市国家群の中でも少し外れた場所にある。


 商業都市にとって一番大切なのは運搬路である。

 

 一番大きいと言われる商業都市ターザンは、帝国領から続いてくる街道とウラヌス教の総本山がある都市ロムルスから伸びる街道、そして魔王領に国境を接するメギト王国から伸びる街道の中心あたりに出来た商業都市で、今では国と言ってもいいぐらいの力を持つまでになった。


 商業都市アルスメットは、運搬路は少ないが、ターザンに向かう街道があるのと、人族領でドワーフ達と唯一交易を行なっている都市である。

 もちろん人族がドワーフ領に入り個人で商売をする分には何も問題ないのだが、都市として行っているのはここだけである。

 月に一回、ドワーフの担当者がここに集まり、武器防具、鉱石等を都市の商業ギルドに卸していくのである。


 つまり、人族領でドワーフ領に一番近い都市である。


 そして、商業都市のいい所は教会の手があまりかかってないことだ。

 商人たちは、寄付をするぐらいなら、そのお金に働いてもらって利益を増やす人種である。


 その為、教会と絡みたくない俺たちにとって、拠点とするのは都合がいい。


 結局、都市ロムルスから二週間と少しかけ、やっとアルスメットに到着した。

 持病の痔が悪化したよ。


 とりあえず今日は、もう夕方なので宿屋に泊まり、明日から活動することにする。


 ラノベだと、宿屋の部屋がいっぱいで一部屋しかないとか、相手の女の子がお金がもったいないから一部屋で!

 みたいな話があるじゃないですか?

 僕のところはないそうです。

 一人部屋二つとりました。


 いったん部屋に荷物を置いて、桶にお湯を貰いタオルで体をふく、さっぱりしたところでサーシャと食堂に行きご飯を注文する。


「そういえば、どうやって私の事助けたのですか?」


 ハムハムとおししそうにサンドイッチを食しているサーシャが聞いてくる。


「うん?詳しくって事かな?」


「はい、私は気が付いたら孤児院のベッドに居たので……」




 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇





 あの時は時間も、検証も足りなかったからすごい疲れた気がする。

 せめて時間があればもっと他のやりようがあった。


 今なら、テレポートと神の目でゴージャスの秘密を握って脅したり、サーシャの部屋に忍び込んで聖女の称号を解除してそのままとんずらとか……。

 色々考えられるな。


 


「とりあえず作戦はこうです」


 今からできることは限られている。

 でもその中で最高の結果を持ってきたい。


 とはいっても優先順位が崩れては意味がない。


 まず第一はサーシャさんが死なない事。

 第二に助かった後の生活が普通に送れる事。


「とりあえずさっきのテレポートで、僕が触っている人も一緒にテレポートされることがわかりました。これを使えば、火口に落とされたとしても、溶岩がある場所までの高さによっては救出が可能です」


 火口から溶岩が溢れているようなところだったら、他の作戦を考えなければならないが。


 少し不安なのは、どこまでの距離が視覚によるテレポートの可能距離かという事だ。

 純粋にテレポートするだけなら、ここから孤児院まで結構な距離があるが問題なかった。


 そうではなくて、行った事はないけど、でもテレポートできる場所というのがある。

 これはさっき牢屋から外に出るときに、遠くに見える山脈の麓あたりにテレポートしようとしたが、出来なかった。

 しかし、牢屋が三階ほどの高さにあるのだが、少し離れた林の近くにテレポートは出来た。


 その林には行ったことはない。

 方角からも脱走した時の地下道は反対側だ。

 これはつまり、視覚情報の制限によるものなのか、俺の場所を中心として半径何メートルかの距離制限があるのか、それとも認識やイメージが制限なのかわからないが、ある程度の距離は行ったことがなくてもテレポート可能という事だ。


 ……つまり隠れている場所から、サーシャさんが落ちてくる場所までテレポートできない場合、めんどくさいことになるという事だ。

 ただまあそれは行って見てからじゃないとわからんか。


「ですので、サーシャさんが火口に飛んだ瞬間に、ミネルヴァさんが大きな音や光などで衆人環視の目を逸らし、その隙にテレポートで助け、さらにサーシャさんの服を着せた人形を代わりに落としてあげれば、遠目からはわからないと思います。そしてすぐに、聖女の称号を外してしまえば聖女の反応が消え死んだことなると思いますが」


 どう思いますか?とミネルヴァさんに聞いてみる。


「単純な仕掛けだけど、それしかないですねか。火口にある橋から飛ぶのですが、下の溶岩までは、結構な高さがあるので行けると思います。……でも一つ聞いていいですか?正面からではいけないのですか?」


 一応神様なんですよね?と言われてしまった。


「単純な戦闘力は僕にはありません。あるのはテレポートと鑑定とアイテムボックスだけで戦闘は無理ですね。一般人と同レベルです。そして皆さんが思う神とは違うので信じてもらえなく、下手すると殺されるだけですね」


「なるほど。すいません無理言って」


「いえ。ではとりあえずミネルヴァさんには、サーシャさんが火口に飛ぶときに、着ているだろう服かそれに準ずる服の入手をしましょう」


 もちろん、テレポートを使ってばれないように行きます。


 



 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇



  

 

「んでサーシャ人形作って準備ができたのが、正午まで後2時間ってところだっけな?」


「そのころ私は、もう山頂に向かって神殿を出ていましたね」


 食後のお茶を飲みながら、お腹がいっぱいなのか満足げに呟く。


「俺たちはそこからテレポートを使って山頂目指したね。つっても、15分ぐらいで着いちゃったから、隠れる場所をすぐに決めて、何度か助ける練習してたよ」


 食後のデザート食べたいなーとちらちらこっちを見てやがる。

 こっち見んな!


「私はフード深く被っていたので足元が見えずらく時間がかかちゃいましたね。」


 サーシャはすいませ-んとデザートを頼んでいる。


 こいつ強いな。

 

「んでまあ、注意を引く算段もにミネルヴァさんの魔法で可能だったし」


「なんかそんな魔法ありましたっけ?」


 首をかしげながら聞いてくる。

 可愛いじゃねーかこの野郎。


「雷の魔法な。あの人もたいがい優秀だよね。時間をかけて溜めれば大きな音が出ます!って言ってたからお願いしたけど。なんか放って着弾した場所は抉れれるぐらいの威力あったらしいし」


「そうですね。昔冒険者をやっていてBクラス魔導士として登録されていたそうですよ」


 まじか、上から二番目じゃないか。

 

「その後ミネルヴァさんはすぐに逃げて、俺はサーシャの聖女の役割解除してから、所定の場所で落ち合って、テレポートですぐ逃げたよ」


 あの日の全容はこんな感じだったな。

 そう言いながら明日に備えてそろそろ寝るかと、席を立ち二人で二階の別々にある自分たちの、自分たちの部屋に分かれて寝た。


 ちなみに俺にはデザートはなかった。

 それだけはここに記しておく。


 



 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇





 (次こそうまくやらねばな……。その為には、次の聖女を本気で洗脳して”私”を召喚させなければならない。

 あの召喚魔法は、聖女が神と触れ”神の力”を、召喚した人にギフトとして与えるものだ。

 もちろん理論的には、神を現界させることも可能だ。

 しかしあの召喚の儀式は、本来の目的である神を呼ぶことではなく、副次的なものの方が俺にとって大切なのだ。

 神の力の一端を手に入れ、あの神器を使い、邪神を取り込むことにより、主神を神の座から引きずり落とすことができるのだ……。

 今回の聖女は優秀であった。

 それこそ歴代でも上から数えるレベルで英雄にでもなれるような潜在的な能力があった。しかし、それは言い換えれば、神から得たエネルギーを自分のために使っているという事だ。

 それでは意味がない、神のエネルギーを損なわないように俺に渡せるやつでないと意味がないのだ。)


「そして時間は有限だ。失敗が分かったやつなどのために、時間を割くことなどできん」


 コンコンとドアをノックされる。「入れ」とゴージャスは振り返ることもなくそう言った。


「失礼します」


「どうした?」


 そこに居たのは異端審問官暗部、ベオマーダ隊長のルストであった。


「は、報告が。3週間ほど例の男、神崎をを監視しておりましたが、ほとんど外に出た形跡がありませんでした。最初の1週間は図書館に行ったりなど動きがあったのですが、パタリと止んでいたため、先日夜中に孤児院に侵入して探しましたが神崎を発見できず。次の日に孤児院の子ども達にそれとなく聞いたところ、聖女を刑に処した二日後にはもう居なったそうです。どう思われますか?」


「……お前たちの能力よくわかっている。素人に撒かれたり、仕事中に失敗することなどない。にもかかわらず、お前らの網を掻い潜った可能性があるのか」


「どうしますか?追跡いたしますか?」


「ふむ。お前の鑑定を覆がえしていたかもしれないのか……いやいい放っておけ。下手に手を出してトラの尾を踏む必要もない。仮に神からのギフトを手に入れてた場合、いずれわかるだろう。それより、お前はあれを急がせろ。こちらの聖女の件はあいつに引き継がせる」


「了解しました」


 ルストは舌なめずりをしながら退出する。


「神崎……お前は何者だ?ただのジャポネ出身者ではないのか?クッ、……まあいい、その時になればわかるか」


 今日もゴージャスはゴージャスな酒を一人で飲むのであった。


これで、聖女審判事件の振り返りは以上です。

一応これからは、神崎メインの感じになるのかな?まだ少し検証の話がある予定なので話の進み方が遅く感じるかもしれません。



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