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東方幻人録  作者: ポカ猫
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第29話 レミリアの優しさ

遅くなってすみません!


これから投稿ペース上げるんで許してください!


では、本編をどうぞ!

「レミリアさん、ただいま戻りました」

「義人、久しぶりだな」


 レミリアさんの部屋に入ると、レミリアさんと咲夜さんが真剣な表情で俺を迎え入れた。


「話ってのはあれだ、お前この館から出ていけ。クビだ」

「えっ!?」


 なんだ……? なんでこんな事になってるんだ……?


「勘違いしているようだから一応言っておく、私はお前の働きぶりでクビにするわけじゃない」


「じゃあ…… なんでですか……?」


 すると、レミリアさんが少し微笑み、俺の肩を軽く叩いた。


「もう里の事の件が片付いただろ?なら、お前には帰らないといけない場所があるんじゃないのか?本当だったらここに住まわせておきたいんだが、お前はここに居るには相応しくない…… だからクビなんだ」


 レミリアさんの言葉を聞いて俺は涙が出そうになった……

 俺の事を思ってクビにしてくれたんだ……


「レミリアさん、ありがとうございます……」


「おいおい…… クビになったやつがお礼なんかするなよ。もうお前の荷物はとっくにまとめてある。咲夜、門まで送ってってやれ」

「分かりました」


 俺は咲夜さんから渡された荷物を持って門まで歩いて行った。


「咲夜さ……」

「また来てくれますか?」


 俺が咲夜さんの名前を呼ぼうとした時、咲夜さんが俺にそんな事を言ってきた。


「私は義人さんに出て行って欲しくありません…… でも、義人さんには帰らなきゃ行けない場所があります。引き止めるわけにはいきません。だから、時々でいいので顔を見せに来てもらってもいいですか?」


 大粒の涙を流しながら、咲夜さんが俺の袖を掴んだ。

 俺は咄嗟に咲夜さんの頭を優しく撫でる。


「これが一生の別れになるなんて事は絶対にありませんよ。後、絶対にここ以外でも俺とは会えます。勿論ここにはまた来ますよ、ていうかすぐに来るかもしれません。だって色々とやり残した事がありますし」


 俺がそう言うと、咲夜さんは安心したのか、袖を離してニコリと笑ってから俺を門の外まで送ってくれた。


「そういえば、フランさんは?」


「妹様なら今、不貞腐れて部屋で泣いています。妹様の為にもまたすぐに来てくださいね」


「分かりました。それではお世話になりました!」


 咲夜さん美鈴さん、それと紅魔館に向かって深くお辞儀をして礼を言う。ふと、窓を見るとレミリアさんがカーテンをめくって俺の事を見ていた。それに対してもう一度お辞儀をして、俺は白玉楼に向かった。




 久しぶりに見る白玉楼は、やはり何も変わっていなく優しい雰囲気に包まれていた。


「ただいま戻りました!」

「義人さん!?」


 玄関に入ると、妖夢さんが俺の声に気づいて駆け寄ってきた。


「妖夢さん、ただいまです」

「おかえりなさい義人さん!と言いたいところですが…… 私は怒ってます!」


 それから俺は、玄関で妖夢さんに果し合いでの事を色々言われていた。


「なんで私達を頼ってくれなかったんですか!!」


 そう言われた直後、玄関の扉がゆっくりと開いた。


「やっぱり追ってきて正解だったな」


 声が聞こえた方を振り返ると、そこにはレミリアさんが立っていた。


「レミリアさん!?」


「いやな、部下が次に暮らす場所まで面倒見るのが上司の役目だと思ってな」


 そう言ってレミリアさんは、妖夢さんの前に立った。


「妖夢とやら、義人がやった事が気に入らないのは分かる。それに対して文句を言いたくなる気持ちも十分に分かる」


「じゃあなんで……!」


「でもよく考えてみろ、義人が何故あんな事をしたのかをな。私達に危害が加わらないようにとしたんだよ。当然の事だが、人里にいる人間程度に私達が危害を喰らう事なんてまずないだろう。でも、それでも義人は私達を守ろうとしたんだ…… なら、言う事は叱る言葉じゃなくて、()()()()()じゃないのか?」


 レミリアさんが妖夢にそう話しているうちに、だんだん妖夢さんの目から涙が流れ始めた。


「はい…… すみません……」


 すると、レミリアさんが妖夢さんの頭をポンポンと優しく叩いた。


「分かればいいんだ、人間というのは感謝の言葉が大事らしいからな、それとたまにだが義人借りるぞ?フランがぐずって仕方ないんだ」


 そして、レミリアは今度は俺の方を見て笑顔を向けてくれた。


「これで上司の役目は終わりだ。楽しく暮らせよ?」

「はい…… ありがとうございました……!」


 今度は耐えられなくて、俺は涙を流していた。


「泣くな…… お前も言ってただろ?これが一生の別れになるなんて事はない。いつでも会えるさ」


 じゃあなと言ってレミリアさんは日傘をさして帰っていった。




 それから妖夢さんに改めて謝り、妖夢さんにお礼を言われ、そしてなんだか照れくさくなったので、居間でお茶を飲むことにした。

 すると、俺達が居間に入ったのと同じタイミングで幽々子さんが居間に入ってきた。

 幽々子さんは俺を見るやいなやとんでもない早さで俺に抱きついてきた。


「義人!無事だったのね、心配したのよ?」

「幽々子さん…… ただいま戻りました」

「おかえり〜、もうどこにも行っちゃダメよ?」


 それはちょっと無理な相談な気がする……


「ちょっと幽々子様!?それは流石に義人さんでも無理ですよ!」

「もうダメ、離さない〜」

「駄々こねないでください!」


 そんな会話を聞いていた時、俺の目の前に見た事のある大穴が現れた。


「また面白そうな事をやってるわね」


 その大穴から出てきたのは……


「紫さん!?」

「義人久しぶりね、随分と無茶をしたみたいね」


 紫さんが出てきたのだ、という事は幽々子さんは紫を起こせたんだな……


「面白い事を思いついたから今から準備するわよ!」


 なんだか紫さんの目がキラキラと輝いていた……

 一体何をするつもりなんだろう……

最後まで読んでくださりありがとうございました。


次回更新は今週中には上げたいです!

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