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東方幻人録  作者: ポカ猫
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第12話 狂気への誘い

お待たせしました!

新編突入です!


では、本編をどうぞ!

 ミスティアさんの屋台で飲んだ日から数日が経った。

 俺は、この前のお礼としてアリスさんにお茶菓子を届けるため、迷いの森に来ていた。


「さて、この人形に魔力を込めてっと……」


 人形に魔力を込めると、小さなアリスさんが宙に浮き、俺を案内するかのように俺の前を飛んでいった。

 しばらく歩きづつけると、この前見たアリスさんの家が見えた。


「アリスさん~、いらっしゃいますか?」


 扉をノックし、アリスさんが出てくるのを待っていると、扉からアリスさんが作った人形が出迎えてくれた。


「いらっしゃい、本当に来たのね」

「ええ、お世話になりましたから」


 そう言って俺は、お茶菓子をアリスさんに渡した。


「今紅茶を入れるわ、少し待ってて」


 アリスさんが人形に紅茶を入れてくるように命令した。紅茶が来るまでの間、アリスさんに例の件について聞いてみることにした。


「アリスさん、少しお願いがあるのですが……」

「ん?どうしたの?いつも以上にかしこまっちゃって、エッチなのは駄目よ?」


 アリスさんが少し顔を赤くして、恥じらうように俺の顔を見た。


「いや、そういうのではなくて、人形を操る技術を教えてほしいと思いまして」

「なんだそんなこと?別にいいわよ、じゃあ今度博麗神社にでも来なさいな。あそこの方が広いしやりやすいわ」


 ちょうどその時、人形が紅茶を持って来てくれた。


「あ、ありがとうございます」


 その後は二人で紅茶を飲みつつ、人形を操るための基礎のようなものを教えてもらった。


「今日は本当にありがとうございました。お礼をしに来たのに、こちらがまたお世話になる形になってしまって」

「いいのよ、私はいつも暇してるから、たまにこういうことがある方が退屈しなくていいわ」


 そう言ってアリスさんはまた俺のことを魔法の森の入り口まで送ってくれた。


「また送ってもらってありがとうございました。では、また」

「うん、気を付けて帰るのよ?またね」



 アリスさんと別れて人里を抜けて帰ろうとしていると、ちょうど俺が会いたかった人物が俺に飛びついてきた。


「義人さん!!会いたかったです!」

「文さん!俺も会いたかったです」


 すると文さんは顔を真っ赤にして、これは告白される!?と嬉しがっていた。


「期待しているところ申し訳ないんですが、今日はちょっと文さんに聞きたいことがありまして」

「なんですか?なんでも答えますよ!!」


 道端で話すのもあれなので、この前の団子屋に入った。


「で、話っていうのはですね…… 少し変な話かもしれないんですけど、俺の親父のことを知っていたりします?」

 すると文さんはびくっと体を震わせて俺の方を見た。

 これは何か知っている顔だな。


「教えてもらえませんか?」

「残念ですが、これに関してはどうしても教えることはできません。本当にごめんなさい……」


 文さんが俺に深々と頭を下げた。目には涙を溜めていた。


「本当は今すぐにでも教えてあげたいのですが…… 紫さんに止められていまして……」

「いや、いいんです。そういう理由なら仕方ないです。ありがとうございました。」


 そう言って俺は文さんの頭を優しく撫でた。


「ん…… あ、ありがとうございます……」

「いや、俺の方こそ仕事の途中で引き留めてしまって済みませんでした」


 では、私は仕事に戻りますねと言って文さんが席を立った。


「あの、今こんなこと言うべきではないかもしれませんが…… 義人さん、私は義人さんのことを愛しています。だから、これは私の独り言だと思って聞いてください。義人さんが生きているうちに義人さんのお父様にはいつか必ず会えますよ」


 そう言って文さんは飛び立っていった。




「いつか必ず会える……か、とても大きい独り言でしたね文さん…… ありがとうございました」


 俺は団子屋を出て、白玉楼への帰り道を歩いていた。



 お前は力を望むか……?



「誰だ!?」



 もう一度問おう、お前は力を望むか……?



「力を……望む?」

 そんなことを言われて、俺は少し考え込んでしまった。



 お前のその隙、いただいた!!



「うっ……!なんだこれは!」


 いきなり黒い霧のような物が俺の周りに漂い始め、そしてそのまま俺の体の中に入ってきた。


「………………」


 義人の瞳が赤く光り、その後ニヤリと笑った。そして、空を飛び永遠亭の方面へと飛んでいった。



 その時永遠亭では……


「鈴仙、里に薬を売ってきてくれる?」

「はい、お師匠様!行ってきます!」


 鈴仙が永琳に薬の販売を頼まれ、竹林を進んで歩いていた。

 すると鈴仙の目の前に不気味な笑みを浮かべた義人が現れた。


「あ!あなたは義人さんですね、この前は本当に申し訳ありませんでした!」

「お前は力を望むか……?」

「えっ?」

「望むならこの瞳を見ろ!」


 義人が赤い瞳で鈴仙を見つめ、鈴仙はその瞳をしっかりとみてしまった。


「うっ……!」


 鈴仙はその場に倒れ、義人が鈴仙を抱きかかえ、また別の場所へ飛んでいった。



 紅魔館はあの異変以来、フランドールが幽閉から解放されたことにより、今までより明るい雰囲気に包まれていた。


「レミリア様、紅茶です」

「あぁ、咲夜ありがとう。で、そこにいる姿を消している奴は誰だ?」


 レミリアが咲夜から紅茶を受け取り、何もない空間を睨み付けた。

 すると、何もない空間から義人が不気味な笑みを浮かべて現れる。


「何の用だ、フェイカー。用があるならそんな姑息な方法を使わないで、門から正々堂々入ってくればよかっただろう。」


 レミリアは義人の様子がおかしいことに気づいていた。


「お前らは力を望むか……?」


 義人がレミリアと咲夜、二人の目を見てそう言い放った。

 すると、二人の目が虚ろになり、そのまま気を失ってしまった。


「これであと一人だ……」


 そのまま、二人を抱きかかえ紅魔館の窓をぶち破り、博麗神社へと飛んでいった。



「あら、義人。私は面倒事は起こさないでって言ったはずなんだけど…… 分からなかったみたいね」


 霊夢がお祓い棒を構え、義人と対峙していた。

 義人の横には気を失っている、レミリア、咲夜、鈴仙が倒れていた。


「そっちから来ないなら、私から行くわよ!」


 霊夢が義人に突っ込んでいこうとしたその時……


「ぐっ……!」


 義人が目にも見えないスピードで霊夢の首をつかみ、そのまま持ち上げた。


「は、離しなさい……!」

「お前は力を望むか……?誰にも負けない力を……」


 義人が霊夢の目を見て、先ほどの三人に言ったものとは少し違う呪文のようなものを唱えた。


「……………」


 すると、霊夢は抵抗する声も出さずそのまま気を失った。



「フフッ…… これで準備は整った。準備はいいなお前たち」


 その問いに対して一番に反応したのは咲夜だった。


「はい、義人様…… 私たち四人全員準備は整っております」


 四人の目からはいつもの輝きが消え、黒い光を放っていた。


「さぁ、自らの欲望にそって暴れよう……」



「浸食系の妖怪…… 心が完全に乗っ取られてますね。どうします?」


 映姫が義人の様子を浄瑠璃の鏡で眺めながら、隣で突っ立ている男に話かけた。


「映姫様、()()の準備をお願いできますか?今回はもしかすると俺が行かなければならないかもしれませんから」

「分かりました、少し待ってなさい。準備をしてきます」


 そう言って映姫と男はそれぞれの準備を進めた。


最後まで読んでいただきありがとうございました!

次回更新は日曜日か土曜日になると思います


それよりみたらし団子って美味しいですよね

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