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東方幻人録  作者: ポカ猫
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第11話 閻魔様と雀

お待たせしました!

今回は伏線多すぎた感じがあります


では、本編をどうぞ!

 寺子屋での授業が終わり、昼食にしようと里を歩いていると、里の人々が一目散に逃げていくのが見えた。


「そんなに慌ててどうしたんですか?」

「閻魔さまのお説教が怖いからみんな逃げてるんだよ、お前もとばっちりを喰らいたくないなら離れたほうがいいぞ!」


 そう言って俺に事情を伝えてくれた人はすぐさま走って逃げてしまった。

 人々が逃げている方に向かって歩いていると、そこには身長の小さい緑髪の女の子が、棒のような物を持って里の人々にお説教をしていた。


「ん?あなた、見ない顔ですね」


 俺に気付いたのか俺の顔を見るや、俺の方へ歩いてきた。


「こんにちは、俺は市井義人といいます。最近幻想入りして来ました。」

「市井……?そうですか、私は四季映姫(しきえいき)・ヤマザナドゥです。ヤマザナドゥは役職名なので、正確には四季映姫ですね。よろしくお願いします」


 ニッコリと笑い、握手を促してきた。


「いえ、こちらこそよろしくお願いします」


 握手をした後、映姫さんが真剣な顔になった。


「義人さんせっかく助かったその命、しっかりと全うしてくださいね」


 え?助かったって…… この人何か知っている?


「あの!それってもしかして……」

「いつか時が来たら話しますよ、その時まで待っていてください」


 そういって映姫さんはその場から消えてしまった。



 何だったんだろうか…… もしかして、知っているのだろうか……


「でも、気にしててもしょうがないな。映姫さんもいつか話してくれるって言っていたし、もしかしたら違うことかもしれないしな」


 もう昼食の時間も過ぎちゃったな…… どうしたものか、団子屋でも入るか。


「ご主人、みたらしを一つください」

「あいよ!って、義人先生じゃないか!いつもうちの息子がお世話になってます!」


 寺子屋の生徒の親御さんだったのか、ちょっと俺のことを聞いてみるか。


「親御さんでしたか、どうでしょう?息子さん勉強について何か言ってたりしますか?」

「先生のおかけで勉強が好きになったみたいで、成績も上がって全部先生のおかげだ!って喜んでいましたよ」


 嬉しいこと言ってくれるな、こりゃもっと頑張らないとな。


「ご主人、これ代金です。団子おいしかったです」

「先生から金はとれませんよ!これは世話になってる手間賃とでも思って食べてってくださいよ」

「いや…… しかし……」

「いいんですよ!」


 そういって、ご主人から土産の団子までもらってしまった。

 今度、ご主人じゃなくて奥さんがいる時にしっかりと金を払っておかなきゃな。



 午後からは妹紅さんに修行に手伝ってもらって、白玉楼に帰ろうと帰り道についていると。


「ん?何だあの屋台……」


 屋台にはヤツメウナギと書いてあった、ちょっと寄ってみようかな。


「こんばんは~ 今って大丈夫ですか?」

「あっ!いらっしゃいませ~、大丈夫ですよ?何にします?」


 メニューを見るとおでんなどもあるみたいだ、こっちに来てからおでんって食べてないし、これにしようかな。


「おでんをお願いします」

「何をお取りしますか?」

「お任せします」


 わかりました!と元気よく返事をして意気揚々とおでんを器によそってくれた。


「お客さん名前をうかがってもよろしいですか?」

「市井義人といいます」

「義人さんですか、覚えておきます。これおでんになります」


 そう言って、器に入ったおでんを渡してくれた。


「私はミスティア・ローレライといいます、覚えていただけると嬉しいです」


 彼女をよく見ると背中から鳥の羽が生えていて、耳を見ると耳も羽のような形をしていた。


「これは新顔さんにしてるサービスです、どうぞ飲んでください。」


 ミスティアさんがコップに透明な液体を注いで俺のところにおいてくれた。

 これって…… もしかしなくても酒だよな……

 でもここで断ったらアウトだよな。


「ありがとうございます、いただきます」


 おでんを口に入れると、なんだか懐かしい味が口いっぱいに広がった。そしてその後にコップに注がれた酒を流し込んだ。


「あぁ…… おいしい……」

「それはよかったです!」


 何だろう、酒とおでんってこんなに合うもんなのか。これははまってしまうかもしれない……


「今日はさらにサービスです!義人さんに歌をプレゼントしちゃいますよ!」


 そういってミスティアさんが歌い始めた、その歌声はとてもきれいで引き込まれてしまいそうなほどであった。


「素敵な歌声ですね、感動しました」

「えっ!?本当ですか?体に何か異常はないですか?」


 ミスティアさんが少し驚いたように俺の顔を覗き込んだ。


「えぇ、特に異常はないですよ。また今度しっかりと歌を聞かせてください」

「嬉しい…!そんなこと今まで言われたことなかったから本当に嬉しいです!」


 ミスティアさんが笑顔になり、もう一杯どうぞ!と酒を注いでくれた。

 それからしばらく経って、最後の〆に何か酒が抜けるものを頼んだ。このままじゃあまた妖夢さんに叱られてしまうからな。


「それならこれを飲んでください、お酒は抜けませんけど匂いなら消せますよ」


 そういって、ミスティアさんが少し赤い液体を俺に渡してきた。


「あまりおいしくはないですね……」

「まぁ、薬みたいなものですから」


 しばらくしてからだから酒の匂いが消えたのを確認してから俺はミスティアさんの屋台を後にした。


「また、来ますね。これおでんの代金です」

「おでんはこんなにしませんよ!!」

「素敵な歌を聞かせてくれた、お礼ということで受け取っておいてください。おでんおいしかったです」


 今度こそ寄り道をしないで白玉楼に帰った。



 白玉楼に帰ってきてからすぐに風呂に入らせてもらった。もちろん酒を抜くためである。


「はぁ~、いいお湯だな……」

「義人~?背中流してあげるわよ?」


 幽々子さんが風呂場に入ってきた、今度は体にタオルを巻くというご丁寧な配慮もされている。


「妖夢さんに怒られますよ?」

「妖夢には言ってあるから大丈夫よ~」


 そう言われると、断る理由はないので素直に流してもらうことにした。


「どう?痛くないかしら~?」

「大丈夫ですよ、ありがとうございました」


 すると、体を流し終わった幽々子さんは風呂場から出るのではなく、俺と一緒に湯船につかっていた。 


「あの…… 幽々子さん?」

「気持ちわね~」


 聞いてくれないみたいだ、この様子を妖夢さんに見られたらどうなるのだろうか……

 見られてたら明日は妖夢さんが湯船に入ってくるだろうな……


「ねぇ義人?」

「何ですか?」

「やっぱり何でもないわ~」


 幽々子さんは笑顔でそう言って、鼻歌歌い始めた。



 風呂から上がり自室に戻り本を読んでいると、妖夢さんが部屋に入ってきた。


「どうしました?」

「…………明日は私の番ですからね」


 顔を赤くしてそう言うと、妖夢さんは走って自分の部屋に戻ってしまった。


「……見られてたのか」


 それはいいとして、映姫さんのあの言い方やっぱり何か引っかかるんだよな。誰か情報通の人に聞いてみるか。

 あした文さんが新聞を届けに来たら聞いてみようかな。


  お前は力を望むか……?


「ん?今なんか聞こえたような……」


 気のせいか、もう遅いしそろそろ帰るかな。

 そうして俺は眠りについた。




「市井義人ですか…… 雰囲気があなたと似ていましたね。流石()()というところでしょうか?」


 映姫が自分の隣にいる男にそう話しかけた。


「俺も会いたかったですよ。でも、今ここで()()を使う時じゃないんですよね。またあいつを…… 義人を助けなきゃいけない時までとっておかなきゃいけませんからね」


 そう言って男は暗闇に消えていった。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回更新は金曜日か、土曜日になります。

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