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第六話 ハム公と城壁
ハム公に昨日の記憶はない。
ハム公に分かるのは右手の爪と左手のひまわりの種の使い方だけ。
城壁を目指す途中、何度か魔物を蹴散らす。
頭突いて、ガリガリして、ガジガジすれば、大抵の魔物は動かなくなった。
だんだんと城壁が大きくなる。
そこにはいく筋かの煙が上がっている。
上空には大きめの鳥だろうか?
ハム公の耳がピクリと動き、突然走り出す。
そのまま城壁を駆け登り、その頂から勢い良く飛び出した。
ハム公に頭突かれた大きな鳥の魔物は爆散し、それを見た残りの魔物は青ざめて逃げ出すのであった。
ハム公は何事もなかったかのように地面に着地し、その様子をいつもの表情で眺めていた。
「助けてくれたの?」
街の少女がそう言ってハム公に近づく。
首を傾げるだけのハム公。
そのままひまわりの種を齧り始める。
「ふふっ、お腹が空いていたのね。ずっとハムハムしてる」
「早く離れなさいっ!」
少女の母親だろうか?
血相を抱えながら少女の手を引くと、すぐに建物の中に閉じ籠った。
「今のはあいつがやったの?」
「新手の魔物か?いやでも、、、」
「あんなに小さいのに、、、」
困惑する街の人々を後目に、日陰を見つけたハム公は、そこで昼寝を始めるのであった。




