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第三話 ハム公と二人
第三話
ハム公に昨日の記憶はない。
だから昨日助けた少女の記憶はない。
昨日向けられた笑顔も、感謝の言葉も忘れる。
かつて、ハム公が一緒に旅をしていた勇者と賢者との記憶さえも。
「おはよう、ハム公」
ハム公に賢者が優しく声をかける。
とても柔らかな表情だった。
ハム公は目を覚ますとブルブルと身震いする。
「いま朝ごはん用意するからね」
賢者がひまわりの種をお皿に盛ると、
ハム公はハムハムと頬張りはじめた。
「慌てなくていいからね、おかわりもあるよ」
賢者がにこにことハム公を見つめている。
「あんまりハム公を太らせるなよ」
それを見ていた勇者が声をかける。
「その分いっぱい遊ぶから大丈夫!」
ひまわりの笑顔。
半ば諦めていた勇者は、やれやれといった顔で
「賢者、、、大丈夫か、それ?」
と答える。
ハム公はそんな二人のやりとりを少しも気にすることなく、ひまわりの種をハムハムし続けるのであった。




