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ハム公  作者: おかざ
幕間
23/24

幕間① 賢者の追憶

ハム公が勇者と賢者とともに旅をしていた頃。


「おはよう、ハム公」

賢者が柔らかな表情でハム公に声をかける。

二人と一匹の旅は今日も続く。


「ハム公はひまわりの種をどうぞ」

今日もハム公はハムハムとひまわりの種を頬張っている。

朝ご飯を食べ終えると、突然ハム公が森の中に消えていった。


「ハム公ーっ?」

いつもなら、しばらくすると戻ってくるが、今日はなかなか戻って来ない。

森の中を賢者が探し回っていると、物陰から大きな物音が聞こえた。

「ーーー魔物っ⁉︎」

賢者の表情が瞬時に変わる。

杖を構えながら、距離を詰めつつ、神経を研ぎ澄ます。

とっとことっとこ。

そこに一匹のハム公。

賢者の表情がこれでもかと緩む。

「脅かさないでよ、ハム公!」

そう言った賢者が、ふとハム公の出てきた方を見ると、大きな猪の魔物が倒れていた。

「ハム公がやったの?」

賢者が尋ねるが、ハム公は首を傾げるだけである。

「大きい音がしたけど、大丈夫か?」

そこに勇者が駆けつけた。

二人、、、いや、一人と一匹の無事を確認し、安堵したのも束の間、

近くで更なる轟音が鳴り響き、大型の猪の魔物が飛び出してきた。

「さっきのやつの仲間ね」

おそらく昨晩キャンプをした位置が悪かったのだろう。

魔物たちの餌場に入ってしまったようだ。

「気をつけろっ!」

勇者と賢者が武器を構えると、

とっとことっとこ、

ハム公が賢者の前にやってきた。

「、、、ハム公?」

ハム公は賢者に背を向け、視線を魔物にぶつける。

「、、、守ってくれるの?」

賢者はあまりの嬉しさに戦闘中であることを忘れそうになる。

次の瞬間、ハム公が猪の魔物に突っ込んだのを見て、賢者は慌てて束縛魔法を発動させた。

魔物の動きが止まる。

「餌場を荒らして悪かったな」

勇者が猪の魔物の牙を斬り落とすと、魔物は森の奥深くへ逃げ出していった。

ハム公の足が魔物の追跡に向かおうとしたその時、

「ありがとうーっ!ハム公ーっ!!」

満面の笑みの賢者がハム公を抱き捕まえた。

「ハム公、かっこよかったよー」

賢者がハム公を撫で回すと、ハム公はするりと賢者の腕を抜けると、辺りを見回し、首を傾げた。


「ハム公って、賢者ばっかり守るよな?」

勇者が怪訝な顔で漏らす。

「私は、か弱き乙女ですからね」

賢者が得意げに続ける。

「それに、いつもひまわりの種もあげてるもんね、ハム公!」

賢者はこの上なくご機嫌だ。

そんな会話を聞いてるか定かではないハム公が二人の前をとっとことっとこ歩く。

こんな旅がいつまでも続けばいい。

賢者はそう思わずにはいられないのであった。

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