幕間② 勇者の気苦労
二人と一匹が一緒に旅をするようなり、まだ間もない頃。
「、、、ん?」
勇者は違和感を感じていた。
魔物と斬り結ぶ勇者。
その魔物の横っ腹にハム公の頭突きが炸裂する。
「、、、んんん?」
勇者の違和感が大きくなる。
魔物が吹き飛んだ先に、勇者が回り込む。
そのすぐ脇にハム公。
「、、、あれ?やっぱり、そうだよな?」
勇者の剣とハム公の爪がほぼ同時に魔物に突き刺さり、魔物は絶命する。
勇者の違和感はほぼ確信に変わっていた。
「、、、賢者、今日のハム公、なんかいつもよりすごくなかったか?」
勇者が賢者に問いかける。
「、、、?ハム公はいつもすごく可愛いよ?」
、、、ちがう。
そうじゃない。
勇者は半ば呆れ顔で、
「いや、なんだか今日はずいぶん動きが良かった気がして、、、」
「、、、天敵の鳥の魔物だったからとか?」
「、、、鳥が天敵なのか?」
「、、、まあ、普通なら、、、?」
二人でハム公を見る。
ハム公はハムスターのように見える。
しばし沈黙の後、考えても仕方ない、と言わんばかりに勇者は話題を変えた。
「魔法で能力を上げたりもしてないよな?」
勇者は腑に落ちない様子で賢者に問いかける。
「してないよ?ハム公ちょっと擦りむいてたから、その治療はしたけど、、、」
勇者は自分の腕を見る。
ぱっくりと割れた多数の切り傷。
、、、考えたら、駄目な気がする。
何も聞こえなかったことにして、ハム公に目線を向けた。
「、、、レベルアップでもしたか?」
当のハム公は勇者の疑問など気にもかけない様子でひまわりの種を頬張っている。
その姿を見て、勇者はだんだんとどうでも良くなってきた。
「はぁー、、、そろそろ昼飯にでもー」
そう言いかけたところで、突然の突風。
頭上から大型猛禽類の魔物が襲いかかる!
「一旦立て直すぞっ!」
勇者の号令と同時に賢者が岩陰に下がる。
それよりも早く上空へ飛び出す一筋のハム公。
「ハム公!止まれーっっ!!」
全力で叫ぶ勇者の気苦労の旅路は、まだまだ始まったばかりだ。




