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第二十話 ハム公と岐路
宿屋の一室。
食堂から逃げるようにして出てきた二人の間に沈黙が続いていた。
勇者は優しい。
だから何も言わない。
勇者は勇気がある。
だから苦しみ、考え抜いて、覚悟を持ってここに居る。
私は、、、
「うん、、、うん、、、分かってる」
頭では分かってる
「でも、やっぱり、、、いや、、だ、、、ごめん、、、」
感情がこぼれ落ちる
「もしかしたら、また、一緒に旅が、、、」
それ以上は言葉にできなかった。
勇者に今すぐにでも遡行魔法に全てを賭けてきたことを伝えたい。
勇者は優しい。
もしかしたら方法があるかもしれないと言えば、半年でも一年でも待ってくれるだろう。
きっと完成するまで待ってくれる。
だけど、その間にも人は死ぬ。
この誰よりも優しく、誰よりも苦しい勇者に、その業を背負わせるわけにはいかない。
「明日は、、、ちゃんとするから、、、」
そう声を絞り出す賢者を、勇者はずっと見守っていた。




