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第十五話 ハム公と賢者の願い
勇者たちとハム公がまだ一緒に旅をしていた頃。
ハム公と賢者が一緒に丸くなって寝ている。
ハム公と旅をするようになってから、これが日課となっていた。
「おはよう、ハム公」
賢者の声にハム公は目を開けると、ブルブルと身震いする。
「ふふふ、ハム公はいつも通りね」
ハム公に声をかけながら、賢者は朝食の準備を始める。
勇者はすでに起きて、少し離れた所で日課の素振りをしている。
しばらくして、朝食ができると二人と一匹で焚火を囲んだ。
「はい、ハム公にはこれ」
賢者がお皿いっぱいのひまわりの種を渡す。
ハム公はいそいそと頬張り始めた。
「いっぱいあるからそんなに慌てなくて大丈夫だよ」
賢者はそんなハム公の姿を眺めるのが好きだった。
朝食を食べすすめていると、頬袋をいっぱいにしたハム公がその場を離れる。
賢者がそっと様子を見に行くと、ハム公は木の下に穴を掘っていた。
「ひまわりの種を埋めるの?忘れちゃったらひまわり畑になりそうだね。ふふっ、それも素敵。ちょっと見てみたい」
こんななんでもない日々をハム公にも覚えていて欲しい。
それが賢者のささやかな願いだった。




