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ハム公  作者: おかざ
第三部 足跡
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第十三話 ハム公と爪痕

勇者と賢者は隣国へ足を延ばす。

聞けばしばらく前まで、城壁の街との戦が続いていたようだ。

隣国は勝利目前だったにも関わらず、突如として戦うことをやめたらしい。


ある兵士は言う。

「気づけば俺ひとりになっていた。あれは、、、怪物だ」

ある兵士は言う。

「城壁の街は魔物よりも恐ろしいものを引き入れた」

ある兵士の母親は言う。

「息子はあの村でハム公様を慕っておりました。ですが、、、っ」

ひととおり話を聞いて回ると、すっかりと日が暮れていた。

2人は向き合って焚火を眺めている。

「ハム公、いろんなことしてたな」

「うん」

「ハム公の銅像には驚いた」

「うん」

「賢者、、、大丈夫か?」

「うん、ありがとう。今日はもう寝ましょう?」

「ああ」

少しの沈黙。

賢者の瞳に映る焚火の揺らぎが止まる。

「私たちが覚えているからね」

あの時は涙で滲んだ言葉。

そう呟いた賢者の目にもう涙は浮かんでいなかった。

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