第十二話 ハム公と足跡
勇者と賢者はハム公の足跡を辿る。
ここはハム公に救われたと噂される村だ。
村に入るや否や、勇者はギョッとする。
広場の中央に、ひまわりの種を持った巨大なハム公の銅像が建っていたからだ。
ふと隣を見ると、賢者が目を輝かせ、
「欲しい、、、」と呟いている。
ハム公のかつての仲間であることを伝えると、盛大な宴が催された。
勇者は複雑な気持ちであったが、終始誇らしげな表情の賢者を見て、少し気持ちが和んだ。
次に足を運んだ城壁の街は、戦禍の後の復旧作業に追われていた。
勇者と賢者が作業を手伝っていると、この国の将軍らしい人物と鉢合わせた。
「あの方こそ、騎士道精神を体現されたお方」
将軍がハム公のことをそう賞すると、勇者はもはや意味が分からなかったが、賢者は喜びを隠せないほどに微笑んでいた。
「この街にはあの方に命を救っていただいた少女がいます。ぜひその娘の話も聞いてやってください」
将軍が案内してくれた国の施設に行くと、何人かの子供たちがいた。
将軍に聞いていた特徴の少女に、勇者が声をかける。
「こんにちは、ハム公のことを知っているのは君かな?」
少女の顔から一瞬で表情が消える。
「、、、わか、、らない、、、」
「え?それはどういう、、、」
勇者が続けて尋ねようとするのを賢者が制止し、首を振る。
「お嬢ちゃん、ありがとう。怖い思いさせてごめんね」
賢者は少女の頭を優しく撫で、勇者を連れてその場を後にした。
賢者の目には涙が滲んだように見えた。




