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8-6

 マニエル達が去った後、メイデアはオズワルドに呼ばれ局長室へと赴いた。


「お、おおお呼びででしょうか……?」


 オズワルドは椅子に座り、戦闘用の手袋の手入れをしていた。顔は下を向きメイデアから表情は覗えなかったが、お世辞にも機嫌が良いとは言えなかった。


「さっきあのならず者達が来てたみたいだが?」


「えっ!? ええええ、ええ、はい、来てまひた」


「あの時やっぱりトドメを刺しておけば良かったぜ……どうにも、目障りでいかん」


「…………」


「で、アイシアさんは何用でしょう? 俺、今日はまだ何も悪いことしてないよ?」


 メイデアが振り向くと、そこには腰に手を当て、呆れ顔をしたアイシアが立っていた。


「当たり前です。そんなしょっちゅう悪さをされたのでは始末書のコピーが間に合いません」


「ハハハ、すまない」


 オズワルドは手袋をデスクに置き、そして立ち上がった。


「中央より伝令です」


「……チッ、嫌な予感しかしねぇ」


「いえ、局長には嬉しいお知らせかと……」


「えっ!? マジでマジで!?」


 オズワルドがグイグイとアイシアに歩み寄る。その様子を見て、メイデアは羨ましく思った。


「近々、変動期に入ります」


「オッ!! 来たなぁ! 楽しみだなぁ! ……って、何故中央から報せが入るんだ?」


「一つ悪い報せが御座います」


「……すげぇ嫌な予感しかしねぇ」



 局長室の扉がノックされ、一人の女性が姿を現した。


「中央より馳せ参じました。私、名をヴィ・ダーダと申します。以後、お見知り置きを……」


 その手に長物を袋に入れ携えた女性が、静かに頭を下げた。そしてオズワルドを品定めするかのように見定めた。


「何と呼べばいい?」


「同胞からはヴィダと呼ばれております」


「じゃあそれで」


 ヴィダは淡々と言葉を交わし、オズワルドはヴィダの胸に視線を送り続けた。


「お乳が凄い……」


「セクハラが一点ですね?」


 アイシアがオズワルドに注意を入れるが、オズワルドもヴィダも気にも留めずにお互いを見続けた。


「それで? 何の用で?」


「私がこの街に来たときに変動期の訪れを察知しました。来週には本格的に変動期を迎えるでしょう」


「そうですか。ではさようなら……」


 何かと面倒な人物を軽くあしらうオズワルドだが、ヴィダは気にせず言葉を続けた。


「以前、中央にてある人物の調査を行いましたね?」


 オズワルドはその質問には答えず、静かにアイシアに耳打ちをした。


「こっそりとやったんじゃ?」

「すみません、その結果がこれです」


 渋い顔をするオズワルド。それでもヴィダは言葉を続けた。


「魔鉱石についての報告も不十分であると、中央は判断致しました」


 オズワルドは再びアイシアに耳打ちをした。


「書類上はひっそりと片付けたんじゃ?」

「すみません、その結果がこれです」


 更に渋い顔をするオズワルド。それでもヴィダは言葉を続けた。


「よって、私が派遣されました。此度の変動期については、私は単独で調査を行いますのでお構いなく」


「やったぜ」


「局長、御言葉が素直すぎます」


「それでは、何かあれば報告を怠らぬよう、お願いします」


 ヴィダはその足で宿屋へと向かい、暫く滞在する旨を店主へと告げた。残されたオズワルドはため息を漏らし、面倒ごとが一つ増えたと、愚痴を漏らした。

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― 新着の感想 ―
[一言] >「お乳が凄い……」 うむ( ˘ω˘ ) >「すみません、その結果がこれです」 www >「やったぜ」 成し遂げたぜ。
[一言] オズワルド表裏無さすぎですねー。
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