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マニエル達が去った後、メイデアはオズワルドに呼ばれ局長室へと赴いた。
「お、おおお呼びででしょうか……?」
オズワルドは椅子に座り、戦闘用の手袋の手入れをしていた。顔は下を向きメイデアから表情は覗えなかったが、お世辞にも機嫌が良いとは言えなかった。
「さっきあのならず者達が来てたみたいだが?」
「えっ!? ええええ、ええ、はい、来てまひた」
「あの時やっぱりトドメを刺しておけば良かったぜ……どうにも、目障りでいかん」
「…………」
「で、アイシアさんは何用でしょう? 俺、今日はまだ何も悪いことしてないよ?」
メイデアが振り向くと、そこには腰に手を当て、呆れ顔をしたアイシアが立っていた。
「当たり前です。そんなしょっちゅう悪さをされたのでは始末書のコピーが間に合いません」
「ハハハ、すまない」
オズワルドは手袋をデスクに置き、そして立ち上がった。
「中央より伝令です」
「……チッ、嫌な予感しかしねぇ」
「いえ、局長には嬉しいお知らせかと……」
「えっ!? マジでマジで!?」
オズワルドがグイグイとアイシアに歩み寄る。その様子を見て、メイデアは羨ましく思った。
「近々、変動期に入ります」
「オッ!! 来たなぁ! 楽しみだなぁ! ……って、何故中央から報せが入るんだ?」
「一つ悪い報せが御座います」
「……すげぇ嫌な予感しかしねぇ」
局長室の扉がノックされ、一人の女性が姿を現した。
「中央より馳せ参じました。私、名をヴィ・ダーダと申します。以後、お見知り置きを……」
その手に長物を袋に入れ携えた女性が、静かに頭を下げた。そしてオズワルドを品定めするかのように見定めた。
「何と呼べばいい?」
「同胞からはヴィダと呼ばれております」
「じゃあそれで」
ヴィダは淡々と言葉を交わし、オズワルドはヴィダの胸に視線を送り続けた。
「お乳が凄い……」
「セクハラが一点ですね?」
アイシアがオズワルドに注意を入れるが、オズワルドもヴィダも気にも留めずにお互いを見続けた。
「それで? 何の用で?」
「私がこの街に来たときに変動期の訪れを察知しました。来週には本格的に変動期を迎えるでしょう」
「そうですか。ではさようなら……」
何かと面倒な人物を軽くあしらうオズワルドだが、ヴィダは気にせず言葉を続けた。
「以前、中央にてある人物の調査を行いましたね?」
オズワルドはその質問には答えず、静かにアイシアに耳打ちをした。
「こっそりとやったんじゃ?」
「すみません、その結果がこれです」
渋い顔をするオズワルド。それでもヴィダは言葉を続けた。
「魔鉱石についての報告も不十分であると、中央は判断致しました」
オズワルドは再びアイシアに耳打ちをした。
「書類上はひっそりと片付けたんじゃ?」
「すみません、その結果がこれです」
更に渋い顔をするオズワルド。それでもヴィダは言葉を続けた。
「よって、私が派遣されました。此度の変動期については、私は単独で調査を行いますのでお構いなく」
「やったぜ」
「局長、御言葉が素直すぎます」
「それでは、何かあれば報告を怠らぬよう、お願いします」
ヴィダはその足で宿屋へと向かい、暫く滞在する旨を店主へと告げた。残されたオズワルドはため息を漏らし、面倒ごとが一つ増えたと、愚痴を漏らした。




