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姫様と修行、2日目夜

 晩御飯の準備をしていると皆様が帰ってこられました。昨日とは入れ替わりにイールフさんが不機嫌で姫様が上機嫌のようですね。


「あ、レイラ!今日のご飯は何?お腹空いちゃったわ」


「今日は帰り道にキメラが居たので部位毎のお肉で調理しております」


 決闘が終わった後の帰り道に居たキメラは、ライネン様の憂さ晴らしに付き合わされ、顔面から腕で貫かれて絶命しました。

 キメラはランダム性が強く混ざっている動物は多様ですが、今回のキメラは頭が牛、鳥の体に豚の足。そこに蛇の頭で出来た尻尾がついており、食用に適していると判断したため回収してきました。これが獅子の頭だったり、肉食系の獣のキメラだと筋張っていて美味しくないものが多いのです。

 後は獣人の方がいる為、あまり近しい獣も避けるべきと判断しますが…


「メインは鶏肉のソテーですね。後は蛇の白焼きを用意してみました」


 他は量も少ない部位ですので付け合わせ程度にしかなりませんでした。食事を始めてもイールフさんの気分は落ち込んだままですを私が声をかけようとも考えましたが、それより早くライネン様がイールフさんに声をかけていました。


「辛気くせぇ顔してんな。負けたのか?」


「親父こそ、今まで見たなかで一番ひでぇ顔だ。本気でやっても勝てなかったのかよ」


 慰めるのかと思っていましたがお互いに罵り合いを始めてしまいました。


「俺がひでぇ顔だと?お前の心持ちの問題だろ?俺は今日レイラとの事をきっちり清算してきたんだよ」


「精算ねぇ、いつまでも初恋を引きずって婚期逃がした言い訳かと思ってたぜ」


「は?お前自分の親舐めんなよ?俺が本気になればいつでも結婚なんて相手からよってくるわ」


「その割には城をぶっ壊してから言い寄ってくるヤツも居なくなったよな?」


「そんなんで来なくなったのは玉の輿狙いのやつだけだ。今でも結婚の申込はきてるからな。そう言うイールフこそテオとの事はどうなんだよ?進展してんのかよオイ」


 今までライネン様を押していたイールフさんでしたが、テオ様の話題を出されると急に口をつぐんでしまいました。更に口撃するライネン様。


「進展してないみたいだな・・・それなら俺が代わりに言ってやろうか。おいテオ!イールフがぐはっ!」


 テオ様に直接言おうとしたライネン様でしたが、イールフさんに殴り飛ばされました。殴ったイールフさんのほうは涙目です。


「か、勝手なことするんじゃねぇ!」


 そう叫んでご飯をかき込むと出て行ってしまいました。ここは何食わぬ顔でご飯を続けているテオ様にお話を伺いましょう。


「テオ様、あちらの騒ぎは気にならないので?」


「うん。ライネン様とイーちゃんはいつもあんな感じだからね。流石に僕でもなれちゃうよ」


「ちなみに喧嘩の原因ですがテオ様は把握されているので?」


 これだけ騒いでいてイールフさんの好意に気づいていないようなら、軽くほのめかしておこうとも思ったのですが、テオ様はあっさりと肯定されました。


「うん。わかってるよ。イーちゃんは昔から僕のことが好きみたいだから」


「ならば何故告白して差し上げないのですか?きっとテオ様から言って差し上げればイールフさんは喜んで返事をしてくれるでしょう?」


 私の問いかけにテオ様はいつもの慌てた困り方ではなく、少し眉根を下げて


「今の僕じゃイーちゃんにはつり合わないんだ。ライネン様くらいとまでは言えないけど、僕が当主になっても誰も文句が言えないくらいにはなりたい」


 ライネン様が殴り飛ばされたほうを見ながらテオ様は仰いました。その横顔は決意に満ちていて、普段の弱気さを感じさせないとても格好良いものでした。これをイールフさんが見たら惚れ直してしまうでしょうね。

 その後ライネン様も食卓に戻り修行の進捗などを伺いながら2日目が過ぎていったのでした。

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