第九話 名も知らぬ少女
この作品はとある配信者さん達をモデルにした二次創作です。
実際の人物には関係の無い話なのでもしモデルの配信者を見つけてもその方の配信などで話題に出すのはお控えください。
自分で読む用ですので読みずらかったらすいません。
咆哮。
それだけで空気が震えた。
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黒い霧が祠から溢れ出す。
地面を這い。
木々を侵食し。
周囲の景色そのものを歪ませていく。
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「でかいな」
マッキーが武器を握り直す。
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「でかい」
雪猫も答える。
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「もっと気の利いた感想ねぇのか?」
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「事実だ」
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「間違ってねぇのが腹立つ」
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影が動く。
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次の瞬間。
巨大な腕が振り下ろされた。
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轟音。
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マッキーが飛び退く。
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「いきなりかよ!」
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土が吹き飛ぶ。
木が折れる。
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雪猫は前へ出た。
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刀が閃く。
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斬撃。
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黒い腕が切り裂かれる。
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だが。
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再生する。
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一瞬で。
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「面倒だな」
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「さっきからそれしか言ってねぇぞ」
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マッキーが突っ込む。
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そして飛び込む。
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重い一撃。
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衝撃で霧が吹き飛ぶ。
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だが本体は崩れない。
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「硬ぇ!」
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「見れば分かる」
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「だからもっと気の利いた感想をだな!」
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雪猫は無視した。
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マリーは少し離れた場所から戦いを見ていた。
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不思議だった。
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二人とも強い。
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それは分かる。
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だが。
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何より目を引くのは。
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会話だった。
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普通の強者は孤独だ。
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誰にも頼らない。
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誰も信用しない。
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だが。
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この二人は違う。
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文句を言いながら。
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背中を預けている。
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まるで。
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長年の友人のように。
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「……不思議」
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マリーが小さく呟く。
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その時。
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歪みが彼女へ向いた。
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巨大な目。
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暗い闇。
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獲物を見つけた捕食者の視線。
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「危ねぇ!」
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マッキーが叫ぶ。
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影が突進する。
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速い。
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間に合わない。
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そう思った瞬間。
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雪猫が消えた。
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いや。
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速すぎて見えなかっただけだ。
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次の瞬間には。
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マリーの前に立っていた。
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刀が振られる。
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斬撃。
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闇が吹き飛ぶ。
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静寂。
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マリーは目を見開いた。
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雪猫は振り返らない。
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ただ言う。
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「怪我は」
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「……ありません」
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「そうか」
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それだけ。
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本当にそれだけだった。
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だが。
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マリーは少し驚いた。
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心配されたからではない。
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自然だったからだ。
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当たり前のように守った。
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当たり前のように確認した。
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まるで。
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それが当然であるかのように。
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「おい雪猫!」
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マッキーが叫ぶ。
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「感動シーンやってる場合じゃねぇ!」
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「やってない」
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「やってるだろ!」
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歪みが再び動く。
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今度は本体。
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巨大な身体が姿を現す。
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祠より大きい。
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森の木々を押し潰しながら立ち上がる。
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マッキーが笑った。
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「なるほどな」
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武器を肩へ担ぐ。
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「ようやく本番か」
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雪猫も刀を構える。
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「面倒だ」
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「それはもう聞いた」
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「面倒だ」
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「二回言った!?」
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マリーは思わず吹き出した。
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緊張していたはずなのに。
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怖かったはずなのに。
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なぜか笑ってしまった。
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雪猫とマッキーが同時に前へ出る。
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月明かりの下。
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二つの影が駆ける。
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そして。
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巨大な歪みとの本当の戦いが始まった。
――続く




