第十話 背中を預ける
この作品はとある配信者さん達をモデルにした二次創作です。
実際の人物には関係の無い話なのでもしモデルの配信者を見つけてもその方の配信などで話題に出すのはお控えください。
自分で読む用ですので読みずらかったらすいません。
巨大な歪みが咆哮する。
森が揺れた。
木々が軋み。
地面が震える。
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「うるせぇな!」
マッキーが耳を押さえる。
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「お前の方がうるさい」
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「言い返してきた!?」
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「事実だ」
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「最近ちょっと会話するようになったと思ったらこれだよ!」
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歪みの腕が振り下ろされる。
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轟音。
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マッキーが飛び込んだ。
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正面から。
真っ向から。
迷いなく。
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「どぉらぁぁぁぁ!!」
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武器が叩き込まれる。
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衝撃。
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巨大な身体が揺れる。
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だが倒れない。
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「硬ぇ!」
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「知っている」
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雪猫が横を駆け抜ける。
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斬撃。
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黒い霧が飛び散る。
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しかし再生する。
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一瞬で。
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「面倒だな」
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「もう聞き飽きた!」
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マッキーが叫ぶ。
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二人は距離を取る。
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歪みは止まらない。
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巨大な腕。
尾のような霧。
無数の黒い触手。
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攻撃の手数が増えていく。
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マリーは祠の近くから様子を見ていた。
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ただ見ているわけではない。
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祠。
歪み。
空気の流れ。
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何かがおかしい。
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ずっと引っ掛かっていた。
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「……違う」
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小さく呟く。
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「あれは普通の歪みじゃない」
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その瞬間。
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祠の石に刻まれた文字が光った。
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淡く。
青白く。
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マリーは目を見開く。
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「封印……?」
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遠い昔の術式。
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歪みを閉じ込めるためのもの。
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だが今は壊れかけている。
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つまり。
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「あの歪み……外から来たんじゃない」
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誰にも聞こえない声。
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「ずっとここに閉じ込められていたんだ」
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戦場。
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雪猫が僅かに眉を動かす。
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違和感。
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敵の動きではない。
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何か別の気配。
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「マッキー」
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「何だ!」
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「時間を稼げ」
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「簡単に言うな!」
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「出来るか」
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マッキーは笑った。
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「出来る出来ないじゃねぇ」
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武器を構える。
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「やるしかねぇんだろ?」
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その顔には恐れがなかった。
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雪猫は頷く。
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短く。
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それだけで十分だった。
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マッキーが飛び出す。
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「おら来い化け物!」
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歪みが反応する。
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巨大な腕が振り下ろされる。
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避ける。
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躱す。
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飛ぶ。
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転がる。
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危険な動きばかりだった。
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「おいおいおい!」
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「近くで見ると余計でけぇな!」
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黒い爪が掠める。
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服が裂ける。
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「危なっ!?」
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だが笑っている。
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「もう少し加減しろ!」
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当然返事はない。
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その頃。
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雪猫は祠へ向かっていた。
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マリーが振り返る。
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「気付きましたか」
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「封印だな」
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「はい」
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マリーは驚かなかった。
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この人なら分かる。
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なぜかそう思えた。
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「術式が残っています」
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「完全には壊れていない」
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「なら」
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雪猫は祠を見る。
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古い文字。
崩れた石。
残された力。
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「利用出来る」
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マリーは頷く。
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「私もそう思います」
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少しだけ笑う。
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初めてだった。
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誰かと同じ結論に辿り着くのは。
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「時間は稼げますか?」
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雪猫は戦場を見る。
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マッキーが吹き飛ばされていた。
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「うおおおおおお!?」
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木に突き刺さる。
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そして起き上がる。
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「まだだぁ!!」
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また突撃する。
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雪猫は小さく息を吐いた。
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「問題ない」
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「そうですね」
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マリーも少し笑った。
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その頃。
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マッキーは思っていた。
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(問題大ありだろこれぇぇぇ!!)
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巨大な腕を避ける。
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黒い霧を弾く。
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走る。
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逃げる。
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飛ぶ。
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「何で俺ばっかり!?」
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誰も答えない。
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「雪猫ぉぉぉぉ!!」
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遠くから叫ぶ声が響いた。
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雪猫は振り返らない。
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ただ。
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少しだけ口元が緩んだ。
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ほんの少しだけ。
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そして。
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祠の光が強くなり始める。
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戦いは終盤へ向かっていた。
――続く




