第八話 鈴の音を追って
この作品はとある配信者さん達をモデルにした二次創作です。
実際の人物には関係の無い話なのでもしモデルの配信者を見つけてもその方の配信などで話題に出すのはお控えください。
自分で読む用ですので読みずらかったらすいません。
夜の森は静かだった。
静か過ぎると言った方が正しいかもしれない。
虫の声がない。
獣の気配もない。
風の音すら遠い。
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「嫌な静けさだな」
マッキーが呟く。
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「同感だ」
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「おっ」
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マッキーが振り返る。
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「同感とか言うんだなお前」
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「何だと思っていた」
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「『知らん』とか『どうでもいい』とか」
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「言わん」
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「言うだろ」
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「言わん」
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「昨日だけで十回は聞いたぞ」
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雪猫は無視した。
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森の奥へ進む。
月明かりは届かなくなり。
闇が濃くなっていく。
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そして。
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ちりん。
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鈴の音。
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小さく。
透き通るような音だった。
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二人は足を止める。
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「聞こえたか」
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「聞こえた」
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マッキーは辺りを見回す。
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「歪みってもっとこう……」
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両手で空中をぐにゃぐにゃさせる。
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「ドロドロしてて」
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「うおおおおおとか言うもんじゃねぇの?」
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「偏見だな」
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「違うのか?」
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「違う」
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「じゃあ何なんだ」
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雪猫は少し考える。
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「面倒なものだ」
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「説明を放棄するな」
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また鈴の音。
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今度は近い。
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ちりん。
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ちりん。
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音を追うように進む。
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やがて。
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小さな祠が見えた。
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古い石造り。
森の奥にひっそりと建っている。
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そして。
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その前に一人の少女が立っていた。
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白い髪。
月光のような瞳。
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年齢は十代半ばほど。
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静かに祠を見つめている。
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風が吹く。
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少女の腰に付いた鈴が鳴った。
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ちりん。
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「人か?」
マッキーが小声で言う。
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「分からん」
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「怖ぇこと言うなよ」
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少女はこちらに気付いていた。
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だが逃げない。
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警戒もしない。
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ただ見ている。
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不思議な目だった。
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敵意もない。
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好意もない。
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まるで月が人を眺めるような視線。
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「こんばんは」
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先に口を開いたのは少女だった。
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柔らかな声。
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マッキーは思わず返事をする。
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「お、おう。こんばんは」
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「夜更かしですね」
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「そっちもな」
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少女は少し笑った。
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雪猫は少女を見ていた。
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何かがおかしい。
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理由は分からない。
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だが。
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どこかで感じたことのある気配。
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そんな感覚があった。
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「ここで何をしている」
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雪猫が聞く。
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少女は祠を見る。
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「待っていました」
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「何をだ」
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「分かりません」
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「は?」
マッキーが固まる。
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「待ってたのに分かんねぇの?」
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「はい」
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「どういう理屈だ」
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「私にも分かりません」
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マッキーは頭を抱えた。
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「増えたな」
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「何がだ」
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「お前と同じ種類の人間」
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「失礼だな」
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「どの口が言うんだ」
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少女はくすりと笑った。
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その時だった。
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祠が震える。
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空気が変わる。
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森全体が揺れるような圧力。
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「来るぞ」
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雪猫の声が低くなる。
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少女も振り返る。
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笑みは消えていた。
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祠の奥。
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闇が溢れる。
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黒い霧。
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巨大な影。
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これまでとは比べ物にならない歪み。
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マッキーが武器を構える。
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「おいおい」
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口元は笑っている。
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だが額には汗。
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「確かにこれは面倒そうだな」
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雪猫は刀を抜く。
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月光が刃を照らした。
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少女は静かに一歩下がる。
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そして。
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初めて名乗った。
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「マリーです」
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静かな声。
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「どうか、お気を付けて」
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その瞬間。
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巨大な歪みが咆哮した。
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森が震える。
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夜が揺れる。
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そして。
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戦いが始まった。
――続く




