第五話 同じ卓
この作品はとある配信者さん達をモデルにした二次創作です。
実際の人物には関係の無い話なのでもしモデルの配信者を見つけてもその方の配信などで話題に出すのはお控えください。
自分で読む用ですので読みずらかったらすいません。
村での騒動が終わった頃には、日も暮れ始めていた。
空は茜色に染まり、家々から夕食の匂いが漂っている。
「あー……腹減った」
マッキーが大きく伸びをする。
「お前さ、さっきから飯の話しかしてなくないか?」
雪猫が珍しく口を開く。
マッキーは目を丸くした。
「お?」
「何だ」
「いや、お前から話しかけてくることあるんだなと思って」
「気のせいだ」
「喋ってる時点で気のせいじゃねぇだろ」
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二人は村の宿屋へ入った。
木造の小さな建物。
旅人向けの、どこにでもある宿だ。
「いらっしゃい!」
女将が元気よく迎える。
「二名様ですね?」
「違う」
雪猫が即答した。
「同伴じゃない」
「誰もそこまで聞いてねぇよ」
マッキーが頭を抱える。
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食堂の隅に腰を下ろす。
しばらくして料理が運ばれてきた。
焼いた肉。
スープ。
焼きたてのパン。
素朴だが温かい。
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「うまそうだなぁ……」
マッキーは嬉しそうだった。
子供みたいな顔だ。
雪猫は少しだけ不思議に思う。
「そんなに嬉しいか」
「嬉しいだろ」
即答だった。
「温かい飯だぞ?」
「飯は飯だ」
「違う違う」
マッキーは首を振る。
「こういうのはな、誰かと食うから美味いんだよ」
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雪猫は答えなかった。
その言葉の意味が分からないわけではない。
だが実感がなかった。
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マッキーはパンをちぎりながら続ける。
「お前、一人旅長いだろ」
「まあな」
「どれくらいだ?」
「覚えてない」
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マッキーの手が止まった。
「……覚えてない?」
「数えてない」
「いやいやいや」
マッキーは思わず笑う。
「長旅ってレベルじゃねぇぞそれ」
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雪猫はスープを飲む。
熱い。
だが嫌ではなかった。
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「お前は」
珍しく雪猫から質問した。
「ん?」
「何で旅してる」
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マッキーは少し考える。
それから笑った。
「面白そうだから」
「適当だな」
「半分はな」
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少しだけ視線が遠くなる。
「もう半分は」
「……?」
「昔助けられたんだよ」
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雪猫は黙って聞く。
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「ガキの頃さ」
「どうしようもない化け物に襲われてな」
「その時に旅人が助けてくれた」
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マッキーは笑う。
だがどこか懐かしそうだった。
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「名前も知らねぇ」
「顔もあんまり覚えてねぇ」
「でも格好良かった」
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パンを口へ放り込む。
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「だからまあ」
「俺もそうなれたらいいかなって」
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雪猫は黙った。
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そして小さく呟く。
「お人好しだな」
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マッキーは笑う。
「よく言われる」
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しばらく沈黙。
食器の音だけが響く。
不思議と気まずくはない。
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その時だった。
宿の隅で騒ぎが起きる。
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「盗まれた!?」
「財布がない!」
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客たちがざわつき始める。
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マッキーが顔を上げる。
「嫌な予感がする」
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雪猫も頷いた。
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そしてほぼ同時に。
二人の視線が窓際へ向く。
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小さな影が走り去るのが見えた。
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マッキーが立ち上がる。
「子供だな」
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雪猫も立つ。
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「飯が冷める」
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「つまり追うんだな?」
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「仕方ない」
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マッキーは吹き出した。
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「お前、結構お人好しじゃね?」
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雪猫は無視した。
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だが否定もしなかった。
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夜の村へ。
二人は走り出す。
――続く




