第四十六話 引かれた線
この作品はとある配信者さん達をモデルにした二次創作です。
実際の人物には関係の無い話なのでもしモデルの配信者を見つけてもその方の配信などで話題に出すのはお控えください。
自分で読む用ですので読みずらかったらすいません。
夜明け前。
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森の空気は、さらに重くなっていた。
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赤い光はまだそこにある。
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だが、もう動かない。
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“境界”という言葉だけが、空気の中に残っている。
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マリーが小さく息を吐く。
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「……戦わないんですか?」
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その問いは、自然にこぼれたものだった。
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マッキーが横目で見る。
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「いや、今は様子見だろ」
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「下手に動いたら向こうの条件飲むことになる」
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雪猫は短く頷く。
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「今は相手の領域だ」
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ガレスが顔をしかめる。
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「領域ってなんだよ……」
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「こっちはただの行商だぞ……」
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「まだ言ってる」
マッキーが呆れる。
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その時だった。
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森の奥の赤い光が、わずかに揺れた。
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そして。
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声。
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「……通行は許す」
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全員が動きを止める。
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マリーが目を見開く。
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「え……?」
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ガレスが息を呑む。
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「許すって……」
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マッキーが低く言う。
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「上から目線だな」
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雪猫は静かに見ている。
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赤い光は続ける。
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「ただし」
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「“境界”を越えるな」
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ずしりと空気が重くなる。
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マリーが小さく震える。
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「越えると……どうなるんですか」
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返事はすぐに来た。
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「滅びる」
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短い一言。
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それだけで、夜の温度が下がったようだった。
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ガレスが顔を引きつらせる。
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「……冗談じゃねぇよな?」
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マッキーが舌打ちする。
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「冗談で言う空気じゃねぇな」
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雪猫が一歩だけ前に出る。
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止まる。
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刀にはまだ手をかけない。
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ただ、森を見ている。
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「誰だ」
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静かな問い。
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森の奥。
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赤い光が、少しだけ細くなる。
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そして。
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「名はない」
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「ただの番人だ」
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マリーが息を呑む。
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「番人……」
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ガレスが呟く。
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「そんなのが道塞いでんのかよ……」
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マッキーが小さく笑う。
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「厄介なの引いたな」
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雪猫は短く息を吐いた。
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「なら話は早い」
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「ここは通る」
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空気が止まる。
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森が、ほんの一瞬だけ沈黙した。
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赤い光が揺れる。
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そして。
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何も言わず。
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少しだけ後ろへ引いた。
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道が、開く。
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マリーが小さく呟く。
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「……通してくれるんですね」
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ガレスがまだ信じられない顔をしている。
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マッキーが肩を回す。
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「行くぞ」
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雪猫は最後に一度だけ森を見た。
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そして。
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歩き出した。
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夜明けは、もうすぐだった。




