第四十五話 境界の声
この作品はとある配信者さん達をモデルにした二次創作です。
実際の人物には関係の無い話なのでもしモデルの配信者を見つけてもその方の配信などで話題に出すのはお控えください。
自分で読む用ですので読みずらかったらすいません。
「……人間」
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森の奥から響いた声は、低く、湿っていた。
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人の言葉なのに、人の声ではない。
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そんな違和感があった。
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マリーが息を詰める。
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「しゃべった……」
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ガレスが顔を引きつらせる。
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「魔物が喋るのは聞いてねぇぞ……」
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マッキーが小さく舌打ちする。
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「めんどくせぇパターンだな」
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雪猫は動かない。
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ただ、刀の柄に置いた手だけが静かに力を増す。
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森の中の赤い光が、ゆっくり揺れた。
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「……この地を荒らす者か」
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再び声。
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今度は少しだけはっきりする。
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マリーが一歩下がる。
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「荒らす……?」
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ガレスが即座に否定する。
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「いやいや! こっちはただの行商だ!街に行くだけだぞ!」
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マッキーが横目で見る。
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「まぁ結果的に森は通ってるけどな」
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「お前は黙れ!」
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空気が一瞬だけ緩む。
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だが次の瞬間。
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赤い光がわずかに強くなった。
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「ならば」
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低い声が続く。
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「ここより先は“境界”とする」
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雪猫の耳がわずかに動く。
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「境界?」
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マリーが小さく呟く。
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「何の……?」
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ガレスが歯を食いしばる。
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森の奥の“何か”は、まだこちらを見ている。
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試すように。
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測るように。
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そして。
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ゆっくりと、足音が一歩だけ近づいた。
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ずしん。
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それだけで、地面がわずかに震えた。
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マッキーが拳を握る。
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「……来るなら来いって話だな」
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雪猫は短く息を吐いた。
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「まだだ」
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「は?」
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「今は戦う時間じゃない」
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その言葉の直後。
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森の奥の赤い光が、わずかに細くなる。
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まるで。
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考えているように。
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夜明け前の空気だけが、静かに張り詰めていた。




