第二十八話 月の底の子供達
この作品はとある配信者さん達をモデルにした二次創作です。
実際の人物には関係の無い話なのでもしモデルの配信者を見つけてもその方の配信などで話題に出すのはお控えください。
自分で読む用ですので読みずらかったらすいません。
鐘の音が静まっていく。
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ごぉん……
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ごぉ……
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少しずつ。
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少しずつ。
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地下街を覆っていた不快な響きが薄れていった。
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影達の動きも止まり始める。
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まるで。
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眠りにつくみたいに。
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マリーが息を呑んだ。
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「……止まってる」
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マッキーも剣を下ろす。
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「マジで静かになってる……」
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ルナだけが雪猫を見ていた。
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驚いたように。
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信じられないものを見るみたいに。
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「どうして……」
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雪猫は答えない。
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ただ鐘へ触れたまま。
静かに目を閉じている。
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すると。
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鐘の亀裂から。
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淡い光が漏れ始めた。
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小さな粒。
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星みたいな光。
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それがふわりと空へ浮かぶ。
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マリーが目を見開く。
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「綺麗……」
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光は一つじゃない。
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次々と。
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鐘の中から現れる。
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そして。
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その光達は、少しずつ形を持ち始めた。
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子供。
大人。
老人。
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ぼんやりとした人影。
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地下街の住人達だった。
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マッキーが固まる。
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「うわ」
「出た」
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「言い方」
マリーが小さく突っ込む。
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だが彼らから敵意は感じない。
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むしろ。
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どこか穏やかだった。
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人影達は静かに街を見渡している。
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懐かしむみたいに。
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ルナの瞳が揺れた。
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「みんな……」
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一人の女性の影がルナの前へ来る。
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優しく頭を撫でる仕草。
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ルナが息を呑んだ。
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「……お母さん」
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声は届かない。
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でも。
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女性は確かに笑っていた。
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マリーが静かに目を細める。
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「ずっとここにいたんですね……」
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雪猫がゆっくり目を開ける。
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鐘の音はもう暴れていない。
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静かだった。
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穏やかに。
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地下街へ溶け込んでいる。
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鐘守が膝をつく。
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巨大な鎧が、静かに頭を下げた。
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マッキーがぎょっとする。
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「えっ」
「今お辞儀した?」
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「多分な」
雪猫が答える。
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「多分って」
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ルナが鐘守へ駆け寄る。
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そして。
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大きな鎧へ、そっと触れた。
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「……お疲れさま」
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鐘守は動かない。
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だが。
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その背中の鐘は、もう鳴っていなかった。
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静かな地下街。
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灯りが揺れる。
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風が吹く。
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そして。
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初めて。
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この街は“眠れた”ように見えた。




