第二十六話 地下街の記憶
この作品はとある配信者さん達をモデルにした二次創作です。
実際の人物には関係の無い話なのでもしモデルの配信者を見つけてもその方の配信などで話題に出すのはお控えください。
自分で読む用ですので読みずらかったらすいません。
鐘へ触れた瞬間。
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雪猫の視界が揺れた。
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景色が滲む。
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地下街。
時計塔。
影達。
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すべてが遠ざかる。
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代わりに。
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“音”が流れ込んできた。
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笑い声。
足音。
食器の触れ合う音。
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誰かの話し声。
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『今日は人が多いね』
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『祭りの日だからな』
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『鐘、もうすぐ鳴るよ』
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知らない声。
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知らない景色。
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だが。
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そこには確かに“人”がいた。
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賑やかな地下街。
灯り。
笑顔。
生活。
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今とは違う。
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生きていた頃の街。
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雪猫は静かに目を細める。
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「記憶か」
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その瞬間。
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景色が変わった。
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轟音。
悲鳴。
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鐘の音。
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ごぉぉぉん。
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街の人々が苦しそうに耳を押さえる。
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『止まらない!』
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『誰か鐘を……!』
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『逃げろ!!』
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音が暴走していた。
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地下街そのものを飲み込むほどに。
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そして。
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最後に見えた。
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時計塔の上。
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誰かが立っている。
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長い衣。
白い髪。
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顔は見えない。
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だが。
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その人物が鐘へ手を伸ばした瞬間。
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景色が途切れた。
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「……っ」
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雪猫の意識が戻る。
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目の前には鐘。
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鐘守。
影達。
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マッキーの声が飛んでくる。
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「おい!!」
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「ボーッとするな!!」
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鐘守の斧が迫っていた。
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雪猫は後ろへ跳ぶ。
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轟音。
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石畳が砕け散る。
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マリーが駆け寄ってきた。
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「大丈夫ですか!?」
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「あぁ」
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「急に止まったから心配したんですよ!?」
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雪猫は鐘を見る。
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亀裂。
漏れ出す声。
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そして。
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「暴走事故か」
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マッキーが顔をしかめる。
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「何が見えた?」
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「昔の記憶だ」
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ルナがはっと顔を上げる。
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「見えたの?」
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「あぁ」
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雪猫は静かに続ける。
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「この街は滅んだ訳じゃない」
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「音に飲まれた」
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地下街が静かになる。
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影達も。
鐘守も。
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ほんの一瞬だけ動きを止めた。
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ルナは俯く。
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「……止められなかったの」
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小さな声だった。
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「みんな、消えちゃった」
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マリーが息を呑む。
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「ルナちゃん……」
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ルナは時計塔を見る。
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赤い瞳が揺れていた。
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「だから鐘守が、ずっと街を守ってる」
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「誰もいなくなっても」
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鐘守がゆっくり動く。
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だが。
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先ほどまでの殺気が少し違っていた。
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雪猫は鐘守を見る。
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「守ってる、か」
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そして。
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少しだけ口元を緩めた。
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「なら壊す必要はないな」
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マッキーが固まる。
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「は?」
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マリーも驚く。
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「えっ……?」
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雪猫は鐘へ視線を向けたまま言った。
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「止めればいい」




