第二十一話 鐘守
この作品はとある配信者さん達をモデルにした二次創作です。
実際の人物には関係の無い話なのでもしモデルの配信者を見つけてもその方の配信などで話題に出すのはお控えください。
自分で読む用ですので読みずらかったらすいません。
どん。
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どん。
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重い足音が近付いてくる。
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地下街の空気が震えていた。
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マリーが小さく息を呑む。
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「な、何でしょう……」
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マッキーは完全に警戒態勢だった。
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「嫌だ」
「絶対デカいやつだ」
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「大きいよ」
ルナが小さく答える。
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「すごく」
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「聞きたくなかったぁ……」
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暗闇の奥。
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ゆっくりと影が現れる。
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最初に見えたのは足だった。
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黒い鉄靴。
石畳を踏み砕くほど巨大な。
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次に。
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全身を覆う古い鎧。
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そして最後に。
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鐘を背負った巨人が現れた。
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マッキーが固まる。
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「でっっっっか!?」
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三メートルはある。
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顔は見えない。
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兜の奥は真っ暗だった。
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だが。
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背中の巨大な鐘だけが、不気味に揺れている。
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ごぉん……
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鐘が小さく鳴った。
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その音だけで空気が震えた。
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マリーが思わず雪猫の後ろへ下がる。
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「ゆ、雪猫さん……」
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「鐘守だ」
ルナが呟く。
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「この街を見回ってるの」
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「見回りで済むサイズじゃねぇだろ!」
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鐘守は止まった。
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ゆっくりと三人を見る。
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いや。
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“見ている気配”だけがある。
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顔は無い。
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マッキーが声を潜める。
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「……敵?」
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ルナは少し迷った。
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「普段は大丈夫」
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「普段“は”!?」
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「鐘が鳴った後は、ちょっと怒ってる」
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「最悪のタイミングじゃねぇか!!」
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鐘守が一歩前へ出る。
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どん。
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地面が揺れた。
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マリーがびくっと肩を震わせる。
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「ひゃぅ……!」
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雪猫だけが落ち着いていた。
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むしろ少し観察している。
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「面白いな」
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「感想が観光客なんだよ!!」
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鐘守の腕がゆっくり上がる。
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巨大な斧。
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空気が唸った。
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「来るぞ」
雪猫が言う。
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「いや見れば分かるぅ!!」
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振り下ろされる。
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轟音。
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どがぁぁぁん!!
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石畳が砕け散った。
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マッキーが転がるように避ける。
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「死ぬ死ぬ死ぬ!!」
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マリーも慌てて後ろへ下がった。
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「ち、近付きたくありませんあれ……!」
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「同感だ!」
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その横で。
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雪猫だけが前へ出る。
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「おい!?」
マッキーが叫ぶ。
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「何で行くんだよ!」
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雪猫は鐘守を見上げる。
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巨大な鎧。
圧倒的な質量。
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普通なら逃げる。
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だが。
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雪猫は少しだけ笑った。
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「強そうだ」
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「戦闘狂だったのかお前!?」
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鐘守が再び斧を振り上げる。
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雪猫は地面を蹴った。
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一瞬で距離を詰める。
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速い。
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マリーが目を見開く。
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「……っ!」
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雪猫の爪が、鐘守の鎧を斬り裂いた。
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ぎぃん!!
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火花が散る。
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鐘守が僅かによろめいた。
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マッキーが叫ぶ。
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「効いてる!?」
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「硬いな」
雪猫が呟く。
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「いや今のでその感想!?」
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鐘守が咆哮する。
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ごぉぉぉん!!
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背中の鐘が大きく鳴った。
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その瞬間。
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地下街全体の灯りが、一斉に揺れた。




