第二十話 止まらない時計
この作品はとある配信者さん達をモデルにした二次創作です。
実際の人物には関係の無い話なのでもしモデルの配信者を見つけてもその方の配信などで話題に出すのはお控えください。
自分で読む用ですので読みずらかったらすいません。
「ねぇ」
ルナがくるりと振り返る。
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「地下街、案内してあげようか?」
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マッキーが露骨に警戒した。
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「罠じゃねぇ?」
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「ひどいなぁ……」
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「こんな場所で信用しろって方が無理だろ!」
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ルナは少し頬を膨らませた。
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「ちゃんと案内できるよ」
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「その言い方だと余計不安なんだが」
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マリーが困ったように微笑む。
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「でも、土地勘がある方がいるのは助かります」
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「マリー!?」
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「迷いましたし……」
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マッキーが黙る。
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確かに迷っていた。
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さっきから同じ景色ばかり見ている気がする。
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雪猫は普通に頷いた。
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「頼む」
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「軽っ!?」
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「決断早過ぎるだろ!」
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ルナは少し嬉しそうに笑った。
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「じゃあ、こっち」
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ぴょこぴょこと先を歩いていく。
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裸足なのに足音がしない。
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マリーが少し気になったように見る。
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「寒くないんでしょうか……」
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「ん?」
ルナが振り返る。
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「何が?」
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「靴、履いてないので……」
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ルナはきょとんとしていた。
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「……必要?」
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「価値観違う系だぁ!」
マッキーが叫ぶ。
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地下街を歩く。
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どこまでも静かな街だった。
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だが。
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本当に誰もいない訳ではない。
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遠くの窓。
曲がり角。
建物の隙間。
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時々、“誰かいる気配”だけが見える。
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振り向くと消える。
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マリーが雪猫へ少し近付いた。
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「……見られてませんか?」
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「見られているな」
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「普通に認めるんですね……」
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「事実だ」
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「怖いこと言わないで!?」
マッキーが半泣きである。
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ルナは不思議そうに三人を見ていた。
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「大丈夫だよ」
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「みんな、悪い人じゃないから」
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「みんな?」
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ルナは答えない。
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代わりに。
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広場の中央を指差した。
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「あれ見て」
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そこには巨大な時計塔があった。
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地下街の中心。
空へ伸びる古い塔。
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時計の針は今も動いている。
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かちり。
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かちり。
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静かな音が響く。
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マリーが見上げる。
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「綺麗……」
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ルナは時計塔を見上げたまま、小さく頷いた。
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「……うん」
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「私、この景色好き」
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地下街の灯りが。
赤い瞳へ静かに映っていた。
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「この街の時計、ずっと止まらないの」
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「誰もいないのに?」
マッキーが聞く。
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ルナは頷く。
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「ずっと」
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「誰もいなくなっても」
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風が吹く。
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時計塔の灯りが揺れた。
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その時だった。
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ごぉん。
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突然。
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時計塔の鐘が鳴る。
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地下街全体へ響き渡るほど大きな音。
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マリーが肩を跳ねさせる。
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「ひゃっ……!」
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マッキーも飛び上がった。
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「うおぉっ!?」
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雪猫だけが静かだった。
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ルナは時計塔を見上げている。
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さっきまでの笑顔が消えていた。
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「……あ」
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小さな声。
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マリーが気付く。
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「ルナちゃん?」
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ルナの顔色が変わっていた。
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どこか焦ったように。
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怯えたように。
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「まずいかも」
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「何が?」
マッキーが聞く。
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ルナはゆっくり後ろを見た。
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暗い通りの奥。
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そこから。
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重い足音が響いてくる。
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どん。
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どん。
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どん。
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地下街の空気が変わった。
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雪猫が細く目を細める。
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「来たな」
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マッキーが青ざめる。
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「いや何が!?」
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暗闇の奥。
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巨大な影が、ゆっくりこちらへ近付いていた。




