第十八話 足跡の先
この作品はとある配信者さん達をモデルにした二次創作です。
実際の人物には関係の無い話なのでもしモデルの配信者を見つけてもその方の配信などで話題に出すのはお控えください。
自分で読む用ですので読みずらかったらすいません。
路地裏は暗かった。
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街灯の光も届かない。
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石壁は湿っていて、空気が冷たい。
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「うわぁ……」
マッキーが露骨に嫌そうな声を出す。
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「絶対何か出る」
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「出るといいな」
雪猫が言う。
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「良くねぇよ!」
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マリーは辺りを見回していた。
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「……静かですね」
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「それさっきからずっと言ってない?」
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「だって本当に静かなんです……」
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確かに。
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三人の足音だけが響いている。
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それ以外は何もない。
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なのに。
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妙な視線だけを感じた。
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マッキーがそっと雪猫へ近付く。
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「なぁ」
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「何だ」
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「お前先頭歩け」
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「歩いているが」
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「もっとこう!」
「頼もしそうに!」
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「難しい注文だな」
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マリーが小さく笑う。
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少しだけ。
緊張が和らいだ。
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その時だった。
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かたん。
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奥の方で音がした。
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三人が止まる。
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「……聞こえました?」
マリーが小声で聞く。
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「あぁ」
マッキーも頷く。
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雪猫だけが静かに前を見ていた。
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暗闇の奥。
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何かいる。
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気配。
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小さい。
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「子供か?」
雪猫が呟く。
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「子供がこんなとこいる訳……」
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そこまで言って。
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マッキーが固まった。
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暗闇の向こう。
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小さな影が立っていた。
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白い服。
細い身体。
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顔は見えない。
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ただ。
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じっとこちらを見ている。
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マリーが雪猫の袖を掴む。
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「ゆ、雪猫さん……」
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「いるな」
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「いるなじゃないですよぉ……!」
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珍しく声が少し上擦っていた。
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マッキーは半泣きである。
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「帰ろう!?」
「今ならまだ帰れる!!」
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「足跡の主だろう」
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「冷静だなぁ!!」
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影は動かない。
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逃げない。
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ただ立っている。
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雪猫は数歩前へ出た。
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「おい」
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返事はない。
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「誰だ」
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すると。
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影が、すっと奥へ下がった。
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「あっ」
マリーが声を漏らす。
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「逃げるぞ!」
マッキーが叫ぶ。
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「追うか」
雪猫が即答した。
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「何でだよぉ!!」
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雪猫はもう歩き出している。
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マリーが慌てて追いかけた。
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「待ってください!」
「危ないですから!」
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「問題ない」
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「その言葉ほんと信用出来ません……!」
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路地裏を進む。
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曲がり角を抜ける。
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さらに奥へ。
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すると突然。
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視界が開けた。
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そこは小さな広場だった。
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噴水。
石像。
古いベンチ。
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そして中央に。
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少女が一人立っていた。
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長い銀髪。
白いワンピース。
裸足。
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年齢は十歳くらいだろうか。
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少女は静かにこちらを見る。
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赤い瞳だった。
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マリーが息を呑む。
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「……綺麗」
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少女は首を傾げた。
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「お客さん?」
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声は普通だった。
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むしろ。
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あまりにも普通すぎた。
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マッキーが混乱する。
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「え?」
「子供?」
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「子供だが」
雪猫が言う。
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「いや見れば分かる!」
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少女は不思議そうに三人を見ていた。
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「珍しいね」
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「ここに来る人、もうずっといなかったのに」
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風が吹く。
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地下街の灯りが静かに揺れた。




