第十七話 地下街の食堂
この作品はとある配信者さん達をモデルにした二次創作です。
実際の人物には関係の無い話なのでもしモデルの配信者を見つけてもその方の配信などで話題に出すのはお控えください。
自分で読む用ですので読みずらかったらすいません。
結局。
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三人ともスープを飲んでいた。
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「……美味いな」
マッキーが悔しそうに言う。
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「だろう」
雪猫はどこか満足そうだった。
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「何でお前が誇らしげなんだよ」
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マリーもそっと口を付ける。
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優しい味だった。
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温かくて。
どこか懐かしい。
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「……美味しいです」
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「な?」
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「だから何でお前なんだよ!」
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食堂の中は静かだった。
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誰もいない。
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けれど。
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まるで“少し前まで誰かいた”みたいな空気が残っている。
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机の上には食器。
壁には古いメニュー。
止まっていない時計。
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マリーが周囲を見回す。
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「不思議ですね……」
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「人の気配はあるのに」
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「誰もいない」
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マッキーが小声で言う。
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「幽霊とか出ねぇよな……」
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「出たらどうする?」
雪猫が聞く。
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「逃げる!」
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「即答だな」
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「当たり前だろ!」
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雪猫は少しだけ笑った。
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絶対面白がっている。
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マッキーは嫌そうな顔をする。
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「お前さっきから楽しんでるだろ」
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「少し」
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「隠す気なくなってきてねぇ!?」
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その時だった。
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からん。
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入口の鈴が鳴る。
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三人が止まる。
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風はない。
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なのに。
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扉がゆっくり開いていた。
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ぎぃぃ……
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マリーがびくっと肩を震わせる。
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「ゆ、雪猫さん……」
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「何だ」
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「開きました……」
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「見れば分かる」
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「そういう意味じゃなくてですね……!」
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マッキーが椅子を引いて立ち上がる。
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「誰かいるのか?」
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返事はない。
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静かだった。
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静かすぎた。
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雪猫だけが落ち着いている。
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むしろ少し興味深そうだった。
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「行ってみるか」
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「待て待て待て!」
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「絶対罠だって!」
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「罠なら分かる」
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「その自信怖ぇよ!」
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雪猫は立ち上がる。
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そして普通に扉へ向かった。
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マリーも慌てて続く。
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「ま、待ってください……!」
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「一人で行くの危ないです!」
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「そうか?」
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「そうです!」
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マッキーが深くため息を吐く。
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「……何で俺こんな苦労してんだ」
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雪猫が振り返る。
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「帰るか?」
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「帰れる空気か!?」
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三人は食堂を出た。
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地下街の通りは相変わらず静かだった。
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街灯だけが灯っている。
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遠く。
時計塔が見える。
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そして。
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石畳の上に。
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新しい足跡があった。
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三人のものではない。
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まるで。
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“ついさっき誰かが歩いた”みたいな足跡だった。
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マリーが息を呑む。
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「誰か……います」
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雪猫はしゃがみ込む。
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足跡を見る。
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そして。
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「軽いな」
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「何が分かるんだよ……」
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「子供くらいか」
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「余計怖ぇよ!」
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足跡は路地裏へ続いていた。
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暗い道。
細い通路。
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マッキーが嫌そうな顔をする。
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「行くの?」
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雪猫は立ち上がった。
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少しだけ口元を緩める。
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「もちろん」
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「知ってたよぉ!!」
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マリーがあわあわしながら後を追う。
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「ま、待ってください……!」
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「せめて慎重に……!」
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「善処する」
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「絶対しませんよねそれ!」
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三人の声が。
静かな地下街へ吸い込まれていった。




