第十六話 誰もいない街
この作品はとある配信者さん達をモデルにした二次創作です。
実際の人物には関係の無い話なのでもしモデルの配信者を見つけてもその方の配信などで話題に出すのはお控えください。
自分で読む用ですので読みずらかったらすいません。
地下街は静かだった。
---
異様なほどに。
---
石畳は綺麗に整えられている。
街灯には灯りが点いている。
店の看板も壊れていない。
---
なのに。
---
人の気配だけが無かった。
---
「……すげぇな」
マッキーが呟く。
---
「本当に街だ」
---
雪猫は辺りを見回している。
---
「思ったより広いな」
---
「感想そこ!?」
---
「地下とは思えません……」
マリーも空を見上げる。
---
天井は遥か上。
暗く、見えない。
---
まるで夜空みたいだった。
---
風が吹く。
---
誰もいないはずなのに。
---
どこか“生活の音”だけが残っている。
---
時計の針。
揺れる看板。
遠くで軋む扉。
---
マッキーが小さく肩を震わせた。
---
「やっぱ帰らねぇ?」
---
「今さらだろう」
雪猫が歩き出す。
---
「お前ほんと躊躇ねぇな!?」
---
マリーも慌てて続く。
---
「ま、待ってください」
---
石畳に足音が響く。
---
三人分だけ。
---
その時。
---
ぐぅぅぅ。
---
静寂の中に音が響いた。
---
マッキーが雪猫を見る。
---
雪猫もマッキーを見る。
---
「お前か?」
---
「違ぇよ!」
---
マリーがおずおずと手を挙げた。
---
「……私です」
---
少し恥ずかしそうだった。
---
マッキーが吹き出す。
---
「こんな空気で鳴ることある!?」
---
「す、すみません……」
---
「いや謝らなくていいけど!」
---
雪猫は近くの建物を見る。
---
古い食堂だった。
---
看板は薄汚れている。
だが。
---
窓から明かりが漏れていた。
---
マッキーが真顔になる。
---
「嫌だなぁ」
---
「絶対嫌なやつだ」
---
「飯があるかもしれん」
雪猫が言う。
---
「食欲優先するな!」
---
「……でも」
マリーが小さく言った。
---
「温かい匂い、します」
---
沈黙。
---
マッキーが天を仰ぐ。
---
「行くしかねぇじゃん……」
---
店の扉を押す。
---
からん。
---
鈴の音が鳴った。
---
店内は静かだった。
---
テーブル。
椅子。
カウンター。
全部綺麗に整っている。
---
そして。
---
厨房の奥。
---
鍋から湯気が立っていた。
---
マリーが息を呑む。
---
「誰か、いるんでしょうか……」
---
返事はない。
---
雪猫は普通に席へ座った。
---
「いや待てぇ!?」
マッキーが叫ぶ。
---
「警戒心!!」
---
「腹が減った」
---
「自由過ぎるだろ!!」
---
雪猫は机に肘をつく。
---
「マリー」
---
「は、はい」
---
「座れ」
---
「え、でも……」
---
「立っていても腹は膨れん」
---
「それはそうですけど……」
---
マリーは困りながら座った。
---
マッキーだけ立っている。
---
「何で俺だけまともなんだ……」
---
その時。
---
とん。
---
突然。
---
三人の前へ皿が置かれた。
---
「「「!?」」」
---
誰もいない。
---
なのに。
---
温かいスープが置かれている。
---
湯気が立っていた。
---
マリーが固まる。
---
「えっ……」
---
マッキーは半歩下がった。
---
「うわぁぁぁ嫌だぁぁぁ!!」
---
雪猫はスープを見る。
---
そして。
---
「美味そうだな」
---
「そこ!?」
---
「食うなよ!?」
---
雪猫は匙を手に取る。
---
マリーがあわてて声を上げた。
---
「ゆ、雪猫さん!?」
---
「危ないかもしれません!」
---
雪猫は一口飲む。
---
数秒。
---
沈黙。
---
マッキーとマリーが固唾を呑む。
---
そして。
---
雪猫は静かに言った。
---
「美味い」
---
「食うなって言っただろぉぉ!!」
---
マリーも珍しく慌てていた。
---
「だ、大丈夫なんですか!?」
---
「問題ない」
---
「その言葉信用出来ないんですよ!」
---
雪猫は少しだけ笑う。
---
「毒は入っていない」
---
「どうやって分かったんですか……!?」
---
「勘だ」
---
「一番怖いやつ!!」
---
静かな地下街に。
三人の声だけが響いていた。




