18、信用
「俺は…」
俺は隠している秘密をバラす。
「俺は目が良いんだ。純粋な視力もそうなんだけど…色々見るだけで分かるんだよ。例えば…魔力量とか。」
「…証明出来ますか?」
「エルフって気づいたのは君らの魔力量を見たからだし…それで証明にならない?」
「…」
これで無理なら諦めるのだが…
「…いいんじゃないですか?嘘ついてるようには見えないですし…矛盾も特にない。重要な秘密と私たちの信用を天秤にかけた時点で信用に足ると私は思います。」
「うんうん。助けて貰った恩もあるしね〜。」
後ろで見ていた2人のエルフが仲裁に味方してくれる。
「…分かりました。信用します。助けていただきありがとうございました。」
「いやいいよ。こっちも道教えてもらったしそれでチャラってことで。」
「優しい方ですね。」
「ね〜。珍しいね〜。」
「…ただ他の人より余裕があるだけだよ。お金も時間も力も。追い込まれていたら君たちを売ったり奴隷にしたり…可能性はあったさ。俺はそんなに出来た人間じゃないからな。」
「…ですがあなたは他の人間よりマシです。」
「えぇ…そんなに今まで出会った人間たちは酷かったの?」
「酷いと言いますか…」
「おそらく想像通りかと。」
「まぁ可愛いから仕方ないね〜。」
「…そうか。まぁ…なんだ、頑張ってくれ。俺はもう行くからな。あ、そういや食料余ってない?ないならこいつ貰っていってもいい?」
俺は先程撃ち落とした鳥型の魔物を指さす。
「…残念ながらこちらもカツカツです。というかその魔物…食べれるんですか…?」
「食べれるよ。魔物が鳥型になってるんじゃなくて、鳥が魔物になってるんだよ。結局元が鳥なんだから立派な食料だ。」
「…どうしましょう。」
「…どうします?」
「…どうしようね〜。」
何やら3人でコソコソと話している。俺は割と慣れているが…この世界の人はまだまだ魔物を食べるのに抵抗感あるらしいし…気持ち悪がられたかな。
「お待たせしました。…取引しませんか?」
なるほど。人間っていう括りじゃなく俺という個人で見始めたな。良いリーダーだ。
「内容次第かな。とりあえず話してみてくれ。」
「貴方はラドランに物資を補給しに行くのですよね?ラドランにこだわる理由はないのですよね?」
「そうだな。物資さえあれば基本的にどこでも。」
「…私たちが向かっているカランという国があります。物資の補給であればラドランと同程度のものが手に入ります。」
ほう。
「…そこまで私たちを護衛してくれませんか?報酬はこの馬車にある食料、あと少しですがお金も差し上げます。…どうでしょう?」
…よく俺との会話を覚えていたもんだ。特に断る理由は見つからない。だが…
「少し変更したい所がある。まず、金はいらない。あと食糧は欲しいが基本的に倒した魔物を俺にくれればそれでいい。魔物が出なかったら貰うって形でもいいか?」
「…良いですが…それでは貴方が不利なのでは?」
「そうだな。だからお前たちの身体を使って実験したい。」
「「「…」」」
3人の顔が強ばる。まぁ自分の身体を使って実験されるなんて言われたら最悪だろう。
「実験したいのはお前ら…エルフ族女性の魔力に関してだ。」
「…魔力ですか。具体的には何を?」
「したいのは2つ。まず俺がお前らの身体に魔力を流し込んだ時の反応が見たい。次に他の特徴がないか探したい。魔力がないのは仕方ないが…その分他の何かが突出している可能性があるからな。」
「…良いでしょう。こちらにも利がありますし…ですが触るのは禁止です。」
「了解。じゃあカランだっけ…そこまでよろしくな。」




