17、迷いと出会い
「うーん…うんうん…ん?うん…」
何度も何度も地図を確認する。
「君なんか…違くない?」
地図ではここにラドランという小国があるはず…
ここで少し物資を補充するつもりだったのだが…目の前に広がるのは見える限りの砂漠、そして大きな岩。元々国なんてなかったと言わんばかりの大岩。
「まぁ…魔物居ないから野宿は出来るけど…」
前途多難である。だが日も落ちてきたしここに小さな穴蔵を作り、一晩明かすのが最善だろう。
「土魔法ばっかり使う勇者は人気でないだろうな…」
でも使い勝手がいいから使ってしまう。
「…なんか変な気配がするな。あっちか…。」
目がそれを捉えた。鳥っぽい魔物2体と苦戦してそうな3人組。もちろん助けるが…やはり変な気配だ。
「…〜い!おーい!助け必要か?無理そうなら助けるぞ!」
「…!えっと!助けて欲しいです!私たちじゃこれどうしようもなくて!!」
1人の女の子がこちらに気づき応答する。
「はい、はい。よーし、大丈夫か?流石に馬車あるなら護衛は付けた方が良いと思うが…」
見たところ大きめの馬車に3人だけ…しかも全員女の子なのだ。ワケありなのだろうか。
「えっと…そ、そうですね!忠告ありがとうございます!」
「ありがとうございます〜!」
「肝に銘じます。」
…変な子たちだ。3人とも魔力を感じない。魔力のない人は時々いるし、そこまで珍しくはないのだが…全員無いのは初めて見た。いや…これは…
「…エルフか。初めて見た。」
「「「…」」」
否定しないところを見ると当たりなのだろう。変な気配だと思っていたがまさか人間じゃない種族だったか。
「警戒しないでくれ。何もするつもりはない。信用出来ないだろうからここに荷物と武器置いておく。」
「…手際がいいですね。慣れてらっしゃいます?」
「いや、初めてだ。だがエルフの女性は大変だと聞いたことがあってな。お節介だったか?」
エルフの女性は生まれつき魔力を持たない。だがその美貌と希少さは貴族の格好の的になってしまった。警護がいなかったのも人を信用出来ないからだろう。
「…いいです。少しだけ信用します。ですがいくつか質問させていただきます。いいですね?」
「いいぞ。答えられる範囲なら。」
仕方ないことではあるのだが…少しだけめんどくささが勝っている。
「…あなたは何故ここに?」
「一人で旅してたら襲われてたから。」
「…あなたは誰ですか?」
「ワタル。」
「…ここには何用で?」
「物資を補充したくてな。ラドランって国を目指してたんだが…岩しかなくてビックリしてた。」
「ラドランはここから東方向ですが…遠くないですか?」
「…まじ?逆方向だったかぁ…そりゃ着かないわけだ。」
どうやら進む方角を間違っていたらしい。地図って難しい…
「…最後です。私たちの正体にどうやって気づいたんですか?」
…困った。誰彼構わず言いたくないのだが…
「言いたくないと言ったら?」
「消します。正体を知られた以上、あなたは危険人物です。」
そうだよな俺もそうするもん。…仕方ない、数少ないエルフを減らすわけにいかないし。
「まぁいいよ。俺は…」




